ニュース

楽天イーグルス・浅村 FA移籍を決断させた石井GMの言葉

無断転載禁止
【プロ野球西武】フリーエージェント(FA)宣言会見に臨む、西武・浅村栄斗=2018年11月7日 埼玉県所沢市の球団事務所 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、西武から楽天へのFA移籍を決めた、浅村栄斗選手のエピソードを取り上げる。

今季、打率.310、32本塁打、127打点をマーク。2度目の打点王に輝き、西武を10年ぶりのリーグ優勝に導いた浅村。今年のFA市場の目玉でしたが、来季着るユニフォームがついに決まりました。きのう、楽天・石井一久ゼネラルマネージャー(GM)が本拠地・楽天生命パークで会見。浅村の獲得成功を発表したのです。

石井GMによると20日の夜、浅村本人から直接電話で返事をもらったそうです。

「言葉で言い表せないくらい悩みましたけど、お世話になって、勝負したいと思います」

今回の浅村争奪戦、残留を熱望する西武に対し、ソフトバンク・オリックス・楽天が獲得に名乗りを挙げ、パ・リーグ4球団による争いになっていました。条件面で言うと、4年で総額28億円を提示したとみられるソフトバンクが有利でしたが、それよりも低い4年総額20億円以上(25億円という報道も)の楽天を選んだ浅村。「逆転」の決め手になったのは何だったのでしょうか?

実は、石井GMは現役時代、西武で浅村と一緒に5年間プレー。浅村は、兄貴分として石井GMを慕っていました。その尊敬する先輩が、交渉に当たったことがまず1つ。

また、18日に行われた交渉の席での、石井GMの戦略も功を奏しました。契約条件の提示よりも先に、まずチームの状況を伝えたのです。浅村が知りたかったのは、金銭面よりもむしろ、チーム環境や監督の起用方針。「なぜ楽天は、自分が必要なのか?」……そこにまず触れたことは、大きなポイントになりました。

また、浅村がもっとも気にしていたことは、「新天地に移っても、気兼ねなくプレーできるのか?」……プロ入り以来、西武ひと筋で来た浅村は、移籍は未経験。石井GMは、メジャーも含め4度の移籍を経験した自身の体験談を語り、こう言って背中を押しました。

「他の球団でプレーすることは、将来必ず、君のためになる」

この実直なやりとりが「野球選手として、ひと回りもふた回りも大きく成長したい」と願う浅村の心を大きく揺さぶったのです。「石井さんが親身になってバックアップしてくれるこのチームなら、大丈夫だ」と。

石井GMは、21日の会見で、こう語りました。

「(浅村が来るか来ないか)それによって、チーム作りが全然違う方向に向かわないといけない場面だった。自分にとっても、イーグルスにも、いい答えでよかった」

ニッポン放送「ショウアップナイター」でも、独自の視点で解説をしていた石井GMですが、マネーゲームではなく、巧みな交渉術で大きな戦力をゲットした手腕は、これからも注目です。
ツイート シェア 送る
  • ショウアップナイター
  • ベースボールキング
アナログ   やぎメール   FM