「まず、自分より大きな選手ばかりだったんです。後々に分かったのですが、自分は体の大きさは前から4番目で小さい方でした。根尾や藤原だけでなく、すごい同級生ばかりで最初はやっていけるのか心配でした」。
そんな中でも中川が際立っていたのは、発言力の高さと練習では背中で引っ張るリーダーシップぶりだった。小学校、中学校、リーグでの選抜チームなど、どのカテゴリーでもキャプテンを務めた経験を持ち、チームを束ねる力は目を見張るものがあった。
「ただ、小学校、中学では周りより少し上手くて目立つ存在だったらキャプテンになれるんです。特に小学校なんて整列する時に号令をかけたり、先頭に立って掛け声を出すくらい。そんなに重役という訳ではなかったので…。キャプテンという役目を本格的に意識したのはやっぱり高校になってからですね」。
中川のキャプテンシーはこの1年間、常に注目の的ではあったが、高校でのキャプテンは“あの一戦”の直後からのスタートだったー(取材・写真:沢井史)
*次回「中川卓也|「あの悔しさ」を忘れずに登りつめた頂点」に続きます*