◆ 「今やるべきことに集中できています」
中日のドラフト2位・梅津晃大投手(22=東洋大)が、沖縄・読谷二軍キャンプで地道なトレーニングを積んでいる。
1月の合同自主トレ中に右肩の違和感を訴えた長身右腕。その後「軽度のインピンジメント症候群」と診断され患部の状態が心配されていたが、ブルペン入りした7日は捕手を立たせた状態で142キロをマークするなど、着実に状態を上げてきている。
ブルペン入りから一夜明け「6、7割の力だったので、(肩、肘に)張りもなく順調です」と右腕。「今のところ手応えなんてまったくないですけど、スタートから自分のペースでやらしてもらっている。今やるべきことに集中できています」と、球団の育成方針に感謝した。
この日は雨が降ったり止んだりの中、ランニング中心の地道なメニュー。今後については「2日に1度くらいのペースでピッチングができれば。今日はブルペンに入りませんでしたが、キャッチボールの強度はこれまでで一番。ブルペン以外でも、投球の強度を高めていければ」と上昇プランを口にした。
◆ 門倉コーチ「新人王も狙える」
戦友たちの話題もチェックしている。DeNAのドラフト1位・上茶谷大河投手と、ソフトバンクの同1位・甲斐野央投手。東洋大時代に“150キロトリオ”と称された剛腕三人衆。それぞれプロ1年生として、各地で汗を流している。
上茶谷が第1クール4日目に「疲れました」と言っていたことを伝えると、「そりゃ疲れますよ(笑)」と梅津。「アマチュア時代と違って、職業になった野球。単純に練習メニューの量が違いますし、走るのも仕事ですから。気づいたら17時頃になって、帰って食事。朝も早いですし、リラックスできる時間なんて1、2時間くらいですからね」
「(甲斐野の)打撃投手のニュースも見ました。この時期から150キロはすごいですよね。嫉妬とかまったくないです。大学時代も切磋琢磨しながら高め合ってきましたし、関係性は今も変わりません」。ちなみに、甲斐野にはフリー打撃登板前にアドバイスを送ったそうで、「(フリー打撃で対戦した)ソフトバンクの上林さんは高校(仙台育英高)の1学年先輩なので『(上林)誠知さんはすごいぞ』と。そのあと『エグかったわ』と感想がきたので、『やっぱすごいっしょ』って返信しました」と目尻を下げた。
キャンプでは上茶谷、甲斐野に遅れをとった感はあるが、ポテンシャルはふたりに引けを取らない。指導する門倉健二軍投手コーチは「梅津は面白い。新人なんである程度、制限しながらゆっくりやらせているが、いいボールを投げるし、これからどう育っていくか楽しみ。新人王も狙える」と太鼓判を押す。
“根尾フィーバー”に沸く読谷で、地道なトレーニングを続けている背番号『28』。中日投手陣の救世主は、この男かもしれない。