山川穂高
西武・山川穂高

◆ 約半数がリーグV

 12球団の春季キャンプも大詰め。新シーズン開幕に向けて着々と準備を進めるなか、多くの球団が力を注いでいることのひとつに和製大砲の育成がある。もちろん、生え抜きのスラッガーが欲しくないというチームは存在しないだろう。また、かつてと比べて多彩なタイプの選手が増えてきたとはいえ、外国人助っ人の中心はやはり長距離砲だ。

 どのチームも得点に直結する本塁打は増やしたい。野球が得点を競うゲームである以上、それは当然である。だが、一方で「打線は水物」「野球は投手力」という常套句が定着しているのも野球というスポーツだ。果たして、チームの本塁打数と勝利にはどれほどの因果関係があるのだろうか。過去20シーズンの数字をふり返ってみる。

 1999年から2018年までの20シーズンでチーム本塁打数がリーグ1位となったセ・リーグ20チーム、パ・リーグ21チーム(2004年はダイエー、西武が183本塁打で1位タイ)のうち、レギュラーシーズン1位に輝いたのは両リーグそれぞれ9チームで計18チーム。確率でいくと44%となる。

◆ 最下位は41球団中2球団

 この数字を高いと見るかどうかは人によって違ってくるだろう。だが、特筆すべきは「Aクラス入り」の確率である。過去20シーズンで本塁打数リーグ1位となった延べ41チームのうち、Aクラス入りを果たしたのはなんと32チームにものぼり、78%という確率となった。Bクラスに沈んだチームはわずかに9チーム。なかでも、最下位になったのは1999年の近鉄と2015年のDeNAの2チームだ。

 本塁打が多ければそれだけ得点が増えるわけで、これは当然の結果ともいえる。それに、投手力との兼ね合いもある。レギュラーシーズン最下位に終わった1999年の近鉄、2015年のDeNAのチーム防御率はともにリーグワーストだった。あたりまえのことだが、本塁打だけがAクラス入りの要因であるはずもない。

 とはいえ、チーム本塁打がリーグトップになれば、8割近い確率でAクラス入りを果たしていることも事実。CS制度がある今なら、たとえリーグ優勝は逃しても日本一への道を残すこととなる。そう考えると、各球団が助っ人大砲の獲得や和製大砲の育成に躍起になるのも当然なのかもしれない。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

【プロフィール・清家茂樹】
1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中。

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清家茂樹

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