◆ 大山が7打席連続安打の大暴れ
プロ野球の2018年シーズンも残りわずか。セ・パ両リーグとも首位チームに優勝へのマジックナンバーが点灯しており、セ・リーグは広島が3連覇へのカウントダウンを「4」まで進めている。
その一方、2位以下のクライマックスシリーズ出場権をかけた争いは混戦模様。2位のヤクルトがここに来てやや抜け出してきた感はあるが、3位の巨人から最下位・阪神まではわずか1.5ゲーム差しかない。
ここに来て最下位まで後退してしまっている阪神だが、最終盤に来ての明るい材料もある。若き力が爆発していることだ。
その筆頭株が大山悠輔。2016年のドラフト1位で加入した2年目の大砲候補は、9月16日のDeNA戦で6打数6安打・3本塁打・7打点の大暴れ。翌日の第1打席でも本塁打を放ち、2試合にまたがって7打席連続安打をマークした。
プロ2年目の今季は開幕前に侍ジャパントップチームに招集され、オーストラリア代表との強化試合に出場。チームに戻っても開幕スタメンに抜擢されると、沢村賞右腕・菅野智之(巨人)から第1号弾を放つなど、大きな期待を抱かせるスタートとなった。
ところが、以降は徐々に調子を落としていくと、6月19日の試合を最後に登録抹消。二軍再調整を言い渡される。それでも、ファームですぐに調子を取り戻して一軍に復帰。直後は代打での出番も多かったものの、8月下旬からスタメン出場の機会が増えると9月に入って大爆発。ここまで月間13試合の出場で打率.460、7本塁打、18打点という圧倒的な成績を残している。
◆ 新切り込み隊長と5番
また、こちらもプロ入り2年目・糸原健斗も好調。すっかり切り込み隊長が板についてきた。
ルーキーイヤーの昨季はケガでの悔しい離脱があったものの、今季は遊撃で始まり三塁、二塁とチームの泣き所を任されながらスタメン出場を継続。6月7日以降は「1番・二塁」を定位置としている。
この糸原も9月に入って13試合の出場で打率.351と絶好調。コンビで打線を引っ張っていた北條史也が残念ながら離脱してしまったものの、先頭で打線にスイッチを入れる役割を担っている。
さらに、福留孝介の離脱から中軸を任されている陽川尚将も奮闘中。毎年ブレイクが期待されるプロ5年目の27歳は、今季も6月に打率.358、3本塁打、20打点と大活躍。一気に期待が高まったが、7月・8月はともに月間打率1割台と低迷。またもレギュラー定着とは至らない。
それでも、9月に入ってからは13試合で打率.295と復調の兆し。今季は得点圏打率が.343と勝負強さも光っているだけに、再び上位進出を目指すなかでこの男の得点力には大きな期待がかかる。
シーズン残りわずかとはいえ、阪神は6連戦・1日空けて・13連戦という凄まじい日程。チームが苦しい時こそ、若き力に期待…。9月に躍動している若虎に注目だ。