神宮大会王者は…
23日に開幕するセンバツ高校野球。甲子園球場を舞台に“春の高校日本一”を決める戦いが幕を開け、いよいよ本格的に球春到来を感じる季節になってきた。
今回は平成最後となる『第91回選抜高校野球大会』に出場する32校出身の「現役プロ野球選手(NPB)」をピックアップ。輩出人数をランキング形式にして振り返ってみたい。
まずは現役プロ野球選手「0人」の出場校から。
▼ 26位タイ・0人(7校)
札幌大谷(北海道)
札幌第一(北海道)
米子東(鳥取)
呉(広島)
石岡一(茨城)
富岡西(徳島)
熊本西(熊本)
21世紀枠の石岡一(茨城)、富岡西(徳島)、熊本西(熊本)の3校を始め7校が「現役選手0人」。札幌第一(北海道)は2003年度卒の捕手・渡部龍一が2003年ドラフト7位で日本ハムに入団したものの、2011年限りで日本ハムを退団。今季は背番号95を背に同球団でブルペン捕手を務めている。
また、神宮大会を制した「秋の王者」札幌大谷もNPB所属のプロ野球選手は0人。ヤンキースに所属する田中将大投手の夫人・里田まいさんの母校として知られる同校は、もともと女子校だった。2009年に共学化され、野球部は今年創部10年目を迎えるというまだまだ若い学校だ。
昨秋はタイプの異なる2人の投手を軸に初の“全国制覇”を成し遂げ、春夏通じて初めての甲子園行きを決めた。同校を初めて聖地へと導いたこのチームから、プロ野球選手第1号の誕生となるだろうか。秋の王者に注目だ。
続いて19位タイから7位タイまで。
待望のプロ野球選手第1号
☆=甲子園出場経験あり▼ 19位タイ・1人(7校)
国士舘(東京)
・笠井 駿(2013年度卒/巨人)
啓新(福井)
・牧丈一郎(2017年度卒/阪神)
津田学園(三重)
・桑原謙太朗(2003年度卒/阪神)
高松商(香川)
・松永昂大(2006年度卒/ロッテ)
大分(大分)
・佐野皓大(2014年度卒/オリックス)☆
日章学園(宮崎)
・山崎 剛(2013年度卒/楽天)
明石商(兵庫)
・松本 航(2014年度卒/西武)
▼ 12位タイ・2人(7校)
盛岡大付(岩手)
・松本裕樹(2014年度卒/ソフトバンク)☆
・比嘉賢伸(2017年度卒/巨人)☆
春日部共栄(埼玉)
・斉藤彰吾(2007年度卒/西武)☆
・中村 勝(2009年度卒/日本ハム)
明豊(大分)
・今宮健太(2009年度卒/ソフトバンク)☆
・浜田太貴(2018年度卒/ヤクルト)☆
福知山成美(京都)
・島本浩也(2010年度卒/阪神)
・桑原将志(2011年度卒/DeNA)
筑陽学園(福岡)
・長野久義(2002年度卒/広島)
・谷川昌希(2010年度卒/阪神)
山梨学院(山梨)
・明石健志(2003年度卒/ソフトバンク)
・垣越建伸(2018年度卒/中日)☆
松山聖陵(愛媛)
・アドゥワ誠(2016年度卒/広島)☆
・土居豪人(2018年度卒/ロッテ)☆
▼ 10位タイ・3人(2校)
市和歌山(和歌山)
・川端慎吾(2005年度卒/ヤクルト)☆
・益田直也(2007年度卒/ロッテ)
・三家和真(2011年度卒/ロッテ)
習志野(千葉)
・福浦和也(1993年度卒/ロッテ)
・山下斐紹(2010年度卒/楽天)☆
・古谷拓郎(2018年度卒/ロッテ)
▼ 7位タイ・4人(3校)
八戸学院光星(青森)
・坂本勇人(2006年度卒/巨人)☆
・北條史也(2012年度卒/阪神)☆
・田村龍弘(2012年度卒/ロッテ)☆
・田城飛翔(2016年度卒/ソフトバンク)☆
東邦(愛知)
・丸山泰資(2012年度卒/中日)
・関根大気(2013年度卒/DeNA)
・石田健人マルク(2013年度卒/中日)
・藤嶋健人(2016年度卒/中日)☆
智弁和歌山(和歌山)
・岡田俊哉(2009年度卒/中日)☆
・西川遥輝(2010年度卒/日本ハム)☆
・東妻勇輔(2014年度卒/ロッテ)☆
・林 晃汰(2018年度卒/広島)☆
明石商(兵庫)が今年から新たに“プロ野球選手輩出校”の仲間入りを果たした。同校出身の松本航は日体大での大学4年間を経て世代屈指の好投手に変貌。昨秋のドラフト会議で西武から単独1位指名を受け、同校出身のプロ野球選手第1号となった。
7位タイには高校野球ファンにとっておなじみの3校がランクイン。八戸学院光星と智弁和歌山出身の選手はいずれも甲子園の舞台を経験してプロの世界へと進んでいる。
智弁和歌山は武内晋一(元ヤクルト)が昨季限りで現役を引退したが、昨秋のドラフト会議で新たに2人がプロ入り。そのうちの1人である東妻勇輔(ロッテ)の実弟・東妻純平は、現在同校で正捕手を務めている。
続いてトップ5を見ていきたい。
「怪物」を生み出したマンモス校
▼ 5位タイ・5人(2校)
星稜(石川)
・高木京介(2007年度卒/巨人)☆
・島内宏明(2007年度卒/楽天)☆
・森山恵佑(2012年度卒/日本ハム)
・北村拓己(2013年度卒/巨人)
・岩下大輝(2014年度卒/ロッテ)☆
龍谷大平安(京都)
・赤松真人(2000年度卒/広島)☆
・炭谷銀仁朗(2005年度卒/巨人)
・酒居知史(2010年度卒/ロッテ)☆
・高橋大樹(2012年度卒/広島)☆
・高橋奎二(2015年度卒/ヤクルト)☆
▼ 4位・6人
桐蔭学園(神奈川)
・鈴木大地(2007年度卒/ロッテ)
・井領雅貴(2007年度卒/中日)
・茂木栄五郎(2011年度卒/楽天)
・若林晃弘(2011年度卒/巨人)
・山野辺翔(2012年度卒/西武)
・斉藤大将(2013年度卒/西武)
▼ 3位・8人
履正社(大阪)
・岸田 護(1999年度卒/オリックス)☆
・T-岡田(2005年度卒/オリックス)
・山田哲人(2010年度卒/ヤクルト)☆
・坂本誠志郎(2011年度卒/阪神)☆
・宮本 丈(2013年度卒/ヤクルト)☆
・中山翔太(2014年度卒/ヤクルト)☆
・寺島成輝(2016年度卒/ヤクルト)☆
・安田尚憲(2017年度卒/ロッテ)☆
▼ 2位・15人
広陵(広島)
・白浜裕太(2003年度卒/広島)☆
・上本博紀(2004年度卒/阪神)☆
・俊 介(2005年度卒/阪神)☆
・吉川光夫(2006年度卒/巨人)
・野村祐輔(2007年度卒/広島)☆
・小林誠司(2007年度卒/巨人)☆
・中田 廉(2008年度卒/広島)☆
・上本崇司(2008年度卒/広島)☆
・有原航平(2010年度卒/日本ハム)☆
・福田周平(2010年度卒/オリックス)☆
・上原健太(2011年度卒/日本ハム)☆
・吉持亮汰(2011年度卒/楽天)
・佐野恵太(2012年度卒/DeNA)
・太田 光(2014年度卒/楽天)☆
・中村奨成(2017年度卒/広島)☆
▼ 1位・18人
横浜(神奈川)
・松坂大輔(1998年度卒/中日)☆
・成瀬善久(2003年度卒/オリックス)☆
・涌井秀章(2004年度卒/ロッテ)☆
・石川雄洋(2004年度卒/DeNA)☆
・福田永将(2006年度卒/中日)☆
・下水流昂(2006年度卒/広島)☆
・高浜卓也(2007年度卒/ロッテ)☆
・倉本寿彦(2008年度卒/DeNA)☆
・筒香嘉智(2009年度卒/DeNA)☆
・乙坂 智(2011年度卒/DeNA)☆
・近藤健介(2011年度卒/日本ハム)☆
・浅間大基(2014年度卒/日本ハム)☆
・高浜祐仁(2014年度卒/日本ハム)☆
・渡辺佳明(2014年度卒/楽天)☆
・藤平尚真(2016年度卒/楽天)☆
・増田 珠(2017年度卒/ソフトバンク)☆
・万波中正(2018年度卒/日本ハム)☆
トップ5ともなると、言わずと知れた超名門校ばかり。高橋由伸氏(前巨人監督)らを輩出した桐蔭学園は昨秋の関東大会を制覇し、2003年のセンバツ以来、夏の大会を合わせても16年ぶりに甲子園の土を踏む。直近の卒業生では2013年度卒の斉藤大将が明治大を経て2017年に西武へ入団。昨年のドラフトでは斉藤の一学年上にあたる山野辺翔が大学・社会人を経て同じく西武入りを果たしている。
近年多数のプロ野球選手を輩出している履正社は単独3位にランクインした。NPBでタイトル獲得経験もあるT-岡田、山田哲人が代表格で、以降も安田尚憲、宮本丈と立て続けに同校出身の野手がプロの門を叩いた。昨秋ドラフトでは中山翔太が2位指名を受けヤクルトに入団するなど、将来楽しみな野手を多く輩出している。
そして堂々トップに輝いたのは、春夏通算33度の甲子園出場、5度の優勝経験を持つ横浜だ。98年に春夏連覇を成し遂げた“松坂世代”のメンバーは相次いで現役を引退。ついに同校出身としては松坂大輔が単独で現役最年長選手となった。
「平成の怪物」を生み出したエリート軍団は、間もなく終りを迎える「平成」の30年を通して継続的にプロ野球選手を輩出してきた。昨年は万波中正がドラフト4位で日本ハムに入団し、2016年から3年連続で高卒選手をプロの世界に送り込んでいる。