◆ 吉田輝星は二軍スタート
各地で新人合同自主トレが行われるなか、日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(金足農高)と同5位の柿木蓮投手(大阪桐蔭高)のブルペン入りが注目を集めている。その模様は球団の公式YouTubeでも公開され、22日時点の再生数は44万回を超えている。やはり、昨夏の甲子園決勝で投げあった2人への注目度は高い。
両選手とも2月1日から始まる春季キャンプではファームスタートが決定しているが、これはダルビッシュ有(現・カブス)や大谷翔平(現・エンゼルス)といった歴代の高卒ドラフト1位投手と同じ。同期の根尾昂内野手(中日)は一軍スタートが決まり、小園海斗内野手(広島)も一軍スタートが内定しているが、高卒投手の二軍スタートは日本ハムの方針とも言える近年の流れ。
ダルビッシュも大谷も春季キャンプは二軍スタートだったが、1年目からしっかりと一軍デビューを果たすなど、素質がある選手には1年目から一軍でも出場機会を与えている。ちなみに、ダルビッシュが入団した2005年以降、高卒ドラ1位で入団した投手は、全員が1年目に一軍デビューを飾っている。
◆ 1年目デビューの流れ
2004年のドラフト1位であるダルビッシュは、故障や不祥事などもありデビュー前の逆風は強かったが、ファームで結果を残して6月に一軍昇格を果たすと、そこからローテーションに入り14試合に登板。5勝5敗、防御率3.53と高卒1年目としては文句なしの成績を残している。2年目には12勝(5敗)と初の2桁勝利を達成、3年目からは5年連続防御率1点台という圧巻の成績を残し、活躍の場をMLBへと移した。
2006年の高校生ドラフト1巡目で指名されたのは吉川光夫(現・巨人)。吉川はダルビッシュより早い5月に一軍昇格を果たし、最終的には19試合に登板。4勝3敗、防御率3.66という成績に加え、日本シリーズでも先発のマウンドに登った。その後は低迷した時期もあったが、2012年に最優秀防御率のタイトルを獲得してMVPを受賞。2015年にも11勝を挙げてチームに貢献すると、2017年からは巨人に移籍し、先発・中継ぎと様々な役割で起用されている。
2009年ドラフト1位の中村勝も1年目から一軍での登板を果たし、初勝利もマークした。しかし、プロ入り5年目の2014年に8勝をマークして以降は故障もあり、思うような成績を残すには至っていない。
そして2012年には大谷を1位指名。野手としては開幕戦から「8番・右翼」で先発出場を果たすが、投手としては5月半ばのデビューだった。1年目は13試合の登板で3勝0敗、防御率4.23の成績を残している。一方の野手としては77試合に出場して打率.238(189-45)、3本塁打という成績だった。2年目以降は「二刀流」として結果を残し、2018年からはMLBで活躍している。
2016年ドラフト1位の堀瑞輝は8月に一軍デビュー。4試合の登板で白星を挙げることはなかったが、オフにはアジアプロ野球CSの日本代表にも選出された。今後の飛躍に期待といったところだろ。ダルビッシュ以降、ドラフト1位の高卒投手は全員が初年度で一軍デビューを果たしており、堀以外の4人は初勝利をマークしている。はたして吉田も先輩たちに続くことができるが、注目だ。
▼ 日本ハムの高卒ドラ1の1年目
・ダルビッシュ有(東北高)※現カブス
05年:14試合 5勝5敗 防御率3.53
・吉川光夫(広陵高)※現巨人
07年:19試合 4勝3敗 防御率3.66
・中村勝(春日部共栄高)
10年:4試合 1勝2敗 防御率5.50
・大谷翔平(花巻東高)※現エンゼルス
13年:13試合 3勝0敗 防御率4.23
・堀瑞輝(広島新庄高)
17年:4試合 0勝1敗 防御率3.38