ニュース 2018.11.14. 15:24

立正大が9年ぶり2度目の優勝!DeNAドラ2・伊藤が逆転弾

明治神宮野球大会 6日目
大学の部 決勝
○ 立正大 6 - 4 環太平洋大 ●

 2009年以来2度目の優勝を狙う立正大と、4年連続5回目の出場で初優勝を目指す環太平洋大の決勝。

 立正大はスライダーとカットボールを操る右の釘宮光希(4年・日大三)、環太平洋大はスライダーとカーブを駆使する左の岩永啓汰(3年・岡山東商)が先発した。

 2回裏、環太平洋大は5番・仲村来唯成(なかむら・らいや 1年・筑紫台)が左前打で出ると、その後二死二塁から7番・梅本聡太(2年・育英)が釘宮の甘く入ったスライダーを捉えて二塁手の左をライナーで破り、右中間への適時二塁打。環太平洋大が1点を先制する。

 すぐさま3回表、立正大も反撃。先頭の米田虎太郎(3年・帝京大可児)が中前打で出ると、続く8番・佐々木勝哉(3年・日大三)が岩永の真ん中高めに浮いたスライダーを引っ張り、左翼フェンス直撃の適時二塁打。立正大が1対1の同点に追いつく。

 さらに送って二死三塁と、立正大は勝ち越しを狙ったが、環太平洋大は早々と先発・岩永に代えて右の佐々木龍志(2年・崇徳)を投入して後続を断った。その後は立正大・釘宮、環太平洋大は佐々木から6回表に左の屋良陸(3年・浦添)へ繋いでの投げ合いに。

 膠着状態に入るかと思われた6回裏、試合が動く。環太平洋大の先頭、3番・安藤優汰(1年・米子北)のニゴロを、DeNAドラフト2位指名の立正大の二塁手・伊藤裕季也(4年・日大三)が痛恨の悪送球。その後、4番・志賀巧朗(4年・文徳)の三塁線を破る二塁打に野選もあって一死満塁。ここで7番・梅本が釘宮の132キロのカットボールを捉えて右前へ適時打を放って勝ち越し。さらに8番・祝出一慶(1年・都城東)も右前打、代打・藤田翼(1年・岡山理大附)の右犠飛もあって4対1と一気に3点リードを奪う。

 環太平洋大は今大会、好リリーフを見せている変則左腕の仲尾元貴(1年・生光学園)が7回表から登板。しかし、その仲尾から立正大は6番・土井慎二(4年・関西)と7番・米田の連打で一死二、三塁とすると、8番・佐々木勝哉が、仲尾の甘く中に入った直球を打ち返して左前適時打。2点差に詰めて、なお一、三塁のチャンスだったが、代打・奥田昇大(3年・本庄第一)のスクイズバントは無情にもピッチャーフライ。スタートを切っていた一塁走者も戻れず併殺となり、反攻を断たれた。

 それでも立正大は8回表も環太平洋大・仲尾から先頭の1番・平田巧(3年・立正大淞南)が中前へ足で稼ぐ二塁打で出る。ここで環太平洋大はエース西山雅貴(3年・岡山理大附)をマウンドへ送る。しかし、準決勝から連投となった右腕相手に立正大は犠打で送って一死三塁とすると、楽天ドラフト7位指名の3番・小郷裕哉(4年・関西)が中前適時打を放って4対3と1点差に。そして一死一塁の場面で、4番・伊藤裕季也が打席へ。「(準決勝から)疲れてはいなかったが、全部の球が甘かった」という西山の初球、外寄り132キロの直球を伊藤が完璧に捉えた。バットを持ったまま両手を突き上げた4番キャプテン。打球は放物線を描いて左翼席へ。逆転の2ラン本塁打。ベンチへ帰ってきたキャプテンに次々と立正大メンバーが抱きついた。その後、7番・米田の左犠飛もあって、この回4点を挙げる。

 9回裏、二死と追い込まれた環太平洋大は、立正大の3番手・糸川亮太(2年・川之江)から押部智樹(3年・育英)が左中間へ三塁打。最後の反撃に出る。しかし、3番・安藤のバットは空を切り、試合終了。プロへ進む伊藤裕季也が見せた大逆転劇で立正大が2009年以来9年ぶりの優勝を果たした。

▼ 立正大・伊藤裕季也(4年・日大三)
「(率直な気持ちは)素直に嬉しい。今まで頑張ってやってきてよかった。嬉しい気持ちでいっぱいです。(最後の守備で涙も)苦しいことを思い出して、自然と涙が出てきました。(本塁打の場面)3番の小郷が繋いでくれて、あそこは4番としての仕事をする場面というか、キャプテンとしてもこういうところで打てないと勝てないのかなと思って打席に入った。繋いでいく気持ちと自分で決める気持ちの両方をもって打席に立ちました。(狙っていました?)初球は狙っていました。狙っていたので打った瞬間入ったと思ったので嬉しかったです。(守備ではエラー)エラーした後の守備でなんとか取り返したかったんですけど、点取られてしまって自分の責任ではあるんですけど、投げていた釘宮のためにも取り返そうと思いました。(環太平洋大について)嫌らしいチームというか、簡単には勝てないチームだと思っていた。正直試合前は怖さがありました。(東都の意地)試合前は東都の代表として考えていたんですけど、試合が始まってからは自分たちのやることをやるだけだったので、そこは特に考えずにやりました。(大学最後の試合。最高の形で締めくくった)1年間日本一になる事だけ考えてやってきた。これ以上ない結果で終われて、素直に嬉しく思います。(プロの世界に飛び込む)大学としての試合はないので、ここからは自分のことをしっかり考えていきたい。今のままでは通用しないと分かっているので、練習からプロで通用するための練習をしたいと思います」

▼ 環太平洋大・岡田拓己内野手(4年・岡山東商)
「(今の率直な気持ちは)岡山県勢初の優勝がかかっていたんですけど、リードしている展開で終盤に逆転されたというのは、自分たちが目指していた野球をされたなという印象があります。6回裏に3点を取ったところで、自分がタイムリーを打っていたら勝てていたと思うので、自分の責任だと思っています。(応援がすごかった)10時間かけてきてくれた仲間たちと、ダンス部、マーチング部のみなさんには、本当に勝って恩返しがしたかった。負けてしまって申し訳ないです。(決勝はどういう気持ち)監督とも後輩とも野球をするのが最後だったので、なんとかチームを勝たせて引退したかった。悔しいです」

(取材・文=ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)
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