“野球とお金”をテーマに展開してきた「グラゼニ特集」
今回はプロ野球OBの里崎智也氏にスペシャルインタビューを敢行。
なかなか聞けない“おカネにまつわる話”をいろいろと聞いてみました。
今回はプロ野球OBの里崎智也氏にスペシャルインタビューを敢行。
なかなか聞けない“おカネにまつわる話”をいろいろと聞いてみました。
“推定年俸”って合ってるの?
スポーツニュースなどで契約更改に関する情報が伝えられる際、必ずと言っていいほど出てくるのが“推定年俸”というワード。プロ野球選手という職業は特殊なもので、選手名鑑を見たり、ネットで調べたりすれば、すぐにその人の年収が分かってしまうのだ。
今回は「グラゼニ シーズン2」でも見どころのひとつとなっている“契約更改”について、当事者しか知りえないウラ側に迫るべく、元プロ野球選手で現在は解説者として活躍している里崎智也氏にインタビューを敢行。なかなか聞けない“おカネ”にまつわる質問に答えていただいた。
―― ズバリ、“推定年俸”って合っているんでしょうか?
里崎:まぁ、70~80%くらいじゃないですかね?
―― それは数字が、というより真偽性という意味で?
里崎:そうです、そうです。まず記者会見の時に自分から言う人、言わない人がいますけど、それでも“プラスアルファ”の部分って言わないですもんね。
―― 出来高だったり、見えない部分も多いですね。
里崎:そういうことです。皆までは言わないでしょう。そういう意味で、7~8割くらいの感覚で受け取るのがいいんじゃないでしょうか。
―― 里崎さんは自分から言ってましたか?
里崎:僕は言いません。言ったことないと思います。
―― 記者たちが話し合って出ていたと。
里崎:そうじゃないですかね。記者の人たちの想像か、あとは球団の人に聞いたりとか。
―― 報じられた金額が全然ちがうなんてことも…
里崎:ありましたよ。でも、そんなの知ったこっちゃないというか、僕には関係ないですからね(笑)
―― えー!気にはならないんですね。
里崎:だって、合っていようがいまいが、僕がもらえる金額は変わらないですから(笑)
重要なのは「自分が満足できるかどうか」
―― 契約更改って、どういう場なんでしょうか。
里崎:年俸の交渉ってイメージが大きいかもしれませんけど、僕の場合はお金の話というよりも球団への要望とか、改善してほしい部分の相談がメインでしたね。
―― たしかに、年俸の部分でない待遇改善を訴えるシーンも見かけます。
里崎:しっかり話し合うことができるのも1年に1回ですからね。そこは聞いてもらっていました。
―― いわゆる“銭闘”的なことはなかったですか?
里崎:金額の交渉はしたことないですね。基本的には想定の範囲内で収まっていたので。
―― たしかに、いつもスムーズだった印象はあります。
里崎:僕の場合、自分が想定したラインの中に入っていたら、そこから1円でも高くとかは思わない。自分が満足するかどうか、だけなので。
―― 最近は“ゴネる”選手も減っていますが、当時は多かったのではないですか?
里崎:契約に関しては、人のことをどうこう言う話でもないし、言うべきでもないんですよ。結局、自分が満足できるかどうか、という部分。誰かと比べて~だとか、ましてや他の球団の選手と比べるとかはないですよね。チーム状況も、資本も違うんだから。
―― 下交渉もあるんですか?
里崎:ありますよ。最近は多いんじゃないですかね。やっぱり「保留」が出ると球団も選手もイメージが悪くなってしまうので。
―― 最近は「保留」が大きなニュースになりつつありますね。
里崎:「契約更改」は文字通り“契約”を“更改”する日ですからね。条件の提示を含めて、その日が初めて会話をする場である必要はないんです。お互いのイメージが悪くならなくて済みますから、ある程度お互いに納得してから「契約更改」でいいと思います。
査定は「どんぶり勘定」
―― 細かい査定ポイントとかって説明されるんですか?
里崎:評価はもう完全に“どんぶり勘定”ですよ。
―― どんぶり…勘定…?
里崎:だってホームラン15本と14本の1本でいくら違うんですかって。ヒット100本と99本、打率の1厘とか。もし全部を正確に測るとしたら、たぶんそんなキリのいい金額にはならないですよ(笑)
―― ここが良かった、とかの説明はあるんですよね?
里崎:それはありますけど、シーズン終わっての後付けですよね。例えば事前に細かい査定表のようなものが開示されていて、お互いに確認した上でのやり取りだったら分からないですけど、後から出てきた評価ポイントなんて、あってないようなものですから。
―― となると、交渉って難しいですよね。
里崎:自分から「ここどうなってますか」ってツッコんだら大体だめですよ。細かいポイントが決まってないうえ、「加味してるよ」って言われて終わりです。
―― 金額を上げるコツとかってないんですかね。
里崎:自分から欲しい金額を言わないことです。
―― アピールをしないこと?
里崎:それもそうですし、球団から「来年いくら欲しい?」って聞かれても、言っちゃダメです。
―― と、言いますと?
里崎:これって世の中すべてに通用することだと思いますけど、例えばお小遣いとか。「1万円欲しい」って正直に言ってしまった時、もし相手が「2万円あげても良い」と思っていたら、「ラッキー」と思われますよね。もし相手が「5000円しかあげたくない」と思っていたら、「そんなにあげられない」って言われるんですよ。言っても得することがないでしょ。
―― 球団からの言葉は罠なんですね。
里崎:めちゃめちゃ罠ですよ。僕の場合は「100億円くらい欲しいです」って言ってはぐらかす(笑)
―― 罠を回避して、ようやく交渉と。
里崎:乗らなければ、だいたい流れますからね。「で、いくらくれるんですか?」と聞いていく。お金の交渉って全部そう。相手の懐事情次第ですから。
―― とはいえ、そこから引き出していかないといけませんよね。
里崎:あとは感情的にならないということです。常に冷静に、そして先にしゃべらない。交渉で主導権を握るのって、先にしゃべるじゃないんです。相手にしゃべらせることなんです。
―― 先手必勝ではない?
