秋山は自身の復活と同期の復帰を待つ
1月下旬、球界に大きな衝撃が走った。阪神・原口文仁が大腸がんを患っていると公表したのである。
衝撃の発表からほどなくして手術を受け、今は順調に回復していることを自身のTwitterで報告。ここからは経過を見ながら、リハビリを経て復帰を目指すことになる。その原口の復帰を人一倍心待ちにしているのが、2009年のドラフト同期である秋山拓巳だ。
秋山は原口が大腸がんの公表をした後にもエールを送っており、甲子園でバッテリーを再結成することを願っている。その秋山は、2017年に12勝(6敗)をマークしブレイクしたが、昨年は5勝10敗と奮わなかった。オフに手術をしたこともあり二軍スタートではあるが、キャンプ中に実戦登板ができるように調整を進めている。先発ローテーション争いは、西勇輝(前・オリックス)とオネルキ・ガルシア(前・中日)の加入で激しくなったことは間違いないが、一歩も引くつもりはない。
この秋山のように、2017年にブレイクしたが昨年は結果を残すことができず苦しんだ選手は他にもいる。たとえば、広島・薮田和樹もそのひとりだろう。
2017年の薮田は中継ぎからスタートするもチーム事情もあり先発へと転向。その後は快進撃を見せ、15勝(3敗)をマーク。リーグ優勝の立役者になり、オフにはアジアプロ野球チャンピオンシップ(以下、アジアCS)の日本代表にも選ばれていた。
昨年もローテーションとして期待されていたが、制球難の影響で大半をファームで過ごしている。結果的に一軍では、9試合の登板で2勝1敗、防御率5.74と苦しんだ。今年は再び先発ローテーション入りを目指す。
中谷は本塁打が激減
野手に目を向けると、薮田と同じくアジアCSで活躍した日本ハム・松本剛も昨年は調子を落とした。
試合数は2017年の115試合から54試合に大幅減となり、打率も.274から.222へと急降下。レギュラーの座も失ってしまった。この春季キャンプで結果を残し、定位置を奪い返したいところだ。そんな松本は内外野を守ることができるのもウリのひとつ。攻守両面でアピールしていく。
そして、阪神には中谷将大もいる。2017年は20本塁打を放ち大砲候補としてブレイクしたが、昨年はオープン戦から結果が出なかった。初めて一軍に昇格したのも5月下旬となり、シーズンでは77試合の出場で5本塁打に終わってしまった。今年はドラフト1位で即戦力候補の外野手である近本光司(大阪ガス)が入団。ますます外野手争いは激しくなった。持ち前のパワーでライバルたちに差をつけることが求められる。
その他には、広島・安部友裕の名前も挙がる。チームメートの薮田同様に2017年に大ブレイク。主に三塁をまかされ、初めて規定打席に到達し打率3割超えをマークした。
昨年は骨折による離脱もあり、72試合で打率.236と低迷。レギュラーの座を固めることはできなかった。今年は堂林翔太が再び三塁に挑戦するため、キャンプから競争に勝たなければならない。
こうして見ていくと、プロの世界において複数年連続で結果を出すことがいかに難しいかが見えてくる。だが、彼らだって当然ここで終わるつもりはない。2年前の輝きを取り戻し、復活を果たすことに期待したい。