メジャー6年目を迎える田中の周囲はさらに強力に!

◆ 今年も停滞しているFA市場

 日本では2月1日が野球界のお正月。アメリカでも各チームの投手組がキャンプに入り、日本から新たに海を渡った菊池雄星(マリナーズ)の動向などが伝えられているが、今年もFA市場は停滞している。

 2月も半ばに差し掛かっているなか、今オフの目玉であるブライス・ハーパーとマニー・マチャドの所属先が未だに決まっていない。ここにきてホワイトソックスやフィリーズ、パドレス、ジャイアンツといった複数のチームの名前が新天地候補として連日伝えられているが、このまま野手組のキャンプインを迎える勢いだ。

◆ ヤンキースも候補に…?

 これらのチーム以外にも、可能性は低いとされるが、ヤンキースも候補の一つとして名を連ねている。

 ヤンキースといえば、これまでハーパーやマチャド級のFA選手には積極的にオファーを出し、そして獲得してきた。ところが、ハーパーとマチャドに対するアプローチはやや消極的。なぜなら、ヤンキースの選手層はすでに補強の必要がないほどに厚いからだ。

 現時点で予想されるヤンキースのスタメン野手、そして先発ローテーションとクローザーは次の通りである。

▼ 2019ヤンキース・予想スタメン
1(左)ブレット・ガードナー
2(右)アーロン・ジャッジ
3(中)アーロン・ヒックス
4(指)ジャンカルロ・スタントン
5(捕)ゲーリー・サンチェス
6(三)ミゲル・アンドゥハー
7(二)グレイバー・トーリス
8(一)ルーク・ボイ
9(遊)トロイ・トロウィツキー

▼ 予想先発ローテーションとクローザー
エース:ルイス・セベリーノ
2番手:ジェームズ・パクストン
3番手:田中将大
4番手:J.A.ハップ
5番手:CCサバシア
守護神:アロルディス・チャプマン

 こうして見ると、メンバーはほとんど昨季と変わっていない。

 野手でいうと、遊撃のポジションがトミージョン手術を受けて今季の大半を休むディディ・グレゴリウスから、新加入のトロウィツキーに変わったくらい。先発ローテーションも、トレードで移籍してきたパクストンが新たに加わっただけだ。

◆ ドリームチーム誕生なるか…

 しかし、野手の控え組やセットアッパー陣に目を移してみると、その選手層の厚さが際立っていることがわかる。

 一塁のポジションをボイドと争うグレグ・バードは、昨季こそ打率.199、11本塁打と苦しんだものの、数年前まではメジャー全体でも屈指のプロスペクトとして将来が嘱望された選手だ。年齢もまだ26歳と若く、レギュラーとして出場機会を与えれば、30本塁打以上打てる潜在能力を持っている。

 また、ロッキーズからFAで移籍してきたDJ・ルメーヒューが2年契約を結んだ。二塁手としてゴールドグラブ賞を3度も受賞。メジャー屈指のミート力を誇り、2016年にはナ・リーグ首位打者にも輝いた30歳の好打者である。

 ヤンキース以外のチームなら中軸を打ってもおかしくない選手だが、今季は本職の二塁以外に三塁と遊撃も守るユーティリティープレーヤーとしてチームを支えることになりそうだ。

 そして、外野はさらに層が厚い。外野も守れるスタントン以外にも、昨季全休したベテランのジャコビー・エルズベリーに加え、かつてのトッププロスペクトであるクリント・フレージャーが外野の一角を狙う。特にフレージャーはガードナーの後釜として期待されており、チームの若返りのためにもその成長が待たれる。

 先発投手陣も、5人そろって実績は十分。通算246勝のサバシアが5番手に控えており、平均年齢はやや高いが、5人のうち3人が左腕という点は心強い。さらにキャンプで5人を脅かすような若手投手が出てくれば、言うことなしだろう。

 救援陣はさらに充実している。チャップマンを支えるセットアッパートリオ(デリン・ベタンセス、ザック・ブリットン、アダム・オッタビノ)は、おそらくメジャーでも最強。ベタンセスとオッタビノは奪三振能力にすぐれ、ブリットンは守護神としての実績もある。この3人も、ヤンキース以外なら守護神を務めるだけの実力の持ち主だ。

 先述した通り、ハーパーもしくはマチャドがヤンキースに加入する可能性は決して高くない。だが、もしどちらかが加われば、今季のヤンキースはまさにドリームチームになるだろう。

 日本では巨人がこのオフに大補強を敢行したが、ヤンキースの選手層は巨人ファンもびっくりの厚さを誇っている。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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