◆ 平成最後のペナントレース
平成最後の日本シリーズを制したのはソフトバンクだったが、ペナントレースを制したのは、セが広島、パが西武だった。
広島はリーグ3連覇を達成し、西武は10年ぶりのリーグ優勝となったが、平成元年からの20年間でBクラスはたったの1度。その間にリーグ5連覇を達成するなど、平成という元号の中で一時代を築いた。様々な出来事や浮き沈みもあったこの30年間における各球団の成績をふり返ってみたい。
◆ セ・リーグの最多白星は巨人
平成におけるセ・リーグの最多勝利チームは、30年間で12度のリーグ制覇を成し遂げた“球界の盟主”こと巨人。平成30年間で積み上げた白星は「2247」に上る。
平成元年から10年までの10年間で4度、11年から20年までの10年間で3度、21年から30年までの10年間で4度のリーグ優勝を成し遂げるなど、いつの時代も安定した成績を残してきた。近年は広島の強さが目立ち、かつてほどの圧倒的な強さは鳴りを潜めているが、平成で25度のAクラス入りは12球団最多タイだ。
2位は中日の「2091」勝。近年は球団ワーストの6年連続Bクラスと低迷しているが、落合博満氏が指揮を執った平成16年からの8年間は4度のリーグ制覇を果たし、その間は一度もBクラスを経験しなかった。落合氏就任以前も2年連続でBクラスに甘んじたことはなく、30年という長いスパンで見てみると常に上位争いを演じていた印象だ。
平成で5度のリーグ優勝を経験したヤクルトは「2033」勝だが、平成17年から始まった交流戦でセ・リーグ勢が大きく負け越している影響もあってか、ヤクルト以下の勝率は5割以下。リーグ3連覇中の広島は「2014」勝、平成初期は最下位の常連だった阪神は「1965」勝、平成20年から5年連続最下位だったDeNAは「1828」勝だった。
▼ 巨人
・2247勝1829敗80分(勝率.551)
・優勝:12回
・Aクラス:25回
・Bクラス:5回
・歴代監督:藤田元司(元年- 4年)
長嶋茂雄( 5年-13年)
原 辰徳(14年-15年)
堀内恒夫(16年-17年)
原 辰徳(18年-27年)
高橋由伸(28年-30年)
▼ 中日
・2091勝1983敗86分(勝率.513)
・優勝:5回
・Aクラス:19回
・Bクラス:11回
・歴代監督:星野仙一(元年- 3年)
髙木守道( 4年- 7年)
星野仙一( 8年-13年)
山田久志(14年-15年)
落合博満(16年-23年)
髙木守道(24年-25年)
谷繁元信(26年-28年)
森 繁和(29年-30年)
▼ ヤクルト
・2033勝2049敗80分(勝率.498)
・優勝:6回
・Aクラス:15回
・Bクラス:15回
・歴代監督:関根潤三(平成元年)
野村克也( 2年-10年)
若松 勉(11年-17年)
古田敦也(18年-19年)
高田 繁(20年-22年)
小川淳司(22年-27年)
真中 満(27年-29年)
小川淳司(30年)
▼ 広島
・2014勝2062敗85分(勝率.494)
・優勝:4回
・Aクラス:12回
・Bクラス:18回
・歴代監督:山本浩二(元年- 5年)
三村敏之( 6年-10年)
達川晃豊(11年-12年)
山本浩二(13年-17年)
ブラウン(18年-21年)
野村謙二郎(22年-26年)
緒方孝市(27年-30年)
▼ 阪神
・1965勝2118敗77分(勝率.481)
・優勝:2回
・Aクラス:11回
・Bクラス:19回
・歴代監督:村山 実(元年)
中村勝広( 2年- 7年)
藤田 平( 8年)
吉田義男( 9年-10年)
野村克也(11年-13年)
星野仙一(14年-15年)
岡田彰布(16年-20年)
真弓明信(21年-23年)
和田 豊(24年-27年)
金本知憲(28年-30年)
▼ DeNA
・1828勝2257敗76分(勝率.447)
・優勝:1回
・Aクラス:9回
・Bクラス:21回
・歴代監督:古葉竹識(元年)
須藤 豊( 2年- 4年)
江尻 亮( 4年)
近藤昭仁( 5年- 7年)
大矢明彦( 8年- 9年)
権藤 博(10年-12年)
森 祇晶(13年-14年)
山下大輔(15年-16年)
牛島和彦(17年-18年)
大矢明彦(19年-21年)
尾花高夫(22年-23年)
中畑 清(24年-27年)
ラミレス(28年-30年)
