読売ジャイアンツ

ジャイアンツ投手陣への不安と期待【深澤弘のショウアップナイターヒストリー】

巨人の入団記者会見で原監督とポーズをとるビヤヌエバ(右)とクック

◆ 課題のジャイアンツ投手陣

 いよいよペナントレースが始まりました。今週は、非常に気になるジャイアンツのピッチングローテーションについてちょっと考えてみたいと思います。

 ペナントレースが始まり、これから11月まで本当に長い1年になるわけですが、この長い1年の間に気候も変わります。そういった外部の変化もあるんですけれど、チームにも変化は生まれ、各監督が思い描いていたような動きにはなかなかなりません。

 嬉しい誤算もあるけれど、嬉しい誤算よりも嬉しくない誤算のほうが多いもの。監督やコーチはそれぞれ苦労するわけですが、私が気になるのはジャイアンツのピッチングローテーション。去年のジャイアンツは、特にリリーフが悪く、後半に打ち込まれてゲームをひっくり返されることが非常に多かった。投手力が去年より良くないと、ジャイアンツの優勝という芽が出てこないでしょう。

 原監督はこれから1年、ジャイアンツの投手陣をどのように起用していくのか。シーズン前には、「投手陣は先発・中継ぎ・クローザーなどをきっちり決めないで投手総ローテーションでいきたい」といったことを話し、シアトルリナーズとのゲームでは、ブルペンで待機する予定の選手が先発から出ていき、細切れに投手を交代して先発投手を休ませるというブルペンデーもありました。

 ただ本当は、本意ではないと思うんです。ブルペンのピッチャーだけで1試合を賄うというのは、あまり計算していないと思うんですけど、どうしても先発投手が6人揃わないという事もあります。菅野、山口、田口、メルセデス、ヤングマン、それから澤村、今村、畠、ルーキーの高橋、候補はたくさんいるんですけれど、6人、あるいは5人を固定するとなると非常に難しい。

◆ 数は多いが決め手に欠けるリリーフ陣

 リリーフ投手は結構います。クック、マシソン、それから吉川、上原もいますね。中川、野上、大江、坂本はマリナーズ戦でいいピッチングをしました。それから桜井、鍬原、宮國といるんですけれど、中継ぎとクローザーを決めようとすると難しい。本来ならクックがクローザーでなんですが、不安がある。

 クックは8回を投げるセットアッパーで丁度いいと思うんです。ただ、ランナーが出た時のピッチングが下手。日本のランナーは、そこにつけこんできます。それからマシソンがベストコンディションだったら文句はないんですが、キャンプでもほとんどピッチングらしいピッチングしてないという事で、実際に出てくるのは5月以降ではないかと思います。そうすると、今から耐える事ができない。

 原監督は当初、吉川をクローザーに考えていたようですが、コントロールの面で不安がある。キャリアからいうと上原なんですが、年齢的なことを考えると難しい。あとの選手はいずれも、決定的な武器がないんですね。クック、マシソン、吉川がクローザーの候補ですが、彼らをどうはめていくかの問題になる。

 ジャイアンツには投手がたくさんいるんです。いい投手もたくさんいるんですけれど、適材適所という事は難しい。この辺に原監督は苦心すると思うんです。1シーズンを通してそういう状態になるのか、あるいはペナントレースがはじまって1~2カ月経ったところ上手く固まってくるか、それが最初の注目ポイントなのではないかと思います。

 菅野は問題ない。問題は、山口、田口、メルセデスといった菅野に続くであろう先発投手です。それからヤングマンがどうなるか。今村がどのくらい通用するのか。この辺りをある程度つかんでくると、あとはもうブルペンだけでいい。ブルペンは投げても一人1回か2回です。そのときに好調な投手を順に使っていけばいいわけで、これはピッチングコーチの宮本君と原監督が上手く連携していけばいいことです。

 いずれにしても悪くはないんです。悪くはないんですけれど、絶対的なピッチャーが菅野以外にいない。数はいる、左も揃ってる、外国人もいる。これをどういう風に使い分けていくのか、これが原監督の腕の見せ所だと思うんですが、どうなるか。

 それからもう外国人の問題。ゲレーロ、ビヤヌエバ、マルティネスといった野手をどう使っていくか。それにより、ヤングマン、マシソン、クック、メルセデスといった外国人投手の起用法が変わってくる、打線の構成も難しいんですが、何よりりピッチャーをどうするのか。どういう風にパズルを組み合わせていくのか。これが非常に見どころではないかと思います。

(ニッポン放送ショウアップナイター)
※ショウアップナイターファンクラブ会員の方は、最新の内容を音声でお楽しみいただけます!
入会無料! ⇒ http://showup89.com

もっと読む