昨年から倍増
今年はCSファーストステージの裏で2試合が行われ、13日をもって公式戦の全日程が終了した。西日本豪雨や北海道胆振東部地震といった災害の影響もあり中止となる試合が多く、50試合以上が中止を余儀なくされ、特に屋外球場を本拠地とするチームは10月に入っても多くの試合をこなすことになった。
2018年は54回の中止があり、2017年の27回から倍増。その多さが際立つが、過去には天候不良以外の「意外!?なトラブル」で試合が中止になった例もいくつかある。例えば今シーズンだと、7月6日の中日-ヤクルト戦。豪雨による通行止めの影響でユニフォームや用具を運ぶトラックの到着が遅れ、試合が中止となった。
今回は、こうした“まさかのトラブル”で試合中止になったエピソードを紹介していきたい。
▼ 火山の噴火で中止
1978年7月28~29日に鹿児島県立鴨池野球場で開催予定だったクラウンライターvs.ロッテの試合は、「桜島の噴火」によって中止になった。この球場は桜島に近い位置にあり、大量の火山灰がグランドへ。現在でもこの球場でプロ野球の試合は行われており、2018年シーズンも巨人vs.ヤクルトの試合が開催された。
▼ 球場で火災が起こり中止
1951年8月19日にナゴヤ球場で行われた巨人vs.名古屋(現中日)の試合は、球場火災が原因で中止に。試合中にネット裏スタンドや内野席で火災が発生し、火はまたたくまに燃え広がり球場は全焼。試合が中止になるだけでなく4名の死者を出す大惨事となった。
▼ グラウンドが水没して中止
比較的最近では、2000年9月12日に行われる予定だった中日vs.広島の試合が、グラウンドの水没で中止となった。試合前日の9月11日から12日にかけて東海地方を中心に集中豪雨(東海豪雨)が発生し、ナゴヤドームも浸水。水はシャッターを潰して流れ込み、グラウンドが水没。その際、2018年シーズンで引退した岩瀬仁紀投手のキャデラックも水没したというエピソードも。
▼ 選手が新幹線に取り残されて中止
前述した2000年9月の東海豪雨の影響は他球場の試合にも影響。同日、甲子園では阪神vs.巨人の試合が開催予定だったが、新幹線で移動中だった巨人の選手たちが豪雨のために車内に取り残される事態に。結局、開催は難しいと判断され、中止となった。移動できずに中止となる例は他にもあるが、移動中の車内に取り残されての中止は珍しいケースだ。
▼ ファンが球場設備を破壊して中止
1964年6月30日の広島-阪神戦では、審判の判定の食い違いから約2時間半におよぶ中断が発生。あまりに長時間だったため、審判は選手のコンディションを憂慮して試合を打ち切ったが、これにはファンが激怒。グランドになだれ込んだファンがネットなどの球場設備を破壊してしまった。結果的に設備の復旧のため翌日、翌々日の試合も中止となってしまった。
ほかにも戦前の試合では、東京江東区にあった州崎球場での試合が「満潮による浸水」で中止に。その他にも「空襲警報発令」による中止などもあったようだ。
文=中田ボンベ(dcp)