平成最後の支配下ドラフト指名・吉田大成
キャンプインから20日が経ち、実績のある主力選手たちも紅白戦や練習試合に出場しはじめる時期となった。ヤクルトでは、山田哲人が初の対外試合に代打で登場すると、初スイングで適時二塁打を記録。また、昨季の打点王でもあるバレンティンも2試合目で初アーチを放っている。
主力選手たちが順当な結果を残しているなか、新人の吉田大成(明治安田生命)も一軍での生き残りをかけ奮闘中だ。吉田は昨秋のドラフト会議において、8位指名でヤクルトから指名され入団。明治安田生命から初の支配下指名であることに加え、支配下選手では最後の指名ということもあり、「平成最後のドラフト指名選手」として取り上げられた。
その吉田は、春季キャンプで一軍スタートを勝ち取ると、紅白戦では2試合連続で安打を記録し、首脳陣へアピール。アマチュア時代は遊撃手だったが、二塁の守備についており複数ポジションにも対応できる。引き続き安定した打撃を披露し、複数ポジションをこなせる守備力があれば、開幕一軍の可能性も出てくるだろう。
この吉田のように、ドラフト下位指名ながら一軍に帯同して結果を残している選手は他にもいる。たとえばDeNAのドラフト6位・知野直人(BC・新潟)もそのひとり。一軍スタートを勝ち取った知野は、自身の誕生日でもある2月16日に途中出場で対外試合デビューを飾った。
初安打こそ生まれなかったが、守備と走塁で光るものを見せていた。今季もまた、DeNAにとって毎年恒例となっている一軍の新潟遠征が5月に組まれている。先ずは、キャンプ、オープン戦で結果を残し、一軍入りと共に凱旋出場も果たしたいところだ。
大学通算0本塁打の渡辺佳明がいきなり一発
パ・リーグに目を向けると、ロッテのドラフト7位・松田進(ホンダ)も張り切っている。ドラフト1位の藤原恭大(大阪桐蔭高)に注目が集まるなか、ラミゴ(台湾)との交流試合、その後の楽天との練習試合でも安打を記録した。
守備面を見ると、三塁と遊撃という複数ポジションを任されており、起用法の幅はありそう。井口資仁監督は、昨季も藤岡裕大と菅野剛士という、ふたりの社会人出身ルーキーを開幕スタメンに抜擢している。ライバルが多いポジションでもあるだけに、与えられたチャンスの中で結果を残し、先ずは開幕一軍を目指したいところ。
楽天のドラフト6位・渡辺佳明(明治大)も練習試合で一発を放ちアピール。名門・横浜高校で長らく指揮を執った渡辺元智監督の孫ということで注目を浴びていたが、バットでも結果を出した。大学時代の渡辺は通算0本塁打ながら、打率は3割を超えている巧打者だった。シュアな打撃にパワーが加われば、面白い存在になるだろう。台湾遠征のメンバーにも選ばれており、首脳陣からの期待度の高さがうかがえる。
昨季、開幕スタメンを掴んだルーキーは、山足達也(オリックス8位)、神里和毅(DeNA2位)、藤岡裕大(ロッテ2位)、菅野剛士(ロッテ4位)の4人だった。そのなかで、5位以下の下位指名だったのは山足のひとりだけ。開幕一軍だけでなく、昨年の山足のように開幕スタメンを勝ち取るドラフト下位選手の出現にも期待したい。