チームメートの岡田俊哉も手術済み
キャンプイン間近の中日に良くないニュースが飛び込んできた。
プロ3年目右腕の藤嶋健人に血行障害のような症状が出たため、キャンプ地である沖縄・北谷入りを一時見合わせ。今のところ“疑い”の段階ではあるが、名古屋に残って精密検査を受けるという。
昨季は先発・中継ぎ合わせて19試合に登板。3勝1敗、防御率3.66と高卒2年目としては上々の成績を残していた。今季は先発ローテーション入りにも期待がかかったが、無念の離脱となってしまった。
投手を悩ませる病気として知られる血行障害。近年では、中日の先輩である岡田俊哉も2017年に血行障害の手術を受けており、その年は手術を受けた6月以降マウンドに登ることができなかったものの、昨季は復活を果たして27試合に登板している。
また、藤嶋とは同級生にあたるソフトバンクの古谷優人も、2017年末に血行障害の一種である胸郭出口症候群が発覚した。古谷は手術を行わずに保存療法で治療に努めており、昨季はファームで29試合に登板。5勝2敗、防御率3.81という成績を残した。現時点では手術を回避したことが吉と出ていると言えそうだ。
館山昌平、杉内俊哉といった一流選手も
過去には、かつてヤクルトのエースとして活躍していた館山昌平も血行障害に悩まされた。
館山といえば肘の故障から幾度となく復活してきたことが有名だが、それだけではなく血行障害も患っていた。賛否両論はあれど、2011年には完治しないままマウンドに登っていたこともある。
館山と同じヤクルトでプレーしていた久古健太郎もそうだった。2010年ドラフト5位でヤクルト入りを果たした久古は1年目から左の中継ぎとして活躍。52試合に登板し、5勝2敗1セーブ・20ホールドと結果を残した。しかし、その年のオフに血行障害が発覚し手術を受けている。翌2012年は9試合の登板にとどまったが、2013年から2016年までは4年連続で38試合以上に登板。2015年のリーグ優勝にも大きく貢献した。
今年から巨人でコーチを務める杉内俊哉も血行障害に苦しんだ男の一人だ。
春先やポストシーズン時期の屋外球場では寒さが影響し、打ち込まれることも多かった。ソフトバンク時代に球団施設内で個人トレーナーを帯同できないという通達が出されたときも「血行障害だからドームじゃないとキャッチボールができない」と意見を出したほどだ。
このように、血行障害と診断された投手は多くいる。「手術」もしくは「保存療法」と対処方法はさまざまだが、共通しているのは実戦に復帰している部分だ。選手生命を絶たれたわけではないということである。
藤嶋は精密検査の結果を見てからとなるが、仮に血行障害だったとしても絶望することはない。まだ若いだけに、リハビリ期間中にパワーアップして帰ってきてもらい、華々しい復活劇を飾ってほしいところだ。