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巨人の“4番”岡本の可能性【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

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巨人・岡本和真(C)KYODO NEWS IMAGES

22歳の4番打者


 今週は巨人の若き4番・岡本和真について。

 6月2日の交流戦・オリックス戦から4番に入った4年目の岡本ですが、ここまで疲れた表情も見せずに4番を守り通しています。記録的にもあまりスランプがないし、見たところフォームが崩れている、あるいはちょっとへばっているところもない。一体どういう青年なんだろうと思うくらい、顔に似合わず強い何かを持っていますね。

 6月にまずオリックスの山岡からホームランを打った後、摂津(ソフトバンク)、石川(ロッテ)、ヤクルト戦でハフ、それから広島のジョンソンからも打っています。

 7月はヤクルトの風張、広島のジョンソンからまたホームランを打って、その後、中日の祖父江、広島の岡田。8月に入ってDeNAの濱口、中日の小笠原、広島の野村、ヤクルトの古野、中日の浅尾、阪神の小野、飯田、広島の今村。9月に入って中日の藤嶋からホームランを打った後、9月2日に“平成の怪物”松坂からホームランを打ちました。岡本はあのホームランで随分自信をつけたのではないかと思います。


あのゴジラでも…


 プロ野球の監督は、色んな選手を見て、4番バッターを決めるわけですが、4番を決める際にも非常に慎重なんです。

 ジャイアンツの長嶋茂雄さんが松井秀喜を4番にする時、「1000日プラン」。つまり3シーズンかけて4番バッターを作ると言っていました。でも3シーズンの長嶋さんの「1000日プラン」の中では、松井が4番に座ることは出来なかった。

 1000日を過ぎた後、1996年に松井を4番に入れてスタートしたんですが、そのペナントレースでも途中で4番を落合博満に変えるなど、4番を固定することは非常に難しいんです。

 松井選手が4年で4番を掌中にできなかったジャイアンツの4番という座を、岡本は4年目で手に入れました。監督が4番バッターを決める時に大事にするのが、非常に勝負強いこと、それからチームの先頭に立てる男、ただ打つだけではなくてチームの先頭に立てる男、といったことです。


理想の4番とその条件


 原さんに言わせると、「カモン」と相手に対してファイティングポーズを取れることが4番打者には必要だと言います。岡本は「カモン」いうようなファイティングポーズはないんですが、誰に対しても同じようなバッティングをするということは、それに等しいことだと思うんです。

 それから2番目は、打撃に決定的な欠点がない。これは今の岡本がその通りだと思うんです。坂本は足を上げて非常に癖のある打ち方なので、崩れてくると大変ですけれど、そういったところが岡本にはない。決定的なポイント、欠点がないということです。

 あとは無条件にホームランを打てること。つまり長打力があること。この長打力があるというのは、これは先天的なもので、どんなにバッティングが上手くてもヒットは打てるけど、ホームランなかなかならない。これはもう人間の身体の作りとしてしょうがないことで、ホームランを打てる長打力が先天的にあるというのは、それだけ非常に得なこと。4番バッターとしては重要な条件になります。 

 振り返ると、勝負強くチームの先頭に立てる男。打撃に決定的な欠点がないこと。ホームランを打てる長打力があること。ピッチャーに対して、ファイティングポーズをとれること。打つだけではなくて、その存在がチームリーダーであること。これだけ揃えた者を4番バッターにするというのが、今のプロ野球の監督の最終判断の材料になるものなんです。


岡本の適性は!?


 これを岡本に当てはめると、非常に勝負強く、打点が多い。ソロホームランしか打てないゲレーロとちょっと違うのはここだと思うんです。それから、デビューした時から同じようにバットを前の方に置いて、無理のない自然体で思いきってフルスイングをしている。自然体で欠点があまりない。

 長打力は本当に文句なしで、顔に似合わずボールが飛びます。ファイティングポーズを取れる。これは、そういう男ではないんですけど、全然物おじしないってところが相手ピッチャーからすると嫌なのではないかと思います。

 それから守備も上手で、今のところ彼はチームリーダーという存在ではなくて、リーダーの後ろにくっついている存在ですけれど、だんだん実績が伴ってチームの主力になる男で、そういう資質は十分にあると思うんです。


松井と岡本


 1996年。松井秀喜さんが4番に入った初の試合は、5打数1安打で、これはポテンヒットが1本ありました。岡本選手ですが、平成30年6月2日、オリックスの山岡から、ホームランで4番デビューを飾るという。全然スタートも違っていますね。

 2人を比較すると、松井は力強く、打球が非常に早い。ファイティングポーズも十分にとれる。一方の岡本は、打球が飛ぶ、打率も良い、選球眼も良い、ファイティングポーズという部分はもう一息だけれど決して物おじしない。バットの芯でとらえる確率が、松井秀喜さんより高い。

 そのうえ、怪我がなく、安定している。全ての点で、高校時代の松井さんのイメージのような凄みはないんですが、全然引けを取らないと思うんです。

 1996年4月の終了時点で、松井さんは4番バッターとして19試合で打率.286、ホームラン4本、7打点。岡本選手は4月終了した時点で25試合、94打数31安打で打率.330、ホームラン5本、打点が21。その時点では4番と決まったわけではないのですが、成績的には松井さんのデビューの4番バッターより、岡本の25試合の方が良い。このへんもやっぱり、すごさが出ている感じがします。


史上最高の4番へ!?


 松井の初ホームランは、ヤクルトの高津。一方の岡本は、阪神の藤川で、それぞれタイプの違う選手ですが、このあたりは順調に出ていますね。ところが2人の先輩の落合は1996年の4月、19試合で打率.354、ホームラン5本、19打点。これは松井が4番で、5番が落合でした。

 4番はこうやって打つんだよというような成績を落合さんは残しているんです。松井、岡本、落合、それぞれみんな三者三様の成績を残しています。1996年、春先の松井4番に代わって、落合は5月以降、4番に入るわけですが、42歳で4番に入った落合さんは打率.301、ホームラン21本、86打点。これは立派な成績ですね。

 これにも決して岡本は引けを取らないという。本当に岡本は内容も数字も捨てがたいってものではなくて本当にすごいですね。このまま行ったらジャイアンツ最高の4番バッターになる。長嶋さんに怒られますね。数字的には良い勝負をすると思います。

 さて、今週の深澤弘のショウアップナイターヒストリーいかがでしたでしょうか。ショウアップナイターファンクラブでは、毎週月曜日に深澤弘のショウアップナイターヒストリーを更新して参ります。これからも楽しんで頂ける裏話、とっておきのネタをお話していきます。どうぞお楽しみに。


(ニッポン放送ショウアップナイター)

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