◆ きょうから劇場公開がスタート
DeNAの宮崎敏郎と山崎康晃が14日、球団の公式ドキュメンタリー作品『FOR REAL-遠い、クライマックス-』の公開初日舞台挨拶に登場。約400人のベイスターズファンを前に、作品についての見どころや作成秘話などを語った。
会場となった横浜ブルク13には、ユニフォームやネーム入りのタオルを持参したファンが多数訪れ、宮崎が「たくさんの方に来ていただいてありがとうございます」と感謝を口にすると、山崎は「ありがとうございます。でも(自身の)タオルが少ないかな(笑)」とジョークを飛ばし、屈託のない笑顔を見せた。
◆ 最も重苦しく最も息苦しい作品
その後、山崎が今作品を「全体的にシリアス」と評し、宮崎も「言葉が出ないような重い雰囲気。やっぱり悔しい」とコメント。今回で6作目となるドキュメンタリー作品史上、“最も重苦しく最も息苦しい”という文言に違わぬ内容であったことを認めた。
劇中、ケガを押して出場を志願する場面がカメラに収められていた宮崎は「チームの苦しい状況の中で休んでいられない」との責任感から直訴したことを明かし、打たれた後のロッカールームでうなだれているシーンが印象的だった山崎は「ロペスが(撮影されている)僕をかばってくれた。思いやりのある選手。思いやりのあるチーム」と自チームへの愛着を再確認していた。
また、宮崎が「負けた試合のロッカールームの撮影は勇気のいること。自分は嫌です。しんどい」と語ると、山崎も「撮っているほうも大変。僕もこんなところまで撮られているんだと、選手も驚く裏側まで踏み込んでいる」と続け、難しいチーム状況の中で撮影を行っていた辻本和夫監督への敬意を口にした。
◆ 来年はハッピーな映画を
最後は、宮崎が「ファンを悲しませてしまったシーズンでした。来季はリーグ優勝、日本一になって、みんなでハッピーに!」と笑顔で語り、山崎は「チームとして悔しい結果。4位でポストシーズンに進めなかった。オフから身体を絞って頑張る」と力強く宣言した。ところが、直前まで山﨑がコーラを飲んでいたことを宮崎が暴露。山崎が「今から止めます。ゼロカロリーのにします!」と弁明すると、劇場は笑いの渦と化し、舞台挨拶は終了した。
舞台挨拶終了後に行われた囲み取材では、宮崎が「来季は全試合出場。ハッピーな映画にしたい」と来年の目標を語ると、山崎も「歓喜の瞬間を皆様で!胴上げ投手で終われるように」と次回の作品は、観客が笑顔で帰れるような内容にすることを誓った。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)