ニュース 2018.09.19. 16:30

好調・ヤクルト先発陣の最後のピース 待たれるブキャナンの復調

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ヤクルト時代のデービッド・ブキャナン (C) KYODO NEWS IMAGES

先発陣の好投で2位固めへ


 プロ野球2018年シーズンも残りわずか。セ・リーグでは広島がリーグ3連覇に向けて突き進んでいる一方、例年通りクライマックスシリーズ出場権争いは大混戦の様相。ここに来て2位・ヤクルトが少し抜け出しかけているものの、3位から最下位まではわずか1.5ゲーム差と最後まで分からない戦いが続く。

 ヤクルトはここまで128試合で64勝62敗2分の2位。勝率5割前後を行ったり来たりする時間が長かったが、先週の6連戦を4勝1敗1分と勝ち越して貯金生活へ。3位・巨人との差を4.5に拡げた。

 その原動力となったのが、先発陣の奮闘である。9月11日から16日までの6連戦で先発投手が4勝1敗。チームが引き分けた12日の巨人戦も、先発したデービッド・ブキャナンは7回を1失点の力投。唯一の黒星となった16日・広島戦の高橋奎二も、初回に失策絡みで失った4点が響いての敗戦で、5回を投げて自責点は0だった。


【好調なヤクルトの先発陣】
11日:勝 =小川泰弘(8.0回/自責1)
12日:なし=ブキャナン(7.0回/自責1)
13日:勝 =星 知弥(6.0回/自責1)
14日:勝 =原 樹理(8.0回/自責0)
15日:勝 =山中浩史(6.2回/自責1)
16日:負 =高橋奎二(5.0回/自責0)


待たれる大黒柱の復調


 先発陣が調子を上げているというのは、一戦必勝の状況が続くチームにとって頼もしいことこの上ない。

 今季は開幕が遅れながらも6月以降は安定した投球でチームを支えている小川泰弘に加え、一時は中継ぎに回っていた原樹理が後半戦からローテーションに欠かせない存在に。さらに肘の骨折から戻ってきた星知弥が先発に復帰すると、その初戦から好投を見せて勝利。短期決戦に向けて、枚数も揃いつつある。


 そんな状況だからこそ、今後に向けて期待したいのがブキャナンの復調だ。

 今季の開幕投手を任された右腕は出だしこそ2連勝と勢いに乗ったものの、その後は「2連勝」の壁が高く立ちはだかる。好投を見せながらも勝ちがつかなかった不運もあるが、ここまで9勝10敗と黒星が先行している。

 昨年は球団ワーストとなる96敗を喫したチームの中で奮闘を見せ、25試合の登板で6勝13敗と負け越しながらも防御率は3.66を記録。今季はここまで同じ25試合の登板で9勝10敗も、防御率は3.93と悪化してしまっている。これで不調と言ってしまうのも酷な気はするが、やはり安定感に欠いているところは否めない。


19日の登板が試金石に…!?


 今季のブキャナンに関して気になる点を挙げるとすれば、「登板間隔が定まっていない」という点が浮上する。


【ブキャナン・登板間隔別成績】
・3月30日[De] 6.0回/自責1:勝
 (6)
・4月6日 [巨] 8.0回/自責0:勝
 (6)
・4月13日[神] 8.0回/自責2
 (5)
・4月19日[広] 6.0回/自責2
 (8)
・4月28日[巨] 7.0回/自責2:負
 (5)
・5月4日 [広] 9.0回/自責0:勝
 (6)
・5月11日[De] 6.2回/自責3:勝
 (7)
・5月19日[広] 5.1回/自責5:負
 (5)
・5月25日[De] 4.2回/自責6:負
 (6)
・6月1日 [楽] 7.0回/自責1:勝
 (5)
・6月7日 [ソ] 7.0回/自責0
 (5)
・6月13日[西] 5.2回/自責6:負
 (5)
・6月19日[ソ] 6.0回/自責2
 (6)
・6月26日[中] 9.0回/自責1:勝
 (7)
・7月4日 [広] 5.0回/自責3:負
 (5)
・7月10日[巨] 5.0回/自責5:負
 (6)
・7月17日[De] 7.0回/自責0:勝
 (7)
・7月25日[巨] 6.2回/自責5:勝
 (6)
・8月 1日[広] 2.0回/自責6:負
 (8)
・8月10日[中] 7.0回/自責2:負
 (6)
・8月17日[神] 6.0回/自責2:勝
 (6)
・8月24日[De] 6.0回/自責5:負
 (6)
・8月31日[広] 7.1回/自責3
 (5)
・9月 6日[中] 6.0回/自責7:負
 (5)
・9月12日[巨] 7.0回/自責1
―――――
[中6日] 10試(67.0回) 6勝2敗 防3.09
[中5日] 9試 (56.1回) 1勝4敗 防4.63
[7以上] 5試 (31.0回) 1勝4敗 防4.94


 最も多いのは10試合の「中6日」だが、「中5日」も9試合とほぼ同数。「中7日以上」間隔が空いた登板も5試合ある。

 昨季は中4日の登板で勝利を挙げるなど、短いスパンでの登板に不安があるということではないのだが、数字を比較してみると「中6日」が圧倒的に優れていることが分かった。

 もちろん、勝ち負けは時の運によるところも大きいが、こうした傾向は今後も気になるところ。ちなみに、19日の登板はデータ的には頼もしい「中6日」。「中5日」ながら好投を見せた前回登板を経て、復調のキッカケを掴む投球ができるだろうか。



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