スイッチピッチャーとして話題を集めたパット・ベンディット

◆ 今季はドジャースで活躍

 数年前にメジャーで話題になった“両投げ投手”を覚えているだろうか。

 アスレチックス時代の2015年にメジャーデビューを果たしたパット・ベンディット。現在33歳の“二投流”は今季、ドジャースで15試合に登板するなど、メジャーとマイナーを行き来しながら生き残っている。

 デビューイヤーの15年はアスレチックスで26試合に登板。翌16年には、マリナーズとブルージェイズで合わせて15試合に登板した。しかし、2017年は一度もメジャーに昇格することなく、フィリーズ傘下の3Aで1年を過ごしている。

 そして、昨オフにはより層の厚いドジャースに移籍。マイナー契約ながら、オープン戦で防御率1.59と結果を残すと、開幕メジャーこそ逃したものの、5月には2年ぶりとなるメジャー昇格を果たした。

 ところが、6月上旬までに5試合に登板するも防御率8.31と結果を残せず、夏場の約2カ月間は再びマイナーで過ごす。そして8月下旬にメジャー再昇格を果たすと、その後は閉幕までに10試合・9回2/3を投げ、3安打、無失点と文句なしの成績でシーズンを終えた。

◆ 来季に関しては不透明な状況

 ベンディットの強みは、やはり“両投げ”という点に尽きる。相手打者が両打ちでない限り、常に右対右、左対左という投手有利な状況で対戦できる点はやはり大きい。

 今季は右投げ時に21打数5安打(被打率.238)、左投げ時は31打数6安打(被打率.194)と、左右にかかわらずメジャーの強打者たちをしっかり抑えていた。

 ベンディットの投球を見ればわかるが、そのストレートはメジャーではかなり遅い部類に入る。サイドから投じるストレートの平均球速は右投げが141キロ、左投げ時は135キロ。それでも、スライダーとチェンジアップをうまく使い、メジャーでも通用することを証明している。

 シーズン終盤に好投を続け、確かな手応えをつかんだベンディットだったが、11月下旬には40人枠から外れた。来季の動向に関しては今のところ不透明な状況だ。33歳という年齢がネックとなり、メジャー契約は難しいかもしれない。それでも両投げというアドバンテージを生かし、必ずチャンスは与えられるはずだ。

 一方、両投げという話題性もあり、日本でも興味を示している球団があってもおかしくはないだろう。もし来日すれば、サイドから繰り出される曲がりの大きいスライダーと制球力(2018年は14イニングで3四球)は大きな武器となるはず。近い将来に来日することを密かに期待したい。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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