2018年に生まれた大記録
いよいよ2018年も最後の1日。“平成最後のペナントレース”となった2018年シーズン、プロ野球界では今年も様々な記録が誕生した。
なかでも大きなものといえば、今季限りで現役を引退した中日・岩瀬仁紀の「1000試合登板」だろう。シーズン開始前の時点で残り46試合。前年50試合に登板したとはいえ、かんたんなラインではなかったのだが、9月28日の試合で偉業を達成。それも、1点差の9回を締めてセーブを挙げ、自身が持つNPB最多セーブの記録をまたひとつ更新するという快挙のオマケ付きで自ら偉業に花を添えた。
今回は岩瀬の記録のほか、2018年シーズン開幕前に「達成が期待される記録」として注目されたものがどれだけ達成されたのかをまとめてみた。
「達成が期待されていた記録」投手編
今回は投手の記録。達成者が50人未満のものに絞ってまとめた。なお、達成までの数字はシーズン開始前時点のもので、所属チームは2018年シーズンのもの。
▼ 通算1000試合登板
あと46試合 岩瀬仁紀(中日)
☆達成者:岩瀬仁紀
岩瀬が過去に例のない不滅の大記録を達成。引退の年に48試合の登板を果たし、最終的には通算1002試合に登板。見事な有終の美を飾った。
▼ 通算800試合登板
あと46試合 五十嵐亮太(ソフトバンク)
☆達成者:なし
五十嵐は23試合に登板するも記録達成はならず。ソフトバンクから自由契約となったが、古巣・ヤクルトへの復帰が決定的。来季の達成に期待がかかる。
▼ 通算700試合登板
あと43試合 藤川球児(阪神)
あと58試合 山口鉄也(巨人)
☆達成者:藤川球児
藤川が9月1日のDeNA戦で達成。山口は故障の影響で一軍登板なしに終わり、そのまま現役を引退。残念ながら記録達成とならなかった。
▼ 通算600試合登板
あと26試合 宮西尚生(日本ハム)
☆達成者:宮西尚生
宮西が33歳という若さで600の大台に到達。最終的に629試合まで登板数を伸ばしており、今後どこまで数字を伸ばせるかにも期待が高まる。
▼ 通算150勝
あと8勝 杉内俊哉(巨人)
☆達成者:なし
復活を期した杉内だったが、残念ながら今年も一軍登板ならず。通算142勝で現役を引退した。
▼ 通算450セーブ
あと46セーブ 岩瀬仁紀(中日)
☆達成者:なし
前人未踏の1000試合登板を果たした岩瀬だったが、450セーブは達成ならず。それでも3セーブを積み上げ、自身が持つセーブ数の歴代最多記録を「407」に伸ばした。
▼ 通算250セーブ
あと21セーブ デニス・サファテ(ソフトバンク)
あと27セーブ 藤川球児(阪神)
☆達成者:なし
両者ともに達成ならず。ここまで凄まじいペースでセーブを積み重ねていたサファテだったが、今季は故障の影響で5セーブに留まった。故障明けの来季は再びペースを上げることができるだろうか。
▼ 通算200セーブ
あと35セーブ 永川勝浩(広島)
☆達成者:なし
広島の守護神として君臨した永川だが、2010年シーズン以降に記録したセーブは2つだけ。記録達成は難しいか。
▼ 通算150セーブ
あと39セーブ 山口俊(巨人)
あと40セーブ 増井浩俊(オリックス)
☆達成者:なし
先発がメインだった山口。シーズン終盤にはリリーフを任される場面もあったが、今季は1セーブに終わった。一方の増井は新天地・オリックスでも守護神に定着。35セーブを挙げ、残り「5」まで迫っている。
▼ 通算100セーブ
あと4 セーブ 山崎康晃(DeNA)
あと4 セーブ 松井裕樹(楽天)
あと14セーブ 西野勇士(ロッテ)
あと19セーブ 西村健太朗(巨人)
あと26セーブ 中崎翔太(広島)
あと27セーブ 沢村拓一(巨人)
あと30セーブ 五十嵐亮太(ソフトバンク)
あと37セーブ 岸田護(オリックス)
あと40セーブ 田島慎二(中日)
☆達成者:山崎康晃、松井裕樹、中崎翔太
若くしてチームの守護神を任される3人が100セーブを達成。山崎は歴代最速記録、松井は歴代最年少記録というオマケ付だった。
▼ 通算300ホールド
あと27ホールド 山口鉄也(巨人)
あと43ホールド 宮西尚生(日本ハム)
☆達成者:なし
過去に達成者のいない300ホールドだが、残念ながら両者ともに達成ならず。山口は引退してしまったが、宮西は294ホールドでシーズンを終えており、アクシデントさえなければ来季の大記録達成は確実か。
▼ 通算250ホールド
あと50ホールド 浅尾拓也(中日)
☆達成者:なし
中日の黄金期を支えた名セットアッパーも、今季限りで現役を引退。250ホールドには届かなかった。
▼ 通算200ホールド
あと43ホールド 五十嵐亮太(ソフトバンク)
あと48ホールド スコット・マシソン(巨人)
☆達成者:なし
五十嵐はなかなか調子が上がらず、外国人最多ホールド記録を持つマシソンも故障で途中離脱。記録達成とはならなかった。
シーズン開始前はたくさんの大記録が候補として挙がったものの、実際に達成された記録は投手・野手あわせて10個。やはり、そう簡単にはいかない。
ただし、1000得点や400本塁打、150セーブなど、今季中に達成とならずも来季に持ち越しとなった楽しみなものもある。今から新シーズンの開幕が待ち遠しい。
文=中田ボンベ@dcp