ニュース 2019.03.06. 17:30

復活を期す床田、真価が問われる柳…アピールを続ける“大卒3年目投手”

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2017年にはデビュー2戦目で初勝利を挙げて期待された左腕も…

トミージョンからの復活へ


 3月に入り、いよいよシーズン開幕まで1カ月を切った。2月1日から始まったサバイバルもリミットが迫ってきており、キャンプで結果を残してきたルーキーや期待の若手たち、そして復活に賭けるベテランたちの競争はより一層激しさを増している。

 そんな中で特にまばゆい輝きを放っているのが、広島期待の若手でありケガからの復活を期す左腕・床田寛樹だ。

 中部学院大から2016年のドラフト3位でプロ入りした24歳。ルーキーイヤーから開幕ローテーション入りを果たし、4月中にプロ初勝利を挙げる好発進を切ったものの、プロ3度目の登板となった試合で左肘の違和感を訴えて途中降板。様子を見ながら調整を続けるも状態は上がらず、夏場になってトミージョン手術を受ける決断を下した。

 ルーキーイヤーのほとんどを棒に振り、2年目の昨季も一軍での登板はなし。それでも8月にファームでは実戦復帰を果たしており、8試合の登板で防御率は2.25と復活の兆しを見せていた。今季はまさに再出発のシーズンとなる。

 2月24日、チームにとってのオープン戦開幕戦となったDeNA戦では2番手として登板すると、強力打線を相手に3回を投げて被安打4も、要所を締める投球で無四球・3奪三振の無失点。さらに3月5日に本拠地・マツダスタジアムで行われた巨人戦では先発としてマウンドに登り、平日デーゲームとは思えない大観衆に見守られた中、初回に移籍した丸佳浩を含む3者連続三振を奪って見せる快投。4回を投げて被安打4、6奪三振で無失点とローテーション入りを大きく手繰り寄せた。

 リーグ3連覇中のチームであるが、先発左腕と言うと助っ人のクリス・ジョンソンくらい。日本人左腕の台頭が待たれるところで、キャンプ中には期待の高卒3年目左腕・高橋昂也が肘の手術を行うことになるなど、今季もなかなか明るいニュースがなかった。

 手薄となっている“左の先発”として定着することができるか。床田にかかる期待は大きい。


ローテ定着が期待されるかつてのドラ1右腕


 また、不振からの脱却を目指しているのが中日の柳裕也だ。

 床田と同じ大卒3年目の右腕。2016年のドラフト1位入団で即戦力として期待を受けながら、過去2年で挙げた白星は3つだけ。今季は真価が問われる一年になる。

 結果だけ見れば2年間通算で21試合に登板(先発は17試合)、3勝9敗で防御率4.86という物足りない数字になっているものの、昨季は4月10日のヤクルト戦でプロ初完封勝利をマーク。破壊力自慢の強力打線を2安打に封じる完ぺきな投球を見せているように、持っている力はローテーション級であることは間違いない。あとはいかに安定してその力を発揮できるか。そこにかかってくる。

 今季はチーム初実戦となった2月11日の練習試合・ハンファ(韓国)戦の先発を託されるなど、与田剛新監督をはじめとする新首脳陣からの期待も大きい。オープン戦でも2月24日の阪神戦に登板して5回を5安打、2失点とまずまずの内容でまとめており、2度目の登板となった3月6日のDeNA戦でも6回を2失点の力投。得点圏に走者を背負ってもホームは踏ませず、2ランの2点のみでまとめる粘りの投球で開幕ローテ入りをアピールした。

 中日の投手陣は昨年の勝ち頭だったオネルキ・ガルシアが阪神に移籍したことに加え、エース候補の小笠原慎之介も手術明けということで無理は禁物。期待の高卒3年目右腕・藤嶋健人も血行障害の手術を受けて離脱し、昨季6勝のベテラン・松坂大輔も故障で調整が遅れている。

 開幕を前に危機的な状況と言っても過言ではないが、かつてのドラ1右腕はチームの救世主となれるか。こちらも大卒3年目の若手の奮闘に期待がかかっている。




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