先発・小川は3失点。原樹理は4奪三振の好投
ヤクルトは21日、「ANA BALL PARK浦添」でDeNAとの練習試合に臨み、3-3の引き分けに終わった。
この日の先発は、代名詞だった“ライアン投法”から2段モーションへとモデルチェンジした小川泰弘。初回、先頭のDeNA・神里に先頭打者アーチを浴びると、4番・筒香に右前打を許し、いきなりの3失点。それでも2回以降は打者6人をきっちり封じて見せた。開幕投手の筆頭格でもあるエースに対して小川淳司監督は「評価する時期でもない」と開幕を1カ月後に控えた調整段階であることを強調。投手陣の柱として期待を寄せる右腕への信頼を口にした。
一方、2番手としてマウンドに上がった原樹理は、2回4奪三振と好投した。「どの球でも勝負できるように」という気持ちでマウンドに上がったという原は、「ファーストストライクをどの打者からも取れたことと、どの球でも勝負できた結果が最後のウイニングショットにつながった」と、フォークで空振りを奪えた要因を分析。田畑投手コーチも「テンポが良かったし、ストライク先行で自分のペースで勝負できていた。今までは横の変化でカウントを取っていたのが、縦のチェンジアップ気味で取れるというのは左打者には大きいと思う」と、投球の幅が広がったことを評価した。
小川と共に開幕投手の候補に挙がっていてもおかしくないピッチングを披露した原だが、自身は「まずはローテーション」と足下を見つめている。
新戦力2人が実戦初登板
またヤクルトは、注目の新戦力2人が実戦デビューを果たした。
8回にドラフト1位右腕の清水昇(国学院大学)が登板。体調不良により実戦デビューが遅れていたが、1回を無失点に抑えてマウンドを下り、「投げられたことが良かった」と収穫を口にした。それでも、今日の投球内容に関しては「まだまだ」と話し、「次はしっかり内容にこだわりたい。自分の投球スタイルを確立していきたい」とルーキーらしからぬ貪欲な姿勢を見せた。
次戦はキャンプ打ち上げ後のオープン戦での登板が予想されるが、田畑投手コーチは「彼本来の投球は投げられていないのでは」と更なる成長に期待を寄せている。
そして清水同様、初の実戦登板となった新外国人投手のスコット・マクガフも1回を投げて1安打無失点とまずまず。最速154キロの直球を投げ込み、「牽制も上手いし、(スピードも)速い。戦力として期待はもてる」との評価を小川監督から引き出した。
リリーバーとしての活躍が期待される助っ人右腕に田畑投手コーチは、「日本の打者はコンタクトが上手だ、ということが分かってくれたら良い」とアドバイス。実戦を重ねながら日本の野球に慣れてくれば、大きな戦力になるだろう。
昨季は2位に躍進しながらも、チーム防御率はリーグ4位の4.13に終わったヤクルト。投手陣が課題であることは明白なだけに、実績のある両右腕だけでなく新戦力たちの台頭にも期待したい。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)