ニュース 2018.12.05. 17:30

意外?「ベストナイン」と縁がない選手

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ソフトバンク時代の松田宣浩さん(C)KYODO NEWS IMAGES

“熱男”は13年目で初受賞


 その年のプロ野球・各リーグで特に活躍が目立った選手に贈られる「ベストナイン」。記者からの投票で最も得票を集めた各ポジションの選ばれし1名(※外野はポジション関わらず上位3名)が手にする栄誉である。

 ひとつしかないイスを6球団のレギュラーによって奪い合うだけに、長年活躍している選手でも受賞したことがない選手は意外と多い。今年で言えば、ソフトバンク・松田宣浩の横に「初受賞」と掲載されていたことに驚いたファンもいたのではないか。

 松田と言えば、プロ1年目から多くの出番を掴み、3年目の2008年には142試合に出場。以降はケガで出場を減らすことはあっても、基本はレギュラーとして鷹のホットコーナーを任され続けてきた。侍ジャパンの選出歴もあり、守備の栄誉・ゴールデングラブ賞は6年連続で受賞している男だが、意外にもベストナインに輝いたのは今回がはじめてのことだった。

 では、松田がレギュラーに定着した2008年以降にベストナインを受賞した選手というと誰だったのか。松田の成績と比較しながら見てみよう。


▼ 過去10年のベストナイン受賞者と松田の成績

<2008年>
☆中村剛也(西):143試 率.244 本46 点101
※松田宣浩(ソ):142試 率.279 本17 点63

<2009年>
☆中村剛也(西):128試 率.285 本48 点122
※松田宣浩(ソ):46試 率.281 本8 点24

<2010年>
☆小谷野栄一(日):144試 率.311 本16 点109
※松田宣浩(ソ):113試 率.255 本19 点71

<2011年>
☆中村剛也(西):144試 率.269 本48 点116
※松田宣浩(ソ):144試 率.282 本25 点83

<2012年>
☆中村剛也(西):123試 率.231 本27 点79
※松田宣浩(ソ):95試 率.300 本9 点56

<2013年>
☆マギー (楽):144試 率.292 本28 点93
※松田宣浩(ソ):144試 率.279 本20 点90

<2014年>
☆銀 次 (楽):117試 率.327 本4 点70
※松田宣浩(ソ):101試 率.301 本18 点56

<2015年>
☆中村剛也(西):139試 率.278 本37 点124
※松田宣浩(ソ):143試 率.287 本35 点94

<2016年>
☆レアード(日):143試 率.263 本39 点97
※松田宣浩(ソ):143試 率.259 本27 点85

<2017年>
☆ウィーラー(楽):142試 率.271 本31 点82
※松田宣浩(ソ):143試 率.264 本24 点71

<2018年>
☆松田宣浩(ソ):143試 率.248 本32 点82


 松田も悪くない成績を残しているが、相手を見るとタイトルホルダーがずらり。本塁打王の中村にレアード、打点王の小谷野など、数えてみると過去10年で7度も三塁手がタイトルを獲得していた。タイトルが必須ではないにしろ、やはりインパクトという点では大きなアドバンテージになることは間違いない。


ベストナインを受賞した事のない選手は?


 松田はプロ13年目にして初受賞を掴んだが、同じように“実はない”選手というとどれだけいるだろうか。まず挙がったのが、ヤクルトの坂口智隆である。

 オリックス時代の2009年・2010年は2年連続で打率3割をクリア。2011年には最多安打のタイトルを獲得したものの、ベストナインには縁がなかった。

 ヤクルトに移ってからも、打率.295から.290と来て今季は8年ぶりの3割超えとなる.317をマーク。完全復活を印象づけたが、本塁打や打点の多い丸佳浩・鈴木誠也・筒香嘉智といった“常連”を上回ることができなかった。


 パ・リーグでは、ソフトバンクの中村晃もここまで受賞なし。レギュラーに定着した2013年から3年連続で打率3割を記録し、2014年には最多安打のタイトルも獲得。強いチームをバットで引っ張ってきた男だが、不思議と縁がなかった。

 外野は3つイスがあるとはいえ、パ・リーグもここ2年は柳田悠岐(ソフトバンク)と秋山翔吾(西武)が強く、ここ2年は残る1枠を巡る戦いが続いている。

 来季は「初顔」が入ってくるのか、はたまた「常連」がその座を守るのか。ベストナインの“初受賞”に注目だ。


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