ニュース 2018.09.26. 13:30

悔しさを糧に這い上がれ…“もう一度”のチャンスを迎えた若手たち

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ヤクルト・梅野雄吾(C)KYODO NEWS IMAGES

梅野は“7回の男”定着へ


 9月25日、ナゴヤドームで行われた中日-ヤクルトの一戦。ヤクルトが終盤の猛反撃で追いつき、延長戦の末に逆転勝ち。この試合で今季2勝目を挙げたのが、高卒2年目・19歳右腕の梅野雄吾である。

 力のある速球で打者に立ち向かう投球が信条。今季序盤は抜擢に応えることができず、3試合・2回1/3の登板で自責点11の防御率42.43と打ち込まれたものの、夏場に一軍復帰すると見違えるような姿を披露。今では僅差の試合終盤で起用されるようになり、8月は10試合で防御率1.86と好投。9月もここまで10試合で防御率1.93と安定した投球を続けている。

 今季のヤクルトといえば、8回の近藤一樹・9回の石山泰稚という方程式が確立。近藤はリーグトップの69試合、石山は2位の66試合に登板とフル回転でチームを支えてきた。

 それだけに、「いかに8回までリードを保てるか」というところがカギだったが、前半戦は2年目左腕の中尾輝がこの役割を担い、後半戦は梅野がそのポジションにピタリとハマった。

 150キロを超えるストレートと物怖じしない性格は中継ぎ向き。という評価がある一方で、先発としての起用を見てみたいという声も挙がっているのも事実。まだ19歳と未来があるだけに、今後の起用法にも注目が集まる。


今春のオープン戦首位打者


 この梅野のように、シーズン序盤のチャンスを掴めなかったものの、二軍降格を経て再びチャンスを掴んだ/掴もうとしている選手は他にもいる。

 たとえば、楽天の内田靖人もその一人だ。今季はプロ5年目にして初の開幕スタメンを勝ち取った期待の大砲候補。昨季はイースタンで本塁打と打点の二冠に輝き、この春のオープン戦でも首位打者に輝くなど飛躍に期待がかかったが、結果を残すことができずに1週間で二軍落ち。その後、5月に戻ってきた時も結果を成果をあげることができなかった。

 しかし、8月の終わりに3度目の昇格を果たすと、復帰2戦目に約3カ月ぶりの一発をマーク。9月に入ってもスタメン起用を継続されると、9月15日から22日にかけて6試合連続安打も記録。今月は月間打率こそ.212も、本塁打は4本と打線の中で存在感を放っている。

 苦しみながらも積み上げてきた本塁打は「9」。残りの試合で2ケタ本塁打をクリアし、来季の自信に繋げていきたいところだ。


猛牛打線のリードオフマンになれるか


 オリックスの宗佑磨も来季に向けて良いアピールを見せている。

 抜群の身体能力がウリの4年目・22歳。これまでは内野手、主にショートがメインポジションだったが、今春のキャンプでセンターに転向。スピードを活かして「1番・中堅」のレギュラーを奪うまでに成長したが、シーズンに入ると思うような結果が残せず、7月には骨折で二軍降格となってしまった。

 9月に入ってようやく一軍復帰を果たすと、9月はここまで18試合で打率.271と奮闘中。最後の最後で成長した姿を見せている。来季はフルシーズン一軍で戦うことができるだろうか。


 もちろん、最初のチャンスをモノにしてレギュラー定着するに越したことはないものの、失敗や挫折を乗り越えるというのは、自身の成長につながる大きな糧になる。シーズン終盤にチャンスを掴みかけている若き選手たちの、これからの未来に期待したい。


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