ニュース 2019.02.04. 18:30

連日のアピール! 中日・遠藤一星が挑む“勝負の5年目”

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2017年から外野守備に本格挑戦している中日の遠藤一星

実践練習で連日のアピール


 ついに幕を開けた2019年プロ野球の春季キャンプ。ゴールデンルーキー・根尾昂の入団で1月中から大きな注目を集めていた中日だが、その根尾はキャンプ直前にふくらはぎの故障で離脱。一軍・北谷組でのスタートが決まっていたキャンプも、二軍・読谷組で迎えることとなった。

 それでも、根尾は想像を上回る回復力を発揮しており、すでに打撃練習を再開して一軍昇格を目指している一方、同じ読谷組では平田良介や大島洋平、藤井淳志といった外野のベテラン組がマイペース調整を敢行。彼らは志願の二軍スタートで、新シーズンの開幕を見据えている。


 主力級が揃って二軍スタートということは、そのポジションを狙う選手たちが一軍にいるということ。なかでも積極的なアピールを見せているのが、プロ5年目の29歳・遠藤一星だ。

 3日に行われた今キャンプ初の実践練習。投手陣再建を目指すチームとあって、12投手による“無四球リレー”の方に注目が集まったが、遠藤はここで快音を連発した。第1打席に福谷浩司の速球を中前に弾き返すと、第2打席では柳裕也から右翼線へ二塁打。翌4日にも、育成左腕の浜田智博から右前にクリーンヒットを放ち、この2日で3安打とバットで猛アピールしている。


“即戦力”のはずだった2014年組


 駒場学園高から中央大、社会人の東京ガスを経て、2014年のドラフト7位で中日に入団した遠藤。当初は遊撃手としてのプロ入りだった。

 ルーキーイヤーから41試合に出場を果たし、打率.271(140-38)で4本塁打、14打点に3盗塁とまずまずの成績をマーク。初スタメンで「1番・遊撃」を任されるなど、その期待値は高かったが、シーズン途中に故障で離脱を強いられてしまう。

 すると、2年目は開幕スタメンの座を掴み取りながら不振で二軍降格となり、3年目には外野手へ転向。プロの世界で生き残る道を探った。ところが、4年目の昨季はわずか2試合の出場に終わり、ファームでも87試合で打率.236(292-69)と低迷。出塁率も3割に届かなかった。


 振り返ってみると、チームは遠藤を指名した2014年のドラフト会議で“即戦力補強”を前面に打ち出し、社会人・大学生を中心に指名した。本指名では高校生を指名しないという大胆な行動に出たが、1位入団の野村は17年に戦力外で退団。背番号1を託されていた3位入団の友永は通算24試合の出場にとどまり、18年にはプロ入り後初めて一軍出場がなかった。

 そのなかで唯一1年目から結果を残したのが7位入団の遠藤だったが、その遠藤も2年目以降は目立った活躍は見せられず。14年ドラフト組は即戦力の期待をかけられながら、期待を裏切る形になってしまっているのが現状だ。

▼ 中日・2014年ドラフト
1位 野村亮介(社・投)※17年に戦力外
2位 浜田智博(大・投)※17年から育成契約
3位 友永翔太(社・外)
4位 石川 駿(社・内)
5位 加藤匠馬(大・捕)
6位 井領雅貴(社・外)
7位 遠藤一星(社・内)
8位 山本雅士(独・投)※18年に戦力外
9位 金子 丈(大・投)※17年に戦力外
育2 石垣幸大(高・投)※16年に戦力外
育3 藤吉 優(高・捕)※17年に退団
育4 近藤弘基(大・外)※16年に支配下契約

※育成1位の佐藤雄偉知(東海大相模・投手)は入団拒否


12球団屈指の外野陣


 “5度目の春”にアピールを続ける遠藤だが、目指すポジションには不動のレギュラー陣が待ち構える。

 昨季中日の外野でレギュラーを任されていた平田良介、大島洋平、ソイロ・アルモンテはリーグでもトップクラスの巧打者たち。昨季のポジション別打撃成績を他球団と比較すると、中日の「外野手」は日本シリーズを戦ったソフトバンク(.298)、広島(.297)を上回る「打率.305」をマークしており、打率部門では堂々の12球団1位。今季もレギュラーの3人に何らかのアクシデントが起きない限り、そのポジションが空くことはなさそうだ。

 遠藤にとって現実的な目標は4番手争いとなるわけだが、この競争も熾烈。昨季はベテランの藤井が4番手として控え、スティーブン・モヤは少ない機会のなか打撃で結果を残した。また、今季はルーキーの滝野要が新人で唯一実践練習のメンバー入りを果たしており、新たに4番手争いに加わろうとしている。ここ数年思うような成績を残せていない遠藤にとっては、開幕一軍の座を手に入れるのも簡単ではない。

 ただし、幸いにも中日は今季から与田剛監督をはじめ、首脳陣の顔ぶれが大幅に変わった。昨季わずか2試合の出場に終わった遠藤にとっては、このキャンプが新首脳陣の“新たな目”にアピールする絶好のチャンスだ。

 3月に30歳を迎える男にとって、2019年シーズンは文字通り“勝負の5年目”となる。外野手として開幕一軍の座を掴むことはできるのだろうか。一見地味な“外野手4番手争い”にも注目だ。


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