ニュース 2018.10.22. 11:30

黄金期の再来?西武の強さを振り返る【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

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10年ぶりのパ・リーグ優勝を決め、胴上げされる西武の辻監督(C)KYODO NEWS IMAGES

驚異の“山賊打線”


 深澤弘です。今週は西武ライオンズの今シーズンの戦いぶりを振り返ってお話したいと思います。

 とにかく、ペナントレースの戦いぶりは凄まじかったですね。下馬評では断然と目されたソフトバンクに6.5ゲーム差をつけて優勝。1978年から所沢にフランチャイズを移して、なかでも1980年から90年代には圧倒的な強さを誇っていた西武ですが、その時の強さを再現したような感じでしたね。

 なんと言っても今季は開幕からいきなり8連勝の好スタート。それも4月18日の日本ハムでは、8点リードされていたのをひっくり返してのサヨナラ勝ち。ライオンズの“お祭り野球”には驚かされました。

 しかし、4月末の時点では14の貯金がありましたが、5月・6月はそのペースがあまり伸びず。特に投手力が不振で、貯金を減らしてしまいます。それでも、“山賊打線”と呼ばれた強力打線が奮起。取られても取り返す野球で他球団を圧倒。苦しい時期を乗り越えていきました。

 なかでも3番・4番は揃って120打点超えの大暴れ。浅村栄斗は127打点で打点王に輝き、山川穂高は47本塁打で本塁打王。2人で計251打点という驚異的な数字を叩き出しています。

 チーム打率.273、得点792、盗塁132とすべてリーグトップの成績。圧倒的な破壊力で10年ぶりのリーグ優勝を果たしました。


史上4度目の快進撃


 また、開幕から1日も首位の座を明け渡すことなく駆け抜けたという点も凄いですよね。終盤、体力的に厳しいなかでソフトバンクの猛追を受けていた時は精神的にも苦しかったと思いますが、最後まで首位の座を守り通したというのは非常に見事だと思います。

 そういったチームを探してみると、1953年の巨人がそうでした。あとは1962年の東映、張本勲さんがいた頃ですね。そして1997年のヤクルト。2リーグ制以降では過去に3例しかなく、パ・リーグでは東映以来で56年ぶりの快進撃でした。

 一方、ケチがつくとすれば守りの部分。チーム防御率4.24はリーグワースト。失策87もワースト。強力打線がすべてを吹き飛ばしていましたが、こういう弱点もあったんですね。

 長いプロ野球の歴史のなかでも、ワースト防御率、そして最多失点、最多失策で優勝したチームというのは今年の西武が初めてなんだそうです。それでもこれだけの圧勝、10年ぶりの優勝。ファンの方からしたら楽しい限りじゃないかと思いますね。

 そういえば、皆さんは今年のプロ野球の“最多スコア”ってご存知でしょうか。これは私、日刊スポーツでチラッと読んだ数字なんですが、今年は「3-2」というスコアのゲームが1番多かったそうです。

 ところが、西武に関しては話が別。「7-4」という試合が8試合もあって、これが最高だったとのこと。平均よりも点数は取られるけれど、その分点も取れるという。4失点以上したゲームで39勝も挙げていて、これもプロ野球史上最多だそう。ある意味「大雑把」なのかもしれませんが、見ている方はおもしろかったでしょうね。


獅子と鷹のライバル関係


 最後に、大変古い話になって恐縮ですが、1980年オフのとあるエピソードをご紹介します。

 その年、巨人は長嶋茂雄監督を解任。その時、動いたのが当時西武の監督だった根本陸夫さんでした。

 根元さんのプランとは、自らが率いるチームにミスターを招き入れ、当時西武のコーチをしていた広岡達朗さんを一塁ベースコーチに、そして長嶋さんを三塁ベースコーチに配するというとてつもないもの。球場にたくさんのお客さんを呼ぼうとしたのです。

 しかし、長嶋さんの獲得は至難の業。根本さんの手腕をもってしても出来なかった。そこで、根本さんはこう考えます。だったら広岡を監督に据えて、黄金期を作る準備をしよう、と。こう考えると、長嶋さんを巡る一件が後の常勝ライオンズのキッカケとなったのかもしれません。

 そしてその後、根本さんはダイエーへと渡ります。すると、ダイエーからソフトバンクへと続くホークスの黄金期が到来。いつしか西武の前に“天敵”として立ちはだかるようになりました。

 それが今年、西武の黄金時代を知る辻発彦監督のもと、西武がソフトバンクを破っての優勝…。いくつもの名勝負を生んできたライオンズとホークスのライバル関係は、今後も目が離せません。



(ニッポン放送ショウアップナイター)

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