神宮球場でファンにあいさつをするラミレス監督 [写真=萩原孝弘]

◆ 進退は「すべての試合が終わってから」

 セ・リーグのクライマックスシリーズ出場権争いがついに決着。逆転でのポストシーズン進出を目指していたリーグ4位のDeNAは、9日に神宮で行われたヤクルト戦に勝利したものの、甲子園で行われていた試合で巨人が勝利したため、巨人の3位が確定。この結果、ラミレスDeNAの3年連続のCS進出は絶たれた。

 逆転の条件はDeNAが『残り2戦を負けないこと』に加え、巨人が『最終戦で勝たないこと』という厳しい状況。負けたら終わりという崖っぷちの状況も、指揮官は「希望は十分にある」と前向きだった。

 この日も1番に筒香嘉智を置き、以降をネフタリ・ソト、宮崎敏郎、ホセ・ロペスと並べた“スクランブル打線”。「勝つためのラインナップ」で2位のヤクルトに挑む。

 試合は約2年ぶりの勝利を目指した“松坂世代”の館山昌平に対し、毎回のようにチャンスを作りながらもあと1本が出ない展開。同じ舞台で連敗を喫した“先週の悪夢”がよぎる流れも、4回に無死満塁のチャンスで柴田竜拓が押し出しの四球を選んで待望の先制点を挙げる。

 つづく投手の平良拳太郎は併殺に打ち取られるも、後に控えていた同郷の女房役・嶺井博希が平良を救う右中間への適時二塁打を放って2点を追加。ベテラン右腕をKOすると、5回には変わったマット・カラシティーからソトが3戦連発となる第41号の一発。試合を優位に進めた。

 投げては先発の平良がプレッシャーに負けることなく好投。8月以降安定した投球を続けている右腕がスコアボードにゼロを並べていくと、4回二死満塁でウラディミール・バレンティンを迎えたとことでラミレス監督は継投を決断。マウンドに送った三上朋也は期待通りバレンティンをファールフライに斬り、流れは渡さない。

 その後は6回に砂田毅樹が一発を浴びて1点こそ失ったものの、三嶋一輝がイニング跨ぎの力投で間を繋ぎ、8回はスペンサー・パットン、9回は山崎康晃が締める勝ちパターンで逃げ切り勝ち。逆転CSへの絶対条件である勝利は掴んだ。

 しかし、神宮の試合が終了する前に甲子園の試合は終わっていた。結果は巨人が9-4で快勝。この結果、巨人の3位が確定し、DeNAのCS進出の夢は絶たれた。

 試合後、ラミレス監督は「監督の責任」と一言。来季については「すべての試合が終わってから、南場オーナー、三原球団代表、岡村球団社長との話し合いになる」とし、現時点での進退に関する明言は避けた。

取材・文=萩原孝弘

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