◆ 「まずは1勝」
ソフトバンクは21日、ドラフト4位で指名したJR東日本・板東湧梧投手(22)と都内のホテルにて入団交渉を行い、契約金6000万円・年俸1000万円(金額はすべて推定)で合意した。背番号は後日発表される。
交渉を終えた板東は「いよいよという気持ち。しっかり頑張ろうという気持ちが芽生えた」とプロになる実感がわいてきた様子。「先発でゲームを作って、チームが勝てるピッチャーになりたい」とプロでの意気込みを語った。
宮崎で行われていた秋季キャンプを視察した際には、育成から這い上がってブレイクを果たした大竹耕太郎と言葉を交わしたことを明かし、「頭がいい選手。取り組んでいる姿を見ると、いろいろ考えてるなと思う。同い年なんで意識しますね」とライバル心もちらつかせる。
「キャンプを見させてもらって、凄い選手たちが集まっているなと。レベルが高く意識も高い。ランニングをメインで見たんですけど、みんなしんどいメニューなのに楽しさがある。全員が引っ張っていくんだという意識の強さを感じました」と目を輝かせた。
球団からは「先発としてゲームを作る自分の持ち味を発揮して欲しい」と期待をかけられており、「すごく評価してくれている。それに応えたい。目標は高く10勝…ですが、まずは1勝したいですね」と本人もやる気十分。担当した宮田喜久スカウトも「淡々とクレバーに投げられる。先発も中継ぎも適正はある。カット、フォーク、150キロ近い真っ直ぐに、あのカーブ。ウチにいた摂津(正)のようなピッチャーになってもらえたら」と太鼓判を押した。
◆ かつては“イケメン”ぶりでも甲子園を沸かす
家族や友人から地元・徳島の反響を聞き、「プロ野球選手って凄いんだな」と感じたという板東。社会人時代からの盟友で、ライバルでもあるオリックスの山岡泰輔からは「やっと来たか」と声を掛けられたとのこと。「キャンプ地が一緒なので、そこで再会して、シーズンでは投げ合いたいですね」と笑顔を見せる。
さらに、先日まで開催されていた『2018 日米野球』では、同級生の上林誠知や、これから板東の球を受けるであろう甲斐拓也の活躍を目の当たりにし、「まだ味方という実感はないんですけど、甲斐キャノンは生で見たいですね」と嬉しそうに話した。
最後に、ホークスファンについては「暖かいファンが多いのは知ってますし、宮崎でもたくさんの方がいた。プレーで活躍して頑張る姿を見せることで、愛される選手になりたい」とコメント。かつて鳴門高校時代に“イケメン球児”として注目を浴び、今ドラフトでも“屈指のイケメン”と称される右腕は「愛される選手」という言葉を選んだ。
活躍すれば人気が出るのは確実で、人気面においても球団の期待は高い。日本一連覇を果たしたチームのなかで、1年目から大きな注目を集める。
取材・文=どら増田