オコエ瑠偉、広岡大志がアピール
2月23日から幕を開けたプロ野球のオープン戦。満を持して実戦に出場し始めた主力と、開幕一軍生き残りに向けて結果がほしい若手組が約1カ月にわたって争いを繰り広げることになる。
そんななか、序盤からレギュラー奪取を目標に結果を残している選手たちがいる。まずはヤクルトの高卒4年目・広岡大志。初戦となった阪神戦では代打で登場すると、その打席でバックスクリーンへ本塁打を打ち込んだのである。本職ではない一塁での出場が続いているが、この長打力は魅力的だ。
昨シーズンのヤクルトでは、西浦直亨が遊撃手の定位置をものにした。しかし、実績を残したのはまだ1年だけ。決して安泰と言える立場ではない。広岡の活躍に触発されてか、西浦も初戦でマルチ安打を記録するなど、早くもアピール合戦の様相を呈している。ヤクルトの遊撃手争いから目が離せない。
広岡と同じ高卒4年目のオコエ瑠偉(楽天)も順調だ。
打撃フォームを試行錯誤しているという報道も出ていたかつてのドラ1ルーキーだが、さっそく結果が出る。オープン戦2試合目となった24日のヤクルト戦、その第1打席でヤクルトの新助っ人アルバート・スアレスから左中間に飛び込む豪快な第1号本塁打を放ったのだ。
大きな期待を背負ってプロの世界に入ってきたオコエだが、ここまでの3年間においては目立った成績を残すことが出来ていない。今年も昨季の新人王・田中和基を筆頭に島内宏明、そしてドラフト1位の辰己涼介らがひしめく外野のポジション争いは熾烈を極めており、レギュラーや一軍の保障はない。オープン戦で結果を積み重ねることで、開幕スタメンの座を掴まなければならない。
2016年の新人王にも復活の気配
高卒4年目となるオコエや広岡が躍動しているなか、大卒4年目の選手も猛アピールしている。そのひとりが日本ハムの横尾俊建だ。
2017年には後半戦で出場機会を掴むと50試合で7本塁打を放ち、大砲候補として開花しつつあったが、大きな期待を背に迎えた昨シーズンは結果を残すことができず。出場数こそ伸ばしたものの、74試合で9本塁打と苦しんだ。
悔しい一年を経て、今年は再びレギュラーを目指す年となる。そのなか、24日の巨人戦で一発を放ったのは大きい。特に現在は主軸の中田翔が負傷離脱中であり、右で長打が期待できる打者というと大田泰示くらいという状況。チームのピンチをチャンスに変えて、今年こそレギュラーの座を手中に収めたい。
そして、その横尾とは高校時代のチームメイトで全国制覇を成し遂げている阪神の高山俊も、大卒4年目の今季にかける想いは強い。
ルーキーイヤーの2016年には新人王を受賞するなど、ドラ1の評価に恥じない活躍を見せていたが、以降は故障や不振に苦しめられて結果を残すことができていなかった。
迎えた2019年のオープン戦・開幕戦。23日のヤクルト戦で“チーム1号”の本塁打をマーク。復活に向けて好スタートを切った。
阪神の外野陣を見ると、糸井嘉男や福留孝介といったベテランが変わらぬ存在感を発揮しているものの、そこに続く3人目の争いは激しい。2017年に20本塁打を放った中谷将大や、江越大賀に俊介など候補の名前は多く出てくるうえ、今年はドラフト1位で社会人出身の即戦力外野手・近本光司が加わっている。高山はこの激しいサバイバルを勝ち抜くことができるだろうか。