最も劇的な一打を放ったのは...
「2018 スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞」の表彰式が30日に行なわれ、今年最も劇的な一打を放った選手に贈られる「年間大賞」が決定。パ・リーグは西武の森友哉選手(23)、セ・リーグは広島の下水流昂選手(30)がそれぞれ選ばれた。両選手にはオリジナルトロフィーと、賞金200万円が贈られる。
「最後の一球まで何が起こるかわからない」のが野球の醍醐味であり、その象徴的なプレーである“サヨナラ打”を称えるのが「スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞」。「年間大賞」は今年で10年目を迎え、2012年からは月間の表彰も行われている。
8回・9回で8点差を大逆転!
4月18日(水)にメットライフドームで行われた日本ハム戦(5回戦)でのこと。7-8と1点ビハインドで迎えた9回裏、無死満塁で打席に入った森の放った打球は、前進守備の外野の頭上を越えて右中間フェンス手前でワンバウンド。その間に二者が還り、劇的な逆転サヨナラ二塁打となった。
実はこの試合、8回表終了時点で西武は0-8と大きく負けていた。それでも、8回裏に先頭からの連打でチャンスを作ると、二者連続の押し出し四球に3安打を集中させて一挙7得点。7-8と1点差まで迫ると、9回には森の適時二塁打で2点を加え、終盤2イニングの攻撃で8点差をひっくり返した。なお、8点差を8回・9回の2イニングだけでひっくり返したのはプロ野球史上初の快挙だった。
森は「個人的にもすごく印象に残っている試合」と振り返り、「あの試合があったからリーグ優勝に繋がったかなと思う。その中で自分がサヨナラ打を打てたこと、チームの勝利に貢献できたことを嬉しく思います。来季は今季以上に良いプレーをし、またこのような賞を受賞できるよう、勝負強い選手になっていきたいです」と意気込みを語った。
セ唯一の逆転サヨナラ弾
セ・リーグの年間大賞は、7月度の月間賞に輝いた広島・下水流昂が受賞した。
7月20日(金)にマツダスタジアムで行われた巨人戦(14回戦)。8-9と逆転された直後の10回裏、二死と追い込まれながらも一塁に走者を置いた状況で、守備から途中出場していた下水流はマシソンの外寄りの速球を逆らわずにライトへ。打球はライナーでライトポール際へと突き刺さる、逆転サヨナラ2ランとなった。
西日本豪雨の影響で、この日が実に16日ぶりとなるホームゲームだった広島。どうしても勝ちたいという想いで臨んだゲームだったが、チームは序盤に7点をリードしながらも徐々に追い上げられる苦しい展開に。その後、7回に2点適時打を許して同点に追いつかれると、延長10回表には岡本和真に一発を浴びてついに逆転。絶体絶命の状況に追い詰められていたなか、下水流の一打がチームを救い、広島を勇気づけた。
下水流は「ファンの皆様、県民の皆様になんとしても勝利を届けたい試合でした」と振り返り、「広島に勝利を届けたいというチームみんなの想いが乗った本塁打だったと思います」とコメント。「来シーズンもこのような素晴らしい勝をいただけるよう、選手一丸で最後まで諦めることなく戦い、勝利に向かって全身全霊で頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
「スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞」歴代受賞者
<2009年>
セ:亀井義行(巨人)
パ:井口資仁(ロッテ)
<2010年>
セ:天谷宗一郎(広島)
パ:小久保裕紀(ソフトバンク)
<2011年>
セ:長野久義(巨人)
パ:松田宣浩(ソフトバンク)
<2012年>
セ:和田一浩(中日)
パ:中田翔(日本ハム)
<2013年>
セ:長野久義(巨人)
パ:浅村栄斗(西武)
<2014年>
セ:福留孝介(阪神)
パ:松田宣浩(ソフトバンク)
<2015年>
セ:雄 平 (ヤクルト)
パ:柳田悠岐(ソフトバンク)
<2016年>
セ:鈴木誠也(広島)
パ:吉村裕基(ソフトバンク)
<2017年>
セ:宮崎敏郎(DeNA)
パ:栗山 巧(西武)
<2018年>
セ:下水流昂(広島)
パ:森 友哉(西武)