「浅村が抜けるというのはそんなに…」
かつて中日の黄金時代を指揮したプロ野球OB・落合博満氏が、30日に行われた『2018 スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞』の表彰式イベントにゲストとして登場。受賞した西武・森友哉選手(23)、広島・下水流昂選手(30)とともにトークショーに出演した。
トークは今季リーグ制覇した受賞者の所属チームについて。まず、森の西武に関しては、開幕前に撮影されたCMで「打ち勝てるかどうか」をポイントに挙げていた落合氏の読み通り、抜群の破壊力を誇る打線でリーグを席巻した。そんな強力打線を振り返りつつ、「驚異的と言うか、あの打線はピッチャーは嫌でしょうね」と落合氏も高く評価。
一方、「菊池(雄星)の次を任せられる投手が出てくるかどうか」とした投手陣に関しては、「多和田(真三郎)くんもそうだけど、一番大きかったのは榎田(大樹)だと思うね」とトレードで加入した男の名前を挙げ、「おそらく誰も期待しなかったピッチャーが2ケタも勝ったでしょ。この貯金は大きい。それとイニングを投げてくれたっていうことね」と“落合節”で賞賛した。
続けて、「ピッチャーに不安があったなか、辻(発彦)監督がよくぞこういうチームを作り上げたなと。あとは来年、菊池が抜けますからね…」と来季の展望へ移ると、「浅村(栄斗)が抜けるというのは、そんなに痛いとは思わないんですよ」という気になる発言も。
「私はね。もしそこで指揮を執ると考えた場合ね。打つことの代わりは誰か出てくるだろうと。ただ、菊池の代わりは誰が出てくるのかなと考えていたら…一番手は今井(達也)なのかなと思うんですけどね。今井には期待したいなと思います」と注目選手も挙げた。
「選手を集めている球団があるみたいですけど…」
一方、セ・リーグ3連覇を成し遂げた広島については、「率直に言うと、“強さを感じさせない強さ”を持っているチームですかね」と独特な表現。
続けて、「我々の頃は阪急や西武っていうチームがめちゃめちゃ強くて、あれは強さを感じる強さなんですけど、今の広島は終わってみたら何か逆転されていて、1点差・2点差で負けている。ゲームが終わると負けているといった感じ。だからややこしいんですよね。それで3連覇もしているわけですから」と説明。来季についても、「まぁ選手集めている球団があるみたいですけど、4連覇する可能性は高いかなと思いますよ」と語り、中軸・丸佳浩の移籍の報道直後でも、来季の優勝に太鼓判を押す。
下水流が「ホームゲームは特に、負けていてもひっくり返せるぞという気持ちが強いですね。勝ってきたという自信もあると思いますし、何よりマツダスタジアムはファンの方が真っ赤に染めてくれるので」と語れば、「よくあそこまでお客さんで埋まるようになりましたよね」と昔を思い返しつつ、「ホームで抜群の勝率を挙げているというのが良い。これが優勝するチームの絶対条件ですから。相手に『この球場来たら勝てないな』というのを植え付けること。これが一番なんですよね」と広島の強さの要因のひとつに“ホームでの強さ”を挙げた。
また、監督としてカープを倒すと考えたら?という質問には「やっぱりエース級をぶつけることですよ」。「今年見ていたらあんまり…まぁ中日の場合はエースがいないからっていうのもあるんだけど」と毒舌で笑いを誘いつつ、「各球団が広島をターゲットにしてローテーションを組まなかったですよね。広島に勝つ一勝も他に勝つ一勝も同じ一勝なので、どちらの確率が高いかなという考えもあるんでしょうけど」と語り、他の5球団で“ストップ広島”を掲げて戦うことの重要性を説いた。
最後は「もちろん、12球団全部に良い試合を見せてもらって、そして優勝してもらいたい。ただ勝てるのは2つだけですから」と来季への期待を語りつつ、「やっぱり今年実現できなかった西武と広島の日本シリーズが見てみたいですね」と隣に並んだ森・下水流の両選手にエールを贈った。
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※初出時の森友哉選手の年齢に誤りがあり、訂正いたしました。大変失礼いたしました。
(2018年11月30日19時05分)