バイロン・バクストン

◆ 3年連続で“トッププロスペクト”に

 MLB公式サイトに「プロスペクト・ウォッチ」というコーナーがある。プロスペクトとは、若手の有望株を指す言葉であるが、公式サイトでは注目の若手選手をランキング形式で数百人の若手選手を紹介している。

 2017年度のプロスペクト・ランキングで1位に輝いたのは、エンゼルスの大谷翔平だった。渡米1年目の大谷は今季ア・リーグ新人王に輝き、見事にその期待に応えた。ちなみに、2位は大谷と新人王を争ったヤンキースのグレイバー・トーリスだった。他にも上位にはロナルド・アクーニャなどがランクインしており、ランキングの信頼度は高いといえるだろう。

 このプロスペクト・ランキングで2013年から2015年まで3年連続で1位に輝いた選手がいる。15年にデビューを果たし、17年に初めて規定打席に到達。同年にはゴールドグラブ賞にも輝いたツインズのバイロン・バクストンだ。

 10代の頃から常に超有望株として期待が高かったが、メジャー定着には時間がかかった。21歳のデビューイヤーは46試合で打率.209、2年目は92試合で打率.225とメジャーの壁に直面。3年目にレギュラーを奪い、140試合に出場して打率.253、16本塁打、51打点、29盗塁とプチブレークを果たす。

 バクストンの最大の強みはスピードと守備力。その身体能力は折り紙つきで、デビューからの2年間は首脳陣も粗削りな打撃に目をつぶって起用していたほどだ。

◆ 真価が問われる2019年

 課題の打撃でも成長が見られた2017年を経て、さらなる期待がかかった今季。バクストンは、開幕から打率1割台の不調が続き、4月中旬には偏頭痛のため戦線を離脱。約1か月後に復帰したが、打率はさらに低迷。5月下旬にマイナーに降格すると、そのままメジャーに復帰することなくシーズンを終えた。

 今季のバクストンは結局、ほぼすべての打撃成績で自己ワーストを更新。オフには6月以降にメジャー昇格の声がかからなかったことについて不満の声も挙げ、かつての超有望株の前途は決して明るくはない。

 そんななか、ツインズは2015年から指揮を執っていたポール・モリター監督をシーズン直後に解任。そして新監督に就任したのが、37歳のロコ・バルデリである。バクストンと同じ外野手で、かつて自身も有望株としてマイナー時代を過ごしたバルデリ新監督は、バクストンにとっては最適の人材といえるだろう。

 2019年がバクストンにとって勝負の年になるのは間違いない。3年連続プロスペクト・ランキング1位に輝いた実力を発揮する時は来るのだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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