◆ パ・リーグの最多は西武
パ・リーグは球界再編問題があり、平成16年オフに近鉄とオリックスが合併。新球団の楽天が誕生し、平成15年オフには日本ハムが東京から北海道に拠点を移すなど、まさに“激動の30年間”だった。
巨人が安定して好成績を残してきたセ・リーグとは異なり、平成初期と平成後期で勢力図が変わっているのがパの特徴か。そんな中、最も多くの勝ち星を手にしたのが西武の「2208」勝だ。リーグ優勝回数は11度、Aクラス入りの回数は巨人に並んで12球団タイの25回を数える。前述したように平成20年まではBクラスが1度だけと、圧倒的な強さを誇ったが、最後の10年はやや低迷する時期もあった。
西武に続いたのが平成後期に台頭したソフトバンクの「2127」勝。ダイエー時代の平成初期には9年連続Bクラスだったが、99年と00年にリーグ連覇を達成すると、ソフトバンクに球団名が変更となった05年以降、5度のリーグ優勝、Bクラスは14年間で2度のみ。平成の後半は西武に変わって、パ・リーグをけん引する存在となった。
西武とソフトバンクに続くのが、平成16年に北海道へと本拠を移し、移転後に5度のリーグ制覇を成し遂げた日本ハムの「2007」勝。一方、イチローらを擁して一時代を築き、平成11年までは11年連続Aクラスも平成の後期に入って低迷したオリックスは「1940」勝。12球団でAクラス入り回数が最少の7回だったロッテは「1898」勝。平成16年にオリックスと合併した近鉄は「1066」勝、平成17年に誕生した楽天は「889」勝となっている。
▼ 西武
・2208勝1816敗105分(勝率.549)
・優勝:11回
・Aクラス:25回
・Bクラス:5回
・歴代監督:森 祇晶(元年- 6年)
東尾 修( 7年-13年)
伊原春樹(14年-15年)
伊東 勤(16年-19年)
渡辺久信(20年-25年)
伊原春樹(26年)
田辺徳雄(26年-28年)
辻 発彦(29年-30年)
▼ ソフトバンク
・2127勝1891敗111分 勝率.529
・優勝:8回
・Aクラス:19回
・Bクラス:11回
・歴代監督:杉浦 忠(元年)
田淵幸一( 2年- 4年)
根本陸夫( 5年- 6年)
王 貞治( 7年-20年)
秋山幸二(21年-26年)
工藤公康(27年-30年)
▼ 日本ハム
・2007勝2026敗96分(勝率.498)
・優勝:5回
・Aクラス:15回
・Bクラス:15回
・歴代監督:近藤貞雄(元年- 3年)
土橋正幸( 4年- 4年)
大沢啓二( 5年- 6年)
上田利治( 7年-11年)
大島康徳(12年-14年)
ヒルマン(15年-19年)
梨田昌孝(20年-23年)
栗山英樹(24年-30年)
▼ オリックス
・1940勝2081敗108分(勝率.482)
・優勝:2回
・Aクラス:13回
・Bクラス:17回
・歴代監督:上田利治(元年- 2年)
土井正三( 3年- 5年)
仰木 彬( 6年-13年)
石毛宏典(14年-15年)
レオン (15年)
伊原春樹(16年)
仰木 彬(17年)
中村勝広(18年)
コリンズ(19年-20年)
大石大二郎(20年-21年)
岡田彰布(22年-24年)
森脇浩司(25年-27年)
福良淳一(27年-30年)
▼ ロッテ
・1898勝2124敗107分(勝率.472)
・優勝:1回
・Aクラス:7回
・Bクラス:23回
・歴代監督:有藤道世(元年)
金田正一( 2年- 3年)
八木沢荘六(4年-6年)
バレンタイン(7年)
江尻 亮(8年)
近藤昭仁(9年-10年)
山本功児(11年-15年)
バレンタイン(16年-21年)
西村徳文(22年-23年)
伊東 勤(25年-28年)
井口資仁(29年-30年)
▼ 近鉄
・1066勝1016敗51分 勝率.512
・優勝:2回
・Aクラス:9回
・Bクラス:7回
・歴代監督:仰木 彬(元年- 4年)
鈴木啓示( 5年- 8年)
佐々木恭介( 9年-11年)
梨田昌孝(12年-17年)
▼ 楽天
・889勝1061敗46分 勝率.456
・優勝:1回
・Aクラス:3回
・Bクラス:11回
・歴代監督:田尾安志(17年)
野村克也(18年-21年)
ブラウン(22年)
星野仙一(23年-26年)
大久保博元(27年)
梨田昌孝(28年-30年)
平石洋介(30年)
※一部監督代行時代を含む