ブレーブスの新星・アクーニャ

◆ ナ・リーグに現れた2人の新星

 大谷翔平(エンゼルス)の活躍で日本での注目度も高いア・リーグの新人王争い。残り1週間を切り、大谷とミゲル・アンドゥハー(ヤンキース)による一騎打ちの様相を呈している。

 一方、ナ・リーグの新人王争いも熾烈を極めている。こちらもア・リーグ同様に2人の争いとなってきた。

 1人目が20歳のロナルド・アクーニャ(ブレーブス)。4月下旬にメジャーに昇格するも、当初はメジャー投手に適応できず、さらに5月下旬から約1か月間、故障者リストに入っていた。しかし、復帰後は本領を発揮。特に8月以降は52試合で打率.315、15本塁打、31打点、10盗塁をマーク。8月中旬にはメジャー史上最年少で5試合連続本塁打を放つなど、1番打者としてチームの地区優勝に貢献した。

 2人目は、19歳のフアン・ソト(ナショナルズ)。こちらは今季1Aで31試合、2Aで8試合に出場しただけで、3Aをスキップし、5月中旬にメジャーに昇格。デビューから常時打率3割前後を維持し、3試合連続ノーヒットが一度もない。19歳とは思えない安定した打棒を披露している。

 ナ・リーグの新人王争いは若い2人の打者による一騎打ちと言っていいだろう。ただし、どちらの選手も現時点で規定打席数に達していない。アクーニャは残り6試合で40打席以上が必要で到達はほぼ絶望的。一方のソトも残り5試合で30打席が必要と規定到達は難しい状況だ。

 ナ・リーグで唯一、規定打席に到達しているのが25歳のブライアン・アンダーソン(マーリンズ)。ここまで152試合に出場して打率.272、10本塁打、61打点と数字の面では2人に劣るが、ほぼフル出場している点でそれなりの票を得るだろう。

◆ 平野も奮闘を見せているが…

 投手にも候補は何人かいるが、いずれもインパクトには欠ける。ナ・リーグ新人の勝ち頭は22歳のジャック・フラーティ(カージナルス)と25歳のジョーイ・ルケシー(パドレス)で8勝。ともに規定投球回数到達は絶望的だ。

 ナ・リーグで唯一、規定投球回数に到達しそうなのが26歳のアンドルー・スアレス(ジャイアンツ)。あと4イニング投げれば、162回に達するが、7勝12敗で防御率4.22では得票はあまり期待できない。

 救援投手では、25歳のA.J. ミンター(ブレーブス)が今季の新人では最多の15セーブを挙げている。他には、23歳のサラントニー・ドミンゲスが14セーブを挙げており、2人はある程度の票を得るだろう。

 新人で最も多い登板数を誇るのがオールドルーキー、34歳の平野佳寿(ダイヤモンドバックス)。ここまで主にセットアッパーとして73試合に投げ、チームの快進撃を支えてきた。

 今季のナ・リーグ新人王争いをまとめると、アクーニャとソトが3番手以下を大きく引き離している状態。アンダーソン、フラーティ、ミンター、ドミンゲス、平野などが2人を追うがかなり厳しい状況だ。果たして残り1週間で新人王争いの情勢は変わってくるだろうか。

【ナ・リーグ主な新人打者成績】
▼ ロナルド・アクーニャ
105試 率.289 本26 点58 盗15

▼ フアン・ソト
111試 率.295 本21 点66 盗5

▼ ブライアン・アンダーソン
152試 率.272 本10 点61 盗2

【ナ・リーグ主な新人投手成績】
▼ ジャック・フラーティ
26試 8勝8敗 防3.08 被打率.195

▼ A.J. ミンター
63試 4勝3敗15セーブ 防3.34 被打率.244

▼ サラントニー・ドミンゲス
51試 2勝5敗14セーブ 防3.05 被打率.162

▼ 平野佳寿
74試 4勝3敗2セーブ・32ホールド 防2.48 被打率.211

※成績は現地時間24日終了時点

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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