里崎:だって、先に「これだけやった」とアピールしたところで、「知ってるよ」と言われたら終わり。たとえ相手が知らなかったことでも、先に言っちゃうということは、答えを与えてしまうことなので。
―― 先に説明をしてもらうと。
里崎:話を聞いたうえで、ひとつひとつのツッコミどころを潰していく作業です。「ここどうなってるか知ってます?」と聞けば、相手は「知ってる/知らない」で答えるしかない。「知ってる」で納得いく説明・回答がなければチャンスだし、「知らない」なら加味していないということだから、上積みポイントになると。
―― 自分から欲しがったらダメなんですね。
里崎:欲しい時って、どうしても感情的になりがちですからね。「僕こんなに頑張ったのに」って。それで良い方向に転ぶことってほぼないですよ。
―― 深いですね。
里崎:もちろん、それができるくらいの実力・実績は必須ですよ。「いいですよ。他所をあたるだけなので」と言えるだけの価値がないと。ぺーぺーの時なんか「はい、さようなら」と言われて終わりですから。
取材・構成=尾崎直也(おざき・なおや)
「シーズン1」「シーズン2」全24話一挙放送決定!
アニメ化決定!の一報から話題となり、
落合福嗣さんのキャスティングが実写化か?!と騒がれ、
豪華ゲスト声優陣も注目された「グラゼニ」ですが、
ついに、12月21日(金)の第24話をもって最終回を迎えます。
「シーズン2からハマったので最初から見たい」
「ビートたけしさんの出演回を見逃した」
「全話録画したかった!」
そんな視聴者の皆様のアツいリクエストにお応えし、
なんと2019年の元日に「全24話一挙放送」が決定!
12時間ぶっ通しで「グラゼニ」を放送します!!
▼ 「グラゼニ」24話一挙放送・概要
<日時>
2019年1月1日(金・祝) 12:00~24:00(全24話)
<チャンネル>
・BSスカパー!(BS241/プレミアムサービス579)
・スカパー! オンデマンド
<視聴方法>
スカパー! のいずれかのチャンネルまたはパック・セット等のご契約者は無料でご視聴いただけます。
<公式サイト>
https://www.bs-sptv.com/gurazeni/
アニメ『グラゼニ』
グラウンドには、銭が埋まっている…
プロ野球球団 神宮スパイダースに所属する左の中継ぎ、
サイドスロー投手の凡田夏之介(26歳/独身)は、
高卒8年目で年俸1800万円。
決して“一流投手”とは言えない待遇の選手である。
サイドスロー投手の凡田夏之介(26歳/独身)は、
高卒8年目で年俸1800万円。
決して“一流投手”とは言えない待遇の選手である。
“30越えたらあと何年できるか分からない”
“引退してコーチや解説者になれる人はほんの一握り”
“引退後は年収100万円台の生活に陥ってしまう人もいる”
“プロ野球選手は現役のうちに稼がなければならない!”
“引退してコーチや解説者になれる人はほんの一握り”
“引退後は年収100万円台の生活に陥ってしまう人もいる”
“プロ野球選手は現役のうちに稼がなければならない!”
そんな厳しい現実を見据えながらも
凡田はあるフレーズを繰り返していた…
凡田はあるフレーズを繰り返していた…
「グラウンドには銭が埋まっている」
凡田は今日もマウンドに登る。
そう、「グラゼニ」を夢見て!
そう、「グラゼニ」を夢見て!
放送日時:毎週金曜・22時30分 ☆再放送多数
原作:森高夕次/漫画・アダチケイジ「グラゼニ」(講談社『モーニング』連載)
監督:渡辺 歩(「ドラえもん」「宇宙兄弟」監督)
シリーズ構成・脚本:高屋敷英夫(「めぞん一刻」「逆境無頼カイジ」シリーズ構成)
キャラクターデザイン:大貫健一(「MAJOR」「ガンダムビルドファイターズ」キャラクターデザイン)
音楽:多田彰文(「ポケットモンスター劇場版」「魔法使いプリキュア」ED主題歌)
音響監督:辻谷耕史(「昭和元禄落語心中」「シムーン」)
音響制作:Ai Addiction(「地獄少女 宵伽」「ノラガミ」)
アニメーション制作:スタジオディーン(「昭和元禄落語心中」「GIANT KILLING」「さんかれあ」)
チャンネル:BSスカパー!(BS241/プレミアムサービス579)・スカパー!オンデマンド
※視聴方法
スカパー!のチャンネルまたはパック・セット等のご契約者は無料でご視聴いただけます。
・公式サイト:https://www.bs-sptv.com/gurazeni/
・公式Twitter:@sptv_gurazeni
製作:スカパー!・講談社
▼ 原作「グラゼニ」とは…
週刊『モーニング』(講談社)にて2010年12月より連載中の漫画「グラゼニ」。
成果主義であるプロ野球を“夢を売る徹底した格差社会”として、
「カネ」をテーマにプロ野球のシビアな世界と生活を懸けたプロ野球選手の日常を描く作品です。
リアルな描写で野球界でのファンも多く、第37回講談社漫画賞を受賞。
その他、「このマンガがすごい!2012」ではオトコ編・第2位に、
「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」では8位にランクインするなど注目を集めました。