◆ 大幅な血の入れ替えで逆襲を
楽天は石井一久GMを迎えて挑んだオフ。最下位に沈んだチームの立て直しは開始早々から豪快だった。
ベンチスタッフは合計15ものポジションで配置転換、一・二軍合わせて9名の新スタッフを迎え、大量17選手に戦力外通告を下した。戦力外のうち吉持亮汰ら6選手とは育成選手として再契約したが、一連の思い切った人事は楽天ファン以外にも衝撃を与えた。
今オフの補強の目玉となったのは、西武からFA宣言をしていた浅村栄斗の獲得だろう。石井GMに「来てくれるだけで意味がある」と言わしめた浅村は、実力も経験も球界随一。目に見える数字はもちろん、若手の手本となる姿がチームにどのような影響をもたらすのか、今から期待が膨らむ。さらに、巨人から橋本到、広島からは福井優也をそれぞれトレードで獲得した。期待されながらもくすぶっていた男たちだけに、新天地での大暴れに期待したい。
また、外国人選手ではアマダーやペゲーロら4人が退団した一方で、セットアッパー候補としてブセニッツ、中軸候補としてブラッシュを獲得した。ここから追加の補強がなければ、残留が決まったウィーラーにハーマン、宋家豪らと計5人で4つの外国人枠を争うことになる。
そして、チーム内でのポジションについてもこの冬に決まったことがある。そのひとつが松井裕樹のリリーフ起用。今季は不振で二軍降格も経験し、シーズン後半には4年ぶりの先発マウンドも経験。来季の起用法に注目が集まっていたが、契約更改後の会見で監督から「リリーフ要請」があったことを明かした。
もうひとつは、岡島豪郎が来季から6年ぶりに捕手登録となる。今季のチーム内「捕手」最多出場は嶋基宏の112試合。このベテランの後継候補としては石原彪、堀内謙伍、新入団の太田光ら若手が続くが、岡島は30歳を迎えるシーズンで改めて正捕手争いに挑むことになる。「心機一転、初心に帰って頑張ります」と語った選手会長の再コンバートはいかに…。大逆襲を目論む楽天の注目ポイントの一つになるだろう。
◆ 2018年内のIN/OUTまとめ
【IN】16名
▼ FA
<内野手>
浅村栄斗(28)
▼ トレード
<投手>
福井優也(30) ※広島から加入
<外野手>
橋本 到(28) ※巨人から加入
▼ 新外国人選手
<投手>
アラン・ブセニッツ(28)
<外野手>
ジャバリ・ブラッシュ(29)
▼ 自由契約選手
<投手>
由 規(29) ※前ヤクルト
▼ ドラフト
<投手>
引地秀一郎(18)
弓削隼人(24)
佐藤智輝(18)
鈴木翔天(22)
清宮虎多朗(18)
則本佳樹(24)
<捕手>
太田 光(22)
<内野手>
渡辺佳明(21)
<外野手>
辰巳涼介(22)
小郷裕哉(22)
【OUT】16名
▼ トレード
<投手>
菊池保則(29) ※広島へ
▼ 現役引退
<捕手>
伊志嶺忠(33)
<外野手>
聖沢 諒(33)
枡田慎太郎(31)
▼ 自由契約
<投手>
小山雄輝(30)
ジョシュ・コラレス(28)
横山貴明(27)
宮川 将(28)
入野貴大(30)
<捕手>
細川 亨(38) ※ロッテ
<内野手>
ジャフェット・アマダー(31)
匠(20)
向谷拓巳(21)
<外野手>
カルロス・ペゲーロ(31)
オコエ・ディクソン(28)
※その後、現役引退となった選手も含む