◆ 昨季はフルイニング出場も体力に課題
プロ4年目の昨季、143試合にフルイニング出場し、打率.284、8本塁打、57打点、39盗塁の成績を残したロッテ・中村奨吾。
初めてレギュラーとして1年間戦った中村は「課題は(昨季)終盤に打撃が小さくなってきて、そこで打率が落ちたりしたのもあった」と分析する。
中村が話すように、オールスター前までは打率.306をマークしたが、シーズン後半は9月に月間打率.312をマークしたものの、シーズン後半の打率は.256だった。
それを踏まえてオフは「力強さをもっと求めて、シーズン終盤にバテないようにと思って自主トレ、キャンプをやってきました」と体力強化に励み、体重も昨年から6キロアップしパワーアップした。
◆ 盗塁成功率を意識
走塁面では、昨季はシーズン終盤まで西川遥輝(日本ハム)、源田壮亮(西武)と盗塁争いを演じた。中村は盗塁王こそ逃したものの、盗塁王の西川に次いでリーグ2位の39盗塁をマークした。
「(昨年は)数を走れたので、成功率をあげていかないといけないと思います」と今季へ向けて盗塁成功率向上を誓った。昨季の中村はというと、リーグ2位の39盗塁を決めるも、失敗の数もリーグで最も多い15個。リーグトップの44盗塁の西川は盗塁失敗はわずかに3つ、リーグ3位34盗塁の源田も失敗の数は8つと、彼らに比べると盗塁失敗が目立った。チームの得点力をアップ、さらには自身初となる盗塁王のタイトルを獲得するためにも、盗塁成功率の向上は必須といえる。
成功率を上げるために「癖だったり、(バッテリーの)配球ですかね」と、相手投手の癖、配球の研究を行っているという。オープン戦では、2度の盗塁機会と少なかったが、成功率は100%と取り組みの成果を出した。
◆ 今季の目標は“キャリアハイ”
29日の開幕まで残り4日に迫っている。今季は、チームの中心選手として昨季以上の活躍が期待される。
中村も「キャリアハイを目指してやっていきたいと思いますし、チームの勝ちに繋がるような活躍をしていきたいと思います」と意気込む。
「それでも毎日しっかり結果を出して、アピールしていかないといけないと思っている。チームのなかでもどんどん結果を出して、使ってもらえるようにやっていきたいです」。昨季フルイニング出場し、中心選手となったが“慢心”はない。
オープン戦最後の2試合は猛打賞をマークし、いい形でシーズンを迎える中村。キャリアハイを目標に掲げた中村が今季、どんな活躍を見せるか今から楽しみだ。
取材・文=岩下雄太