――湘南ボーイズのもうひとつの特徴として、同じ組織の中に湘南茅ヶ崎ボーイズという、別のチームを持っていることが挙げられます。大会には、湘南ボーイズと湘南茅ヶ崎ボーイズの2チームで参加しているわけですが、どのような狙いがあったのでしょうか。
田代 2006年から、湘南茅ヶ崎ボーイズを立ち上げました。1学年の部員が40名を超えるようになってきて、公式戦に出場できる選手に限りが出てきたのが一番の理由です。やっぱり、公式戦の経験は大きなものがあるので、1試合でも多く出してあげたい。今は、中学2年の新チームが始まるときに、湘南ボーイズと湘南茅ヶ崎ボーイズにわけていて、練習は一緒に行い、試合だけ別行動になっています。
――シーズンの中での入れ替えもあるのでしょうか。
田代 当然、あります。だいたい、年に3回ですね。一旦、大会に登録してしまうと、そこからの入れ替えはできないので、この時期には夏の大会にのぞむ、湘南と湘南茅ヶ崎のメンバーは決まっています。ここからの入れ替えはありません。
――湘南ボーイズがAチームという位置づけになりますね。
田代 そうなります。選手の目標は、湘南ボーイズで活躍すること。ただ、晩熟型の選手は湘南茅ヶ崎ボーイズのほうに登録して、高校で伸びる選手もたくさんいます。また、湘南ボーイズのキャッチャーの三番手であれば、湘南茅ヶ崎の正捕手にしたほうが、試合経験を積むことができるわけです。能力だけではないところでも、評価をしています。
――湘南クラブは、過去にジャイアンツカップ(全日本中学野球選手権大会)を2度制していますが、中学生期に勝つことの意味はどのように考えていますか。
田代 勝ったら自信になるし、勝つことによって、高いレベルのチームとたくさん戦うことができる。そうした経験は、中学生にとって非常に大きいと思います。あとは、競技スポーツなので、どんなきれいごとを言ったとしても、勝たないと面白くない。勝ち負けを真剣に争わなかったら、それはレクレーションですよね?
――そのとおりですね。
田代 それに、正しいことをやり続けていたら、体や技術のある子が入ってきて、チームがいい方向に進んでいくはずです。その循環が、勝ちにつながっていくと思っています。
(取材・撮影:大利実)