横尾「監督が使わざるを得なくなるまで打つ」
日本ハムのレギュラー争いが熱い。
4年間で131本塁打を放ったブランドン・レアードがロッテへ移籍。キャンプイン後は中田翔、渡辺諒、清宮幸太郎らが故障してしまったが、それでも一軍定着を狙う若手がしっかりアピールしており、競争熱は下がるどころが上がる一方だ。
非凡な長打力を披露しているのは“おにぎり君”こと横尾俊建。昨季9本塁打をマークした右の大砲だ。オープン戦4試合で早くも2本塁打を記録するなど、練習試合を含めた対外試合の通算成績は、打率.407(27打数11安打)、3本塁打、7打点。2月23日の広島戦(練習試合)では一発を含む3安打3打点を記録し、「この時期は誰よりも打たないとレギュラーを獲れない。監督が使わざるを得なくなるまで打たないと」と、珍しくギラついていた。
三塁挑戦中の浅間大基も打撃好調だ。「1番・三塁」で出場した2月26日のヤクルト戦(練習試合)では、初回に先頭打者弾をマーク。続く打席でも左中間を破る二塁打を放った。守備でも軽快な動きを披露し、栗山監督から「浅間は上手くなったよ」とお褒めの言葉。同じく「1番・三塁」でスタメン出場した3月6日のロッテ戦(オープン戦)でも、5打数4安打と大暴れした。
沖縄では松本剛も存在感を示していた。実戦では途中出場が多かったが、2月23日の広島戦では2打席連続安打を放つなど、しっかり結果を残している。17年には115試合に出場し打率.274をマーク。同オフには侍ジャパンのメンバーとして「アジア プロ野球チャンピオンシップ」にも出場。台湾代表だった王柏融(ワン・ボーロン)とともに、外野部門のベストナインにも選ばれた。
王柏融の加入で、近藤と浅間が三塁挑戦
その王は、レアードに代わる新外国人野手として加わった。キャンプ中の初実戦からの8試合連続安打をマークするなど順調。クリーンナップの一角を担うことになりそうだ。
その王が左翼を守ることで、前述の浅間と近藤健介は三塁守備にも力を入れている。ここまでの実戦を見る限り、両選手とも無難な動きを披露。コンバートが一定の成果を収めつつあることで、起用法の幅がより広がった印象を受ける。
昨季の弱点と言われていた二遊間も、ヤクルトからトレードで加わった万能内野手・谷内亮太の存在で厚みが出てきた。谷内はオープン戦打率こそ低いが、キャンプ中の練習試合では状況に応じた打撃と小技の確実性を披露し、指揮官から「イメージ通り」と高評価。渡辺の復帰、そして、杉谷拳士、石井一成、平沼翔太らの今後のアピール次第では、正遊撃手・中島卓也の地位も安泰ではない。
さらに、左内転筋肉離れで出遅れていた中田が、9日の阪神戦(オープン戦)から一軍合流。右内腹斜筋肉離れの渡辺も、3月中旬頃の実戦復帰を見込んでいる。
栗山監督は「選手たちは特徴を出してくれている。相手との戦いの前に自チームとの戦い。しっかりと結果を残して、自分のポジションをとってほしい」と、キャンプ中からハッパをかけ続けてきた。開幕まであと3週間。ハイレベルなチーム中競争は、ここからが本番だ。