オープン戦では高打率を残し絶好調!
2月下旬からはじまったオープン戦も中盤に入った。調子を上げている選手がいる一方で故障する選手も出ており、開幕へ向け各球団の首脳陣はさまざまな攻撃プランを試行錯誤している。
なかでも、日本ハムはここ数日で主力が相次いで離脱した。肉離れで戦列を離れていた中田翔が復帰したが、入れ替わるように清宮幸太郎が右手有鉤骨骨折で全治3カ月。台湾からやってきた王柏融も、下半身の張りを訴え別メニュー調整となっている。
そんななか、高卒5年目を迎えた浅間大基と、大卒4年目の横尾俊建が好調だ。レアードが抜けた穴を埋めるべく、浅間は昨秋のキャンプから三塁の練習にも取り組んでおり、このオープン戦でもホットコーナーを守る機会が増えている。
オープン戦初戦となった2月24日の巨人戦で代走から三塁を守ると、2月26日に行われたヤクルトとの練習試合では「1番・三塁」でスタメン出場。浅間はその試合で先頭打者本塁打を放つなど2打数2安打と猛烈にアピール。試合後に栗山英樹監督が語った「サード浅間ってカッコいいよね、イメージ通り」というコメントも話題となるなど、注目を集めた。
すると3月6日のロッテ戦からは3試合連続で「1番・三塁」で出場し、その間の打率は4割を超えていた。3月12日と同13日の広島戦では「左翼」での先発出場となり、12日の試合では4打数2安打と気を吐いたが、翌日は4打数0安打。しかし、ここまで6試合の出場で、打率.364と上々の成績だ。
また、ここ2試合は立て続けに三塁で起用されている横尾も候補のひとり。その2試合は9打数6安打と大活躍。オープン戦の成績を見ても、打率.429で3位タイとノリにノッている。
現時点で三塁のレギュラーは公にされていないが、レギュラー候補には、谷内亮太や近藤健介がいて、秋季キャンプから練習を行ってきた大田泰示も控えている。このように、強力なライバルは多いが、浅間も横尾も有力候補のひとりであることは間違いない。
華々しいデビューイヤーから4年
2014年のドラフト3位で横浜高から日本ハムに入団した浅間も今年で5年目のシーズンを迎えることになる。
ルーキーイヤーは華々しい活躍を見せてくれた。当時の高卒新人タイ記録であるデビューからの4試合連続安打を記録するなど、最終的には46試合の出場で打率.285(130-37)という打率を残し、2年目以降に大きな期待を抱かせた。
しかし、その後は腰の故障もあり、目立った成績を残すことはできていない。昨シーズンは31試合の出場で打率.239(88―21)、3本塁打。高卒4年目の成績としては悲観するほどのことでもないかもしれないが、1年目の期待値からすると物足りなさも感じてしまう。一方、“おにぎりくん”の愛称で親しまれている横尾は昨季、9本塁打を放ち注目を集め、このオープン戦でも3本塁打と覚醒の予感を漂わせている。
そんな2人に訪れたのが、レアードの退団による定位置確保の可能性。特に近年結果を残せていない浅間にとっては、同世代のトップランナーである岡本和真(巨人)を追随することもできるだろう。U-18の日本代表ではチームメートだった岡本和真(巨人)だが、ずいぶん差をつけられてしまった。岡本は昨秋の日米野球に続いて、先日行われたメキシコ代表との強化試合でも日本代表に選出されている。現時点での差は大きいが、浅間が秘めるポテンシャルだって負けていない。もちろん横尾にとってもチャンスであることに変わりはない。
日本ハムは、春季キャンプから絶えず故障者が出ているが、そんな話題を吹き飛ばすくらいの活躍を、彼らには期待したい。