◆ “なりたい”ではなく“なるんだ”
埼玉西武ライオンズの南川忠亮(27)が18日、日本プロ野球選手会と日本サッカー協会が子どもの育成を目的に展開している「こころのプロジェクト『夢の教室』」に参加。自身の母校でもある千葉県松戸市の新松戸南小学校に「夢先生」として凱旋し、5年生児童に向けて授業を行った。
約90分間の授業の前半は、キャッチボールや「だるまさんが転んだ」で身体を動かして子どもたちと交流し、後半はスーツに着替えて教壇へ。一筋縄ではいかなかったこれまでの野球人生を振り返りながら、子どもたちに「夢を叶えるために挑戦すること」の大切さを説いた。
南川が野球を始めたのは小学3年生のとき。父親に「遊びに出かけるぞ!」と言われて連れて行かれたのが少年野球チームだった。その後、「いつか大観衆の前で投げたい」という夢が生まれ、着々と力をつけて高校では2年ながらエースに。社会人ではケガに苦しみ、1年目は登板「0」に終わるなど苦しい時期を過ごしたが、野球をずっとやめないでこれたのは「心の底から大好きだから」。投げられない時期は、誰よりも走り込み、黙々とプロ野球選手になるという夢の実現のために努力を重ねた。
授業の最後に「“なりたい”ではなく“なるんだ”という気持ちで頑張ってほしい」と児童にエールを送った南川。まだ夢を持っていない児童に対しても「いつかなりたいものを見つけてほしい。努力は必ず人生の糧になるから」と呼びかけた。そして夢を叶えるために最も大事なこととして「これから会うすべての人を大事にしてほしい」と話し、「みんなの頑張りは必ずどこかで誰かが見てくれているから」と結んだ。
昨季は4試合の登板にとどまり、思うような結果を残せなかった。プロ入り4シーズン目を迎える今季は南川にとっても“勝負の年”。「“なりたい”ではなく“なるんだ”」という強い気持ちを胸に“競争の春”を勝ち抜き、一軍の舞台で躍動する姿を子どもたちに見せてもらいたい。