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ドラフトの評価を覆せ…“最下位指名”から活躍した選手たち

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通算2000安打を達成し、同級生の松井稼頭央から花束を受け取って笑顔を見せる福浦 (C) KYODO NEWS IMAGES

“全体最下位”から2000安打


 長かったオフもいよいよ終わりが近づき、1週間後には“球春到来”の日を迎える。

 1月の球界を賑わせた主なニュースと言えば、各チームで行われた新人選手の合同自主トレだろう。今年は根尾昂(中日)や藤原恭大(ロッテ)、吉田輝星(日本ハム)といった昨夏の甲子園を沸かせた高卒ドラ1ルーキーたちが話題の中心となっているが、注目度の差はあっても大きなくくりで見れば彼らは全員同じ立場。“これからプロ1年目を迎える”というルーキーである。

 ドラフト時は上位で指名される選手ほど期待が高く、下位で指名されている選手は様々な事情から評価を落としていると言えるものの、プロの世界に入ってしまえば実力主義の世界。中には上位指名選手がなかなか芽が出ないまま苦しい戦いを送るなか、最下位指名選手から大物が現れることもある。


 その代表格が、24日に今季限りでの現役引退を表明した福浦和也(ロッテ)だろう。

 1993年のドラフト会議でチーム最下位となる7位指名を受けてプロ入りした福浦。実はそのドラフト会議の“最終指名者”でもあった。入団4年目の1997年までは一軍出場がなかったものの、その年の夏場から徐々に頭角を現して一軍に定着。安打製造機としてチームの主軸を任されるまでに成長を遂げる。

 2001年には首位打者のタイトルも獲得し、一塁手としてゴールデングラブ賞にも3度輝くなど、球界を代表するバットマンとして長きに渡り活躍。そして昨季、プロ野球史上52人目・球団では3人目となる通算2000安打の偉業を達成した。


球界を代表する打者へ


 現役選手では、ヤクルトの畠山和洋もこのパターン。順位で言うと5位であるが、2000年のドラフト会議においてチーム最下位の指名で入団した。

 ファームでは結果を残しながらもなかなか一軍に定着できない日々を過ごしたが、2008年頃から徐々にチームを支える選手に成長。2015年には打点王に輝く活躍で、リーグ優勝に大きく貢献した。近年は不振に苦しんでいるが、今後の巻き返しに期待がかかる。


 また、DeNAの主軸に定着した宮崎敏郎も、振り返ってみれば2012年のドラフト会議においてチーム最下位の6位で指名された選手だ。

 入団3年目の2015年から一軍での出番を増やしていくと、2017年には首位打者のタイトルも獲得。昨季は3割以上のハイアベレージは保ちながらも、キャリアハイを大きく更新する28本塁打をマークするなど、成長を続けている。


あのレジェンドも…


 OB選手にも最下位指名からスターダムを駆け上がった選手が多くいる。

 例えば、現在ソフトバンクの監督を務めている工藤公康もそのひとりだ。現役時代にリーグ優勝14回・日本一は11回という球史に残る活躍を見せた“優勝請負人”だが、この人の場合は少し事情が異なる。

 ドラフト時、工藤は各球団から高い評価を受けていたものの、高校卒業後は「就職」を希望。社会人野球の道に進むことを希望していた。そのため、どの球団も指名を回避するところだったが、西武はチーム最下位の6位で工藤を強行指名。説得の末、プロ入りの道を開いたのだった。


 ほかにも、1990年代に「メジャーに最も近い選手」と評された佐々木誠や、大洋(現DeNA)で「スーパーカートリオ」の一員として活躍した屋敷要、昨年までオリックスの監督を務めるなど現役時代も阪急・オリックスで活躍した福良淳一も最下位指名からチームを代表する選手になった。

 今年も多くの“金の卵”がプロへの扉を開いた一方で、12人は“最下位指名選手”としてプロの世界へと殴りこんで来る。今は光が当たっていないかもしれないが、いつの日か指名時の評価を大きく覆すような活躍に期待したい。


▼ 2018年ドラフト会議・各球団の最下位指名選手

・西武
7位:佐藤龍世(内野手/富士大)

・ソフトバンク
7位:奥村政稔(投手/MHPS横浜)

・日本ハム
7位:福田 俊(投手/星槎道都大)

・オリックス
7位:中川圭太(内野手/東洋大)

・ロッテ
8位:土居豪人(投手/松山聖陵高)

・楽天
8位:鈴木翔天(投手/富士大)

・広島
7位:羽月隆太郎(内野手/神村学園高)

・ヤクルト
8位:吉田大成(内野手/明治安田生命)

・巨人
6位:戸郷翔征(投手/聖心ウルスラ高)

・DeNA
6位:知野直人(内野手/BCリーグ新潟)

・中日
6位:滝野 要(外野手/大阪商大)

・阪神
6位:湯浅京己(投手/BCリーグ富山)



文=中田ボンベ@dcp


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