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丸に巨人入団を決断させた長嶋茂雄の後押しとは?

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【プロ野球巨人対阪神】5回 巨人・丸佳浩が右越え本塁打を放ち、ベンチの出迎えを受ける=2019年4月2日 東京ドーム 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。本日は、4月2日の阪神戦で、先制打と移籍後初のホームランを放った巨人・丸佳浩選手と、長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督のエピソードを取り上げる。

「当然、気が引き締まりましたし、しっかり勝ちたかった」(丸)

4月2日に東京ドームで行われた、巨人-阪神戦。巨人の本拠地開幕戦でしたが、この試合、バルコニー席で長嶋茂雄・終身名誉監督が観戦。昨年(2018年)夏以来、胆石の治療に専念していた長嶋さんですが、ご本人たっての希望で久々に東京ドームを訪れたのです。

試合開始直前、ビジョンに長嶋さんの姿が映されると、場内から大きな歓声が沸き起こりました。長嶋さんが公の場に姿を見せたのは、昨年6月、西武との交流戦で東京ドームを訪れて以来。ミスターは12月に退院後、懸命なリハビリを重ね、来場を実現させました。

その原動力になったのは、「応援してくれるファンに、1日でも早く元気な姿を見せたい」という思いと、もう1つ、「丸君のバッティングを、この目で見たい」という思いでした。

昨オフにFA宣言し、広島残留か移籍かで悩み抜いた丸。決断の後押しをしたのは、長嶋さんが直々に、丸に宛てた1通の手紙でした。

「一緒に野球ができたら、僕としてもうれしい」

長嶋さんも丸も、同じ千葉出身という縁があります。自分の打席を観るために、長嶋さんがわざわざドームに足を運んでくれたことに感激した丸は、試合前、長嶋さんに向け、帽子を取って深々と頭(こうべ)を垂れました。

「それだけ野球に対して、ものすごく情熱がある方なんだと改めて思いました。僕もそういう情熱を、長嶋さんに負けないように常に持ち続けたい」

開幕戦は、昨年までのホーム・マツダスタジアムで、古巣・広島と対戦。4連続三振を喫するなど、12打席ノーヒットが続き、3戦目にようやく移籍初ヒットを放った丸。チームは宿敵カープに勝ち越しましたが、丸としては不満が残る3連戦となりました。

今回、対戦カードが変わって心機一転。ミスターが見守るなか、「きょうは絶対打つ!」と心に秘めての、本拠地デビュー戦となりました。

長嶋さんが見守るなか、初回、阪神先発・ガルシアから吉川尚と坂本勇が連打で、無死1・2塁と絶好のチャンス。ここで打席に立った丸は、一塁線を破る先制ツーベースを放ち、2点を先制したのです。昨年、中日にいたガルシアは、巨人戦で3勝を挙げたジャイアンツキラーですが、巨人打線は4回までに7点を奪ってKO。攻略の糸口を作ったのは丸でした。

丸の先制タイムリーを満足そうに見届けた長嶋さんは、4回でドームを後にしましたが、丸はまだ満足していません。5回、阪神2番手・馬場の高めのスライダーを振り抜き、ライトスタンドへ、待望の移籍第1号アーチを放ったのです。

「1球目からしっかりとしたスイングを心がけた。東京ドームで1号を打つことができて本当によかった」

ダイヤモンドを一周し、ベンチへ帰って来た丸を、ジャイアンツナインは、頭上で両手を合わせて「◯」の形を作る「マルポーズ」で出迎えました。これは今後も恒例になりそうで、チームにもすっかり溶け込んで来た丸。

「伝統の一戦だったので、ジャイアンツの一員になっているな、と改めて思った。今は非常にチームが勢いに乗っているので、連勝を伸ばしていきたい」

これでチームは3連勝、早くも単独首位に立ちました。1番・吉川尚と2番・坂本勇が好調なだけに、3番・丸が本来の調子を取り戻せば、新生ジャイアンツの勢いはしばらく続きそうです。
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