ロッテ・三家、内川、鈴木らと自主トレ
昨季一軍出場のなかった千葉ロッテの三家和真、香月一也の2人は今オフ、三家がソフトバンクの内川聖一、香月が福浦和也と、昨季“通算2000安打”を達成した2人と自主トレを行った。
三家は昨季二軍でチームトップの111試合に出場したが、一軍出場はなし。昨季終盤には「二軍で試合に出させてはもらっていますけど、一軍にはいけていないので、そういう点では評価できないかなと思います」と悔しがった。
ロッテ移籍3年目を迎える今季に向けて、「体にしろ、技術にしろ、自分自身が今年は何かを変えないと、駄目だと思った」と同僚の吉田裕太を通じて、内川らが行う自主トレに参加することになった。
三家は約2週間の自主トレで「色々内川さんも見て下さって、打撃のことも教えていただいたりした。後輩ですけど広島・鈴木誠也、ソフトバンク・上林誠知とも一緒にできましたし、吸収はすることができました」と充実した様子。
同自主トレでは、「せっかくトップを掴んでいるので、バチンと出さないといけないところを、1回緩んで振っていると言われた。そこも自分で気付いていた。そこをどうにかしたいなと思っていて、3人に同じところを言われました」と、内川、鈴木、上林の3人から“右打席での癖”を指摘された。当然、自主トレが終わってからも右打席の癖の修正に励んでいる。
「打つまでに自分から崩れていっているのがあったので、そこを見て学ぶこともできたし、教わる事もできて良かったと思います」と納得のいく自主トレになったようだ。
香月は今年も福浦と自主トレ
香月も尊敬する福浦らとの自主トレに2年連続で参加した。昨季は春季キャンプでインフルエンザ、開幕前には左手を骨折。二軍戦ではチームトップタイの12本塁打を放ったが、2年ぶりに一軍出場がなかった。
それでも、11月に行われた台湾遠征では、「やってきたことをやるしかないので、振ることしか考えていなかった。フルスイングをテーマにやってきたので、台湾で全部フルスイングしようと思っていた」と初戦に猛打賞を記録するなど、3試合で5安打2打点とアピール。ただ本人は「アピールできたなと思うんですけど、もう少し打ちたかった」と満足していない。
最後の最後に存在感を残した香月は、シーズンオフは5勤1休のペースで練習を積み、1月14日からはシーズン中から打撃技術のスゴさについて語っていた福浦らと自主トレを行った。
香月は福浦との自主トレ前に「福浦さんの背中を見て、一緒にやることが大事。姿勢であったり取り組みであったり、福浦さんの練習の姿を見てすごい勉強になる」と尊敬する先輩から全てを学んでいく考えを示していたが、約10日間の自主トレを経てロッテ浦和球場に帰ってきた後、再び話しを聞いてみると「バッティングの手応えはあります」と収穫のある自主トレになったことをうかがわせた。
今年はキャンプインとなる2月1日に紅白戦が行われる。三家は「バッティングにしろ目に留まるものがないと、駄目だと思う。技術面もそうですけど、技術以外の、声とか全力疾走とか当たり前にできることもある。そういうところでも何かしら、目に留まらないといけないと思う」と話せば、香月も「去年は一軍に1回もいけなかったので、今年こそはなんとしても食らいつくしかない。2月1日からアピールしていかないと残っていけない。2月1日からバッチリいきたいです」と意気込んだ。
戦力外となった肘井をのぞくと、昨季の野手では、三家と香月の2人だけが支配下登録選手の中で一軍での出場機会を得られなかった。背水の陣を敷いて臨む今季、彼らの戦いはすでに始まっている。
取材・文=岩下雄太