大瀬良は最多勝&勝率第1位
2018年のプロ野球公式戦が終了し、ストーブリーグに突入した。今季のタイトルホルダーの顔ぶれを見ると最優秀防御率、最多勝、最多奪三振の菅野智之(巨人)、首位打者、最高出塁率の柳田悠岐(ソフトバンク)、最多安打の秋山翔吾(西武)、盗塁王の山田哲人(ヤクルト)、西川遥輝(日本ハム)といったおなじみのタイトルホルダーから、山川穂高(西武)、大瀬良大地(広島)、多和田真三郎(西武)、新外国人のボルシンガー(ロッテ)などは初めて個人タイトルを手にした。
山川、大瀬良、多和田、ボルシンガーの4選手に共通しているのが、オープン戦で思うようなアピールをできなかったこと。昨季10勝を挙げ、今季も先発の軸として期待された大瀬良は、オープン戦の防御率は6.23。やや不安な状態で開幕を迎えたが、4月に3勝(2敗)、5月に4勝(0敗)、6月に3勝(1敗)と、6月が終了した時点でシーズン自己最多タイの10勝に並んだ。
6月1日に放送された『ニッポン放送制作のロッテ-広島戦』で解説を務めた野村弘樹氏は「雰囲気が違う。昨年先発で結果を残して、今年もいい形で成績をあげてきている。堂々としている。自分のボールにさらに自信が持ててきていますよね」と昨季からの成長を感じたという。大瀬良はその後も白星を積み上げ、最終的にはリーグ最多の15勝を挙げた。
▼最多勝、勝率第1位
大瀬良大地(広島)
OP戦:3試 1勝1敗 防6.23
公式戦:27試 15勝7敗 防2.62
多和田もOP戦は苦戦
同じく最多勝を獲得した多和田真三郎もオープン戦の防御率が10.13とピリッとせず、3月24日に行われたDeNAとのオープン戦後に辻監督も「ヒットも四球も一緒。出していい四球もあるけど、ダメな時に簡単に四球を与えると、簡単に向こうに流れがいってしまう。本人は向かっていっていると思うが大胆さがない」と厳しい言葉を並べた。
シーズンが開幕すると、オープン戦の不調が嘘のように大活躍する。3、4月5戦5勝、防御率2.06の成績を残し月間MVPに輝くと、シーズン終盤の9、10月も5試合に登板して4勝0敗、防御率1.54でシーズン2度目の月間MVP。リーグ最多の16勝を挙げ、自身初の最多勝のタイトルを獲得した。
▼最多勝
多和田真三郎(西武)
OP戦:3試 0勝2敗 防10.13
公式戦:26試 16勝5敗 防3.81
ボルシンガーはシーズン中に11連勝
勝率第1位となったボルシンガー(ロッテ)も、オープン戦は制球に苦しみ、防御率は8.36。オープン戦だけの投球を見ると、日本のマウンドに合っていないように見えたが、シーズンが開幕してからはしっかりとアジャストした。
5月4日の日本ハム戦から7月21日の日本ハム戦にかけて11連勝。6月には月間MVPに輝き「本当に名誉。大変光栄に思います」と喜んだ。シーズン後半は故障で力を発揮できなかったが、勝率第1位に輝いた。
▼勝率第1位
ボルシンガー(ロッテ)
OP戦:4試 1勝1敗 防8.36
公式戦:20試 13勝2敗 防3.06
山川は本塁打王を獲得
昨季ブレイクのきっかけをつかみ5年目を迎えた山川だったが、オープン戦は打率.136、2本塁打、7打点とさっぱり。
それでも辻発彦監督は、山川を開幕から4番に据え、山川も辻監督の期待に応えるように打ちまくった。3、4月だけで11本塁打、5月(3本塁打)と6月(5本塁打)はややペースが落ちたが、夏場に入り再び量産態勢。7月が8本塁打、8月も9本塁打、9、10月は11本のアーチを描き、47本の本塁打を記録した。
10月20日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイタースペシャル CSファイナルステージ第4戦 西武-ソフトバンク戦』で解説を務めた山崎武司氏は山川の打撃について「足の使い方が非常に上手だと思いますね」と絶賛し、「足のタメですよね。彼は左足を大きく上げますよね。そうした時に軸足にどれだけたまっていけるかというのが勝負になる。山川はスゴく我慢するんですよね。そこの間が上手くできる分、ホームランが量産できますよね」と山川が本塁打を量産できる理由について説明した。
▼本塁打王
山川穂高(西武)
OP戦:16試 率.136 本2 点7
公式戦:143試 率.281 本47 点124
(ニッポン放送ショウアップナイター)