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かつての名捕手・矢野監督の下で激化する阪神の捕手争い

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阪神・梅野隆太郎 (C)KYODO NEWS IMAGES

梅野もうかうかしていられない…?


 セ・リーグ最下位からの逆襲をめざす阪神。オフには2016年から3年間チームを指揮した金本知憲監督が退き、二軍を率いてファーム日本一を成し遂げた矢野燿大が“昇格”する形で一軍監督に就任した。

 矢野監督と言えば、1998年の阪神加入から長きに渡ってトラの扇の要を務め、2003年と2005年のリーグ制覇に貢献。球団を代表する名捕手の一人として知られる。

 しかし、矢野が長きに渡って正捕手に君臨し続けたことでの“代償”もあった。矢野と入れ替わる形で2010年はメジャー帰りの城島健司が正捕手を務めたものの、翌年以降は膝の故障もあって出場数が激減。藤井彰人や日高剛らFA組でピンチを脱しようと試みるもその場しのぎ感は否めず、その間に若手の台頭もなかったため、阪神は長らく“正捕手不在”という問題に苦しめられた。


 そんな中、チームに希望をもたらしたのが梅野隆太郎という存在だ。2013年のドラフト4位で阪神に入団した強打の捕手は、1年目から92試合に出場を果たすも一軍定着とはならず。以降は伸び悩みの時期に入る。

 それでも、2017年にキャリア最多の112試合に出場すると、昨季はさらに記録を伸ばす132試合に出場。打率.259に本塁打8もキャリアハイの成績で、盗塁阻止率.320はリーグ2位と守備面でも成長。守備の栄誉・ゴールデングラブ賞にも輝いた。

 『3年やって一人前』と言われる世界において、梅野にとっては今季がその3年目になる。押しも押されぬ正捕手となるべく、今季の戦いが非常に重要だ。現状では2年連続で100試合以上に出場している経験に加え、ゴールデングラブ賞という実績も含め、正捕手争いにおいて頭ひとつ、ふたつ抜けている存在と言えるものの、それでレギュラーが約束されるほど甘い世界ではない。掴んだ居場所は自分の力で守り抜かなければならないのだ。


初実戦で2安打・1本塁打の坂本


 そんな梅野の座を脅かそうという男たちが、7日に行われた紅白戦でアピールを見せた。まずは、大卒4年目の25歳・坂本誠志郎である。

 キャッチング技術や巧みなインサイドワークなど、もともと守備面では高い評価を受けていた司令塔候補。一方、昨季は15試合の出場で打率.154に終わるなど、課題の打撃が足を引っ張って出場機会を伸ばすことができていない。

 そんな男が、7日に行われた今キャンプ初の紅白戦に紅組の「6番・捕手」でスタメン出場すると、0-0で迎えた2回に先頭で巡ってきた第1打席でいきなり安打をマーク。さらにその後打線が繋がり、5-0となって迎えた第2打席ではレフトスタンドに叩き込む2ラン。1イニング2安打、それも2本目は昨年1本も出なかった本塁打という最高の結果を残した。

 その後の2打席は凡退となったものの、課題だった打撃の方でいきなり結果を出すことができたというのは坂本にとって大きな自信となることだろう。ブルペンにも積極的に顔を出して投手陣とのコミュニケーションを深めており、正捕手の座を虎視眈々と狙っている。

 オフにはかねてから交際していた一般女性と入籍したことも発表。「ファンのみなさまを喜ばすとともに、奥さんも喜ばせたいと思います」と語っているように、今季にかける想いは強い。坂本の今後は要注目だ。


一塁起用の長坂にも一発


 また、7日の紅白戦では白組の「8番・一塁」に入った長坂拳弥も捕手登録の選手。昨オフの契約更改の際に「打撃で違うところを見せたい」と意気込みを口にしていた24歳は、今春初の実戦で3打数2安打・1本塁打と宣言通りの打棒を見せた。

 長坂は2017年に1試合、昨季は9試合と一軍での実績こそ劣るものの、昨年日本一に輝いたファームではチーム最多の65試合に捕手として出場。今季から一軍を率いる矢野監督の下で最も多くマスクを被っているのだ。

 ファームで打率.257と打力アップに成功し、一軍でもプロ初安打をマーク。自信を深めた打力はひと冬を越してさらに成長。紅白戦では第1打席で期待の高卒3年目・浜地真澄をとらえてレフトへの安打を放つと、第3打席では左腕の島本浩也からレフトスタンドに叩き込む豪快な一発。マスクは被っていないものの、坂本に負けじとアピールを見せている。

 阪神には右の代打兼緊急時の捕手として原口文仁がいたが、その原口はキャンプ直前にがんを患っていることを告白。手術を受けており、復帰時期は未定となっている。昨季代打安打の球団記録に並んだ“切り札”の不在は痛いが、長坂がその枠に入る可能性は大いにあるだろう。

 まずは“ポスト原口”として一軍枠に入り、そこから正捕手獲りへ……。正捕手争いのダークホース候補として、長坂拳弥にも注目だ。


【阪神の捕手・年度別出場数】

▼ 2018年
132試:梅野隆太郎
32 試:原口文仁
14 試:坂本誠志郎
8 試:長坂拳弥
4 試:岡崎太一

▼ 2017年
112試:梅野隆太郎
42 試:坂本誠志郎
33 試:岡崎太一
1 試:長坂拳弥
1 試:原口文仁

▼ 2016年
87 試:原口文仁
38 試:岡崎太一
35 試:梅野隆太郎
25 試:坂本誠志郎
10 試:鶴岡一成
2 試:清水 誉
1 試:今成亮太
1 試:小宮山慎二



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