勝ちに対する“貪欲な姿勢”
侍ジャパンを率いる稲葉篤紀監督が、選手たちの姿勢に満足感を示した。
最終的に劇的なサヨナラ勝ちを収めたものの、日米野球の開幕戦は得点圏に走者を置きながら1点が遠く、侍ジャパンが好機を生かしきれない場面が散見された。その結果を踏まえ、10日の試合前に行われた全体ミーティング(MTG)で稲葉監督が選手たちに伝えたのが「1点の重要性」だった。
すると10日の試合では、コンパクトな打撃に加え、1つでも前の塁を狙おうとする積極果敢な走塁が随所に見られた。それらが相手のミスや得点を生み、最終的には17安打12得点という大量得点につながったといっても過言ではないだろう。
初回は2本のヒットで1点を先制。3回には田中和基が四球を選んですかさず盗塁を試みると、タイミング的にはアウトだったが攻める姿勢が相手の焦りを生んだ。無死二塁としたところで秋山翔吾の適時三塁打で加点。さらに三塁を陥れた秋山が続く源田壮亮のファーストゴロの間にホームインへ。相手の連係ミスと源田の快足により内野安打となると、気落ちした先発ラミレスの甘く入った初球を柳田悠岐が左中間に放り込んだ。
4点を奪った5回にも柳田が積極的な走塁で一塁から三塁を陥れるなど、次の塁を狙おうとする姿勢、1点でも多くの得点を奪おうとする姿勢が随所に感じられた。稲葉監督は「昨日のサヨナラという良い流れで今日に入れた」ことを大量得点の要因の1つにあげつつ、「MTGの内容を選手個々で理解してくれたことが、今日のつながりに結びついたと思う」と選手たちの自主性を称えた。
その中でも特に目立っていたのが、3安打3打点の秋山と、4安打4打点の柳田だ。この活躍には指揮官も「2人に関してはチームの主軸として考えているし、秋山は国際経験も豊富。秋山と柳田をどうつなげていこうかを考えている」と続け、スタメンの構成を試行錯誤していることを明かした。
連夜の一発を放った柳田には敵将も「素晴らしい。良いスイングだった。ボールをしっかりセンター方向に返そうとしている」と感嘆。しかし「どこかに穴はあるはず」と語っており、残り4試合で主砲攻略なるかにも大きな注目が集まる。