各選手の数字や内容を振り返る
今週はジャイアンツの事をちょっとお話したいと思います。
今シーズンは3位に終わったジャイアンツ。選手もみんな、それなりに自分のシーズンというのを振り返って、恐らく岡本君や坂本君以外は反省していることと思います。
改めてジャイアンツの数字あるいは内容から見た勤務評定をちょっとしてみたので、その勤務評定を聞いていただきたいと思います。皆さんがそれぞれされた評価とちょっと比較していただければと思います。
故障に苦しんだ選手たち
では順番に参ります。陽岱鋼選手。期待外れの結果に終わってしまった印象です。開幕早々の4月3日に中日の山井投手からデッドボールを受けて出鼻を挫かれた感じでした。4月4日から5月25日までお休みとなり、6月から8月はほとんどフル出場したんですけれど、どうもなかなか成績が上がってこない。陽選手にとっては、嫌なシーズンだったと思います。
坂本勇人選手は打率が「.345」。打率はビシエドに次いで第2位で、67打点とまぁまぁ文句はないんですけれど、5月30日の試合中に左太ももの違和感を訴えて途中交代。翌日はゲームに出たんですけれど、今度は7月16日に左脇腹を痛め、7月17日から8月25日まで1カ月以上一軍のゲームを休んでしまいました。これは痛かった。やっぱり本当の中心選手ですから、絶対に休んではいけないんですけれど、しかし故障には勝てません。
10月6日には、微熱が出たということで、練習を休みました。たったそれだけのことなんですが、坂本だけに非常に大きなニュースになります。もう1回、身体を鍛え直してですね、絶対休まない身体で来年もチームの中心であり続けて欲しいと思います。
それから吉川尚輝。開幕からベンチに入りまして、開幕2戦目に4打数2安打と活躍したんですが、8月1日のDeNa戦で一塁へヘッドスライディングをして、左手を骨折しました。それからもう全然ゲームに出られない。よくイチロ選手ーや桑田さんが子どもたちに言うんです。「どんなことがあっても一塁へのヘッドスライディングは絶対に駄目だ。なぜかと言うと、一塁手に手を踏まれたり、あるいはベースっていうのはコンクリートみたいに硬いんで、そこに突き指をしたりする。あそこで故障することが非常に多いので、一塁へのへッドスライディングは絶対にするな」ということを。
私もこれには大賛成です。でもしちゃうんですよね。つい夢中になってしまう。したくはないけど、分かっているけどしちゃうということで、吉川もですね、左手首の骨折で残念ながら、1年働くことが出来ませんでした。
明暗分かれた助っ人と主軸
ゲレーロは6月13日のソフトバンク戦で体調不良により1打席で退いて、7月26日に復帰するわけですが、それまでも戦列を離れていた。2年契約の弊害ですね。今年いくら成績が悪くても、来年もう1年契約が残っている。その弊害もあってか今年は休んでしまった感じですね。
それに比べてマギーは非常によくやりました。打率.285、84打点、文句なしですね。特に二塁打が多かった。二塁打というのは重宝します。上手くやればランナーを返せる。マギーというのは重宝する選手だったんですけれど、10月で36歳になりまして、2億6000万円という高年俸でほとんど全試合出たんですが、少し衰えも感じられますんで、本人もどう感じているか、あるいは球団次第だと思います(※球団は11月14日に来季の契約を結ばない旨を発表)。
良くやったのは岡本和真。文句なしですね。打率.309、30本塁打、100打点。誰がこれを予想しました? まったく休まないというのは誰も予想しなかったんじゃないですかね。1200万円という年俸が、どのくらいになるかっていうのは非常に楽しみですね。ただ、9月はノーヒットが7試合ありまして、10月になるとへばってしまって、31打数5安打。打率.161。これはもうしょうがないですね。初めての全試合出場です。この辺が課題で、秋の練習から、こういったことに取り組んでいるようですね。
長野久義は8月31日から9月16日まで、背筋痛で戦列を離れました。この長野っていうのが離れるとですね、何となくジャイアンツファンの皆さんは心細いと思うんです。相手に最も嫌がられているバッターで、味方に最も頼られているバッター。ただ本人にあんまりそういう自覚がないみたいで、俺なんかいなくてもというのがあるみたいですね。ホームラン13本、打率.290。数字は文句ないんですが、時々体調不良になったりするので、もうちょっとやってもらいたいですね。
小林誠司はとにかく打てない。これはもう今さら言ってもしょうがありません。ホームランは2本。石川から満塁ホームラン。ヤクルトの石川ですね。それから中日戦でも1本ホームランを打ちました。ただ2安打以上が10試合だけ、ということで春先ちょっと期待されたんですけれど、4月24日時点ではセントラル・リーグでは首位打者だったんですが、どんどんその後下降しまして完全にいつも通りでしたね。
阿部慎之助はやっぱり故障です。4月1安打、5月7安打、6月11安打、7月3安打、8月15安打。9月6安打、10月4安打。これは阿部に期待している数字ではないと思います。「18年連続2桁ホームラン」と言いましても、ホームランの数は11本。9月16日の中日との24回戦で岩瀬から満塁ホームラン打ちました。こういうのが阿部だと思うんですが、また来シーズンキャッチャーに戻るということで、阿部の奮起に期待したいところですね。
ジャイアンツの今後を担う若手たちは…
新人の田中俊太。打率.241、ホームラン2本。数字は大したことないんですが、彼の存在感というのは大きかったです。交流戦では坂本が指名打者になって、田中がセカンドに入って、吉川がショートという布陣があって、ジャイアンツの将来を思わせるような布陣でしたね。近い将来、サード・坂本、ショート・吉川、セカンド・田中、ということもあると思いますし、どういう布陣になるか、原監督がどういう風に彼をしようとしているか。ただ、彼も7月29日から8月14日、この間はファームに落とされてしまいました。いわゆる夏の一番暑い時に、田中俊太が1年目だから仕方がないとはいえ、体力強化が必要ですね。
大城卓三は47安打とよく打ちました。ドラフトでキャッチャーを指名しなかったもので、ジャイアンツは大城に期待をしているかなと思ったら、西武のキャッチャーを欲しいなんていう報道も流れています(※11月24日に巨人入りを表明)。大城への信頼感というのは、まだまだかなと思いますが、まぁ新人ですから仕方がないですね。
それから山本泰寛。8月2日からやっと一軍へ。8月は23試合に出て疲れてしまいました。9月30日にファームへ落ち、それから上がって来なかったんですが。一軍にも慣れてきたようで、山本や田中は、内野手のコンビとしては非常に期待できます。重信慎之介は8月から一軍に定着しましたが、9月30日にファームへ。松坂、吉見からホームランを打ったというのは自信になると思います。足があるだけに、非常に期待できると思いますね。
それから育成のマルティネス。育成で25歳、初打席でホームランという衝撃デビュー。8月23日まで一軍にいたんですが、あとはファームでそのまま。契約金が550万。年俸が528万で、支配下登録されました。来年以降、非常に楽しみな若手ですね。
投手陣はというと…
ピッチャーは菅野智之。これ、表彰状いくつあってもいいぐらい文句なし。15勝8敗で202回を投げたという投球回数。202回はセントラル・リーグで菅野だけです。防御率が2.14。これはもう菅野の大きな勲章だと思いますね。最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、おまけにノーヒットノーランまでやりまして、菅野にとっては素晴らしいシーズンだったと思います。なんとか来シーズン以降、この8敗を少し頑張ってもらって。もう最近20勝のピッチャー出ないだろって言われてるんで、20勝をやってもらいたい。そういう期待があります。
田口麗斗、菅野とは逆に17試合で2勝8敗。年俸は今9000万円でしたからね今年は。おそらく大幅な減俸になると思いますけど。このへんで目をさまさないと。沢村拓一、良かったんですけどね、最初の頃は。1年は続かず、9月11日からファームへ。やはり沢村は大人になって精神的にもしっかりしてほしいと思います。上原浩治、いいところでスタンドを沸かせてくれましたけれど、来年どうなるか。これは、球団の考えもあるし、上原の考えもあるし、上原のコンディションもあることだし。これはちょっとわかりません。
山口俊。このピッチャーは、良いのか悪いのか、分からない。9勝9敗1セーブ。悪いってことはないと思うんです。もうちょっと中心のピッチャーとして頼られていいと思うんですけど。9月4日から抑えに転向しましたけれど、原監督がどっちで使うのか。マシソンは右ひざ、左ひじ、全て、これがどのくらい治るかにかかっていると思います。西武から来た野上亮磨は、期待外れの結果に終わってしまいました。それから内海も5勝4敗で9月14日からファーム。内海もどうでしょうね。往年の球のキレがないので。一番苦しいのは本人でしょうね。
それから吉川光夫が6勝7敗。5回までは本当にいいんです、このピッチャー。ところが6回になると急に球威が落ちて、最終的には6勝7敗。負けが先行しているというのがなんとも物足りない。それから鍬原拓也。6月14日。ホークスとの3回戦。5回2/3で勝って、これは新しいピッチャーかなと思ったんですが、7月12日からファームに落ちて、そのまま。桑原あたりが奮起しないと、ジャイアンツの投手陣の厚さというのがなかなか出てきません。
ヤングマンというのは7月1日から一軍に上がってきて、突然3勝したんですが、7月26日、どっか故障したんですよね。ファームに落とされてしまいました。イースタンリーグで戦っている他のチームの連中はなんでジャイアンツはヤングマンを一軍に上げないんだろうと非常に不思議がっていたそうですが、外人枠などもあってどうも一軍でピッチングできるということが上手くかみ合わなかったんですね。来シーズンですね。
今村は6勝3敗。よくやった方ですが、もうこれ以上ないピッチャーだと思います。とにかく決め球にもうちょっと磨きをかけなければ、完投するってことはなかなか。まあ一度完投したことはありますけど。後半になると球威がバタッと落ちてきます。これは、今村にとって大きな課題ですね。
メルセデス。7月10日のヤクルト戦で初勝利を挙げて5勝4敗。これは本当に良かったんですが、だんだん、スライダーとか真っすぐのクロスファイヤーに入ってくるあの球筋に各チームが慣れてまいりまして、打たれましたけれど。まあキャンプでもう1回やり直せば面白いと思います。大誤算は畠世周。春先から腰痛。しかし、後半に治って出てくると、2勝1敗。このピッチャー非常にボールに力があります。1つ、春先から腰痛なんて馬鹿なこと言ってないで、来年は1シーズン働いてほしいと思いますね。
こうやって見ると、まずまずの選手。それからダメだった選手。良くやった選手。色々ありますけど、打線は岡本を中心になんとかなると思います。マギーが辞めるとしたら、代わりに強力な助っ人を獲れるかってことです。
打線は、なんとかやりくりできるかと思いますが、投手陣が、菅野、田口、山口俊ということになりますと、後はもう誰が出てくるか分からない状態なので、投手陣に厚みを加えるということを原監督がどうするかだと思います。まあ原監督になって背水の陣です。ジャイアンツがこれからキャンプにかけて戦力をどう補強していくか。ジャイアンツファンの皆さん、本当に見守ってもらいたいと思います。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
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