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最下位からの優勝も期待できる“新生・楽天”の充実した戦力

フリーアナウンサーの節丸裕一が、スポーツ現場で取材したコラムを紹介。今回は、石井GM以下、15の役職が新しく入れ替わった新生・楽天を分析する。


提供=産経新聞社

今年は楽天が面白そうだ。
昨年も前評判は低くなかったが、故障や不調など誤算が重なって開幕から低迷。4月半ば以降は1度も最下位を抜け出せないままシーズンを終えた。
3年ぶりの最下位という屈辱のシーズンになったわけだが、今季に向けてのスタートは早く、昨年9月から石井一久氏がGMに就任。昨年6月中旬の梨田監督の辞任後、チームを率いて来た平石監督代行が今季からは正式に監督に就任した。今季の首脳陣を見ると、1、2軍合わせて15の役職で昨季とは顔ぶれが変わり、全く新しいチームになったような印象だ。

久米島キャンプでは、初日から投手陣の大半がブルペン入りした。去年の則本は6年連続2桁勝利、5年連続奪三振王と結果は残したが、本来の投球には程遠く、本人は「忘れてしまいたい」と振り返る不本意なシーズンだった。しかし、久米島入りした則本は「自分でもビックリするくらい、いちばんいい状態」と笑顔を見せる。初日のブルペンでも快速球を投げ込み、隣で投げた岸が「則本は来週開幕するのかと思うぐらいだった」と笑うほどの仕上がりだ。

一方、昨季、最優秀防御率のタイトルを獲った岸は対照的にマイペースのスタート。余裕を感じさせながらも開幕投手に意欲を見せ、さすがに頼もしかった。球界を代表する二枚看板の存在感はさすがだ。

残り4人の先発枠には、飛躍が期待される将来のエース候補の藤平と昨季のドラ1近藤、貴重な左腕辛島と塩見、ローテ定着を狙う古川、右肘手術から復帰の美馬、さらには移籍の福井と、先発転向の可能性もある松井裕樹。計算は立たないが、未知数の部分に期待も持てる。

そして今年最大の注目は昨季の打点王、浅村栄斗が加わった打線だ。昨季の浅村は自身2度目の打点王を獲得しただけでなく、3割、30発、100打点をそれぞれ大きく上回る好成績で、西武の10年ぶりのリーグ制覇に大きく貢献した。MVP投票では山川穂高の991点に次ぐ750点を集めた(3位の秋山は191点)。浅村は「キャンプではチームに慣れることがいちばん」と不慣れな新天地でのキャンプに戸惑いも見せるが、そこは「周りはたくさん話しかけてくれるし、気を使ってくれる。それと(西武でチームメイトだった渡辺)直人さんがいるので本当に助かる」と話しているので、時間が解決するだろう。平石監督はチーム内の競争を掲げながらも「セカンドは浅村」と明言。大きな期待を寄せるが、浅村が中心に座ることで、中軸のウィーラー、新主将の銀次、昨季新人王の田中和基らへの相乗効果も期待できる。また、ドラフト1位で入団した辰己涼介も楽しみな逸材。立命館大学時代は2年時から日本代表に選ばれ、日米大学野球では特大ホームランも放った。リーグ戦通算122安打は関西大学リーグ歴代2位。「野球バカ」を自認する辰己が新人王を争うような活躍ができれば得点力はさらに上がる。

石井GM、平石監督の新生・楽天のスローガンは『RESTART!日本一の東北へ』。
今季大きなカギを握る浅村は「ライオンズを倒して優勝したいという気持ちが強い」とハッキリと口にする。浅村が打ちまくり、昨季は総得点が最下位に終わった打線に化学反応が起きれば…。得点力アップが投手陣に好影響を与えて、若い投手が成長すれば…。
決して簡単ではない最下位からの優勝を成し遂げられるかどうかは、浅村の活躍とケミストリーが鍵を握りそうだ。

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