ニュース 2018.11.17. 21:26

”新婚パワー”で代表初勝利もゲット! 中日・笠原の2年目を振り返る

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日米野球の勝利投手として、ナゴヤドームのお立ち台に上がった侍ジャパンの笠原祥太郎

1月に結婚「しっかり稼げるように頑張りたい」


 竜党期待の若手が日米野球で好投した。2年目の笠原祥太郎投手。さらなる飛躍が今から楽しみだ。

 新津高、新潟医療福祉大を経て、ドラフト4位で2017年に中日入りした笠原。ルーキーイヤーの前年は、18試合登板で1勝3敗、防御率3.14の成績を残した。今年1月には高校時代の同級生と結婚。2月の春季キャンプから「結婚したのでしっかり稼げるように頑張ります」と意気込んでいた。

 鈴木翔太、小笠原慎之介、柳裕也のドラ1トリオとともに、先発ローテ入りを期待されていた左腕。キャンプ中の練習試合、オープン戦と着実に結果を残し、開幕ローテーション入りを果たした。しかし、6回1失点だった2戦目の阪神戦で白星を逃すなど、3試合で0勝2敗、防御率5.40と出だしで躓いた。

 その後、一旦ローテーションを外れ、中継ぎ登板した4月25日の巨人戦では、一死も奪えず6失点。その後も白星をつかめぬまま、5月14日に一軍登録を抹消された。それでも、再昇格直後の6月15日の西武戦で、7回2安打無失点の快投。この試合も救援陣が崩れ勝利投手にはなれなかったが、相手先発・菊池雄星と互角の投手戦を繰り広げた。

 そして後半戦に入った7月24日のDeNA戦。6回3失点で待望の初勝利を手にした。ここからは一転、連勝街道を歩んだ。9月7日の広島戦では、強力打線を3安打に封じプロ初完封勝利をマーク。あれよあれよと5連勝、6試合連続クオリティ・スタート(6回以上、自責点3以下)を記録するなど、安定感も抜群だった。

 終わってみれば、20試合(17先発)の登板で、6勝4敗、防御率4.14。慣れないリリーフ登板で防御率を大幅に悪化させたが、先発に限れば106回を投げ、防御率3.31の好成績だった。

国際試合でも宝刀・チェンジアップが冴える!


 シーズン後半のパフォーマンスが認められ、中日では救援右腕の佐藤優とともに、初の侍ジャパン入りを果たした。

 日米野球前の壮行試合として行われた、11月7日の台湾戦で代表デビュー。先発として2回1安打無失点と好投した。日米野球では、本拠・ナゴヤドームで行われた15日の最終第6戦に先発。80球の投球制限があり、最後は阪神・岩貞祐太の救援を仰いだが、5回途中4安打無失点の粘投で“代表初勝利”を手にした。

 日米野球では新たな一面も見せた。球数制限が設けられているため、西武・森友哉とのバッテリーで早めの勝負を敢行。初回をわずか7球で3者凡退に抑えるなど、序盤はテンポよくアウトを重ねた。3回以降は毎回ピンチを背負ったが、決定打を許さず0封。先発の役割を果たした。

 ムダ球を極力使わず、メジャーの強打者たちを翻弄。笠原自身も「ピンチは作ったが何とか粘れた。森君が真っ直ぐ(のサイン)を多めに出してくれて、チェンジアップとカーブで緩急を使いながら抑えることができた。この経験を来シーズンにつなげていきたいです」と手応えを口にした。

 もともと両コーナーの揺さぶりというより、緩急を駆使しながら、高低と“奥行き”で打者を幻惑するタイプ。今季の笠原は与四球率(9イニングあたりの与四球数)が4.57と高めだったが、来季は日米野球で見せた早めの仕掛けを駆使しながら、四球減とイニング増を実現してほしいところだ。

 通算1勝で迎えたプロ2年目。先発ローテ定着を目標に掲げた男は、序盤戦で苦しみながらも、最後は日の丸を背負い代表定着をアピールした。充実した新婚1年目。来季は中日投手陣の大黒柱として、さらなる飛躍に期待したい。

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