アピール続ける太田&吉田の新加入コンビ
ヤクルトは9日、今キャンプ2度目の紅白戦を行い、不安定な天候のなか予定していた6イニングを消化した。
チーム初実戦となった7日同様、この日も先発候補者たちの好投が光った。日本ハムからトレードで加わった高梨、昨季防御率3.09を記録した原、そして3年目右腕の星が好投。それぞれ2イニングを無失点に抑えた。
打撃陣では、10年目を迎える荒木が決勝3ランとなる“今季チーム1号”をマーク。さらに、昨シーズン正遊撃手の座をつかみ初の規定打席到達を果たした西浦は、2試合連続で白組の「1番・遊撃」に入り2戦連続で2安打を放った。
西浦に負けじと、紅組の遊撃手を務めた太田も2試合連続安打を記録。守備では4回、三遊間深くへ飛んだゴロを軽やかにさばき、守備でもアピールした。そしてドラフト8位で加入した吉田も元気ハツラツ。紅白戦は2戦とも「8番・二塁」で出場しているが、7日の2安打に続き、この日はしぶとく中前打をマーク。こちらも本職は遊撃で、西浦を脅かす存在になりそうだ。
昨季の西浦は打率.242、10本塁打、55打点
正遊撃に最も近いのは、やはり昨季138試合に出場した西浦。18年の打撃成績は打率.242、10本塁打、55打点、OPS(出塁率+長打率).673だったが、4月で28歳とまだ若く、非凡なパンチ力は魅力。さらなる成長に期待だ。
高梨とともに日本ハムからトレードで加わった太田は、もともと守備力に定評のある選手。打撃にもう少し嫌らしさが加わってくれば面白い存在だ。吉田はすでにまとまっており、その佇まいは同じく社会人出身の広島・田中を彷彿とさせる。本人も「即戦力と期待されて一軍に呼ばれている」と自負しており“平成最後の支配下ドラフト指名選手”としても注目したい。
ほかにも、紅白戦は2試合連続で一塁を守った広岡、今キャンプは外野守備にも挑戦中の奥村、そしてベテランの大引らも控える。昨季は西浦がレギュラーをつかみ取ったが、大田、吉田の加入もあり、その座は安泰とは言えない。西浦の2戦連続マルチヒットは、危機感の表れのようにも映